今年は、規定部門および自由部門に個性あふれる34作品の応募がありました。審査の結果、次のとおり各部門の受賞が決まりました。受賞者のみなさん、おめでとうございます。
入賞者の皆さんは8月19日(土)、ハムフェア2006イベントコーナーで表彰いたします。
【規定部門】(50MHz帯AMトランシーバ)
最優秀賞(総務大臣表彰) 冨川寿夫(JE1UCI)
50MHz AMトランシーバー
- バックノイズ多い場所で無意識に大声を出してしまっても過変調にならないようにALC用ICのTA2011Sをマイクアンプ兼用のコンプレッサーに使用。また、自然な音声に聞こえるようにレベルとタイミングを十分に調整。
- 受信部はラジオ用ICであるTA7792Pを中心としたダブルスーパーで、十分な感度と選択度を有している。
- 送信、受信ともに安定して動作する。特に送信時にはALCが効くので、どのように話しても概ね一定となり、どのような場面でも気軽に話すことができる。
- ICは現時点で入手が容易なものを使用し、全体の部品を購入しても安価で作成が可能。
- 電源は単3乾電池4本の6Vで、送信で40〜50mA、受信で17〜50mA程度の消費電流のため、1日程度は十分に動作可能
優秀賞第一席
城間良彦(JR6RNE)
50MHz AM
クラシック トランシーバー
|
|
|
- 各ブロックがワンタッチ(SMBコネクタ)で簡単に分離でき、各種の自作実験にできるようにした。
- 外付けの機器が制御できるように送受切替のリレー接点を背面に設けた。
- 受信部にはコンバーター+カーラジオを使用し、受信感度は10μV以上。
- 送信部には古典的なCO(水晶発振)+PA(電力増幅)の2ステージで構成。
- 変調はカーボンマイクを使用し6AR5が1本でシンプルにまとめた。
- 調整が簡単で動作が安定した回路
|
優秀賞第二席
菅野正人(JR8DAG)
自作で楽しむ
6m QRP AMトランシーバー
(JR8DAG-2006AM)
- 周波数可変トランシーブトランシーバーで50.550〜50.650MHzで運用可能。
- 先行試作をおこなうことにより回路、部品の入手、製作における再現性を確保。また、運用面での実用性も確認。
- 受信はラダー型水晶フィルターを使用したシングルスーパーヘテロダイン方式で、シンプルな回路で高感度、高選択度を実現。
- 送信は終段コレクタ変調で出力200mW。大型のトランスを利用したことにより良好な変調。
- 電源を内蔵したことにより移動運用時における使い勝手も向上。
|
|
優秀賞第三席
原田英明(JH4JBJ)
- 送信周波数安定化のために水晶発振子を使用。実用頻度の高い2chを実装。
- バンド内伝搬状況を素早くサーチするためにポリバリコンにつまみを直付け。
- 運用時間を考慮し単3型乾電池内蔵
- ポータブル用として頑丈なアルミケースを利用し機密性をもたせ安定感のあるデザインにした。
- プリント基板に部品を直付け(GND部)し信号線は空中配線にて動作を確認しながら組み上げた。
- パーツ類はジャンクと地方でも入手できる物で製作
アイデア賞
高木正人(JF2NMY)
50MHz AMトランシーバ
「いわし缶2」
|
デザイン賞
細田時弘(JK1UEG)
50MHz AMトランシーバー |
50MHz帯AMトランシーバー
- 水晶発振と電力増幅の2ステージ構成の送信部を使用し、50.55MHzと50.60MHzの2波を装備
- 中波ラジオに局発周波数48MHzのクリコンを付加した受信部を使用。
- 水晶発振によるAM送信機と中波用ラジオにクリコンを付加した受信機を「いわしの缶詰」の空き缶をケースとして組み込んだ。
- 外付けのスピーカー・マイクを使用。スピーカー・マイクには水銀スイッチを組み込み、水平状態で受信、垂直状態で送信となるようにした。
- クリコンは使用素子を選び、ゼロバイアスで動作させている。
|
- AM独特の柔らかい音を重視し作動時間を長くしたAGC使用しAFの音質にこだわった。
- 9pの大口径スピーカーを使用し、金属ネットで見栄えにもこだわった。
- 送受信の切替に小気味よいリレーの「カチリ」という音がほしいので大型のリレーを使用している。
- 送信しているときに赤く光る送信確認ランプはやはり無線心をそそります。
- 簡易に作れることはもちろん、特殊な部品を極力使用せず汎用部品で製作できるように工夫した。
|
【自由部門】
最優秀賞(総務大臣表彰) 山田 尚(JA3CHG)
7MHz帯磁界型ループアンテナ
- 電界型アンテナでのローディングコイルによる損失を磁界型では損失を最小限に抑えることが可能であり小型にしても効率のよいアンテナが実現。
- 共振範囲は6.86〜7.22MHz、SWRは1.5以下、耐入力は100W(SSB送信時)
優秀賞第一席 日高 弘(JA1HHF)
CW QSO シミュレータ
|
|
|
- 赤外線通信のため免許を持たない人でも自由に練習が可能。
- 4つのチャンネルを持ち最大4組8名が同時に通信訓練可能。
- 機能はトランシーブ方式でエレクトロニック・キーヤーが内蔵。
- 操作する電鍵はパドルのほか縦振れも使用可能。バグキーモードへの切替可能。
- 電池内蔵で小型軽量なので持ち運びも容易。
|
優秀賞第二席
井上 洋輔 (JJ1INO)
ダブルダイヤル
CW QRPpトランシーバ
- 7MHz CW専用、QRPp、送信出力100mW
- 送信部にBPF、LPFを採用し、送信スプリアス特性は良好
- CW通信の操作性を重視したサイドトーン付きフルブレークイン方式
- 水晶3個使用のVXOにより周波数安定度が良く7.000MHz〜7.030MHzをカバー。
- 受信部はRF1段のスーパーヘテロダイン方式、IFはクリスタルフィルタで高選択度。
- 水晶は市販品を使用し安価、短納期。
|
|
|
アイデア賞
永井 信成 (7N4SAE)
マウススタンドマイク
- 家にあるジャンク部品で簡単に製作可能。
- マウスのボタンがPTTスイッチに ○5D-SFA同軸を使用してマイクの位置が自由に変えられフレキシブル。
|
努力賞
JASC(JR1ZNH)
モールス通勤
- モールス符号をランダムに発生させ音響で出力する装置。
- 電源は単4電池2本。ポケットに入るコンパクトなケースで通勤時間などに利用可能。
- 電源電圧を3Vに設定。C-MOS回路で省電力設計。
|
|
|
小中学生の部 JARL会長賞
坂内 望
真空管式0-V-1ラジオ
- 初めての真空管工作。
- ラジオを聞きながら真空管の灯りや部品が見える。
|
テクニカル特別賞
大村陽一(JR4MDA)
自動NF(ノイズフィギュア)
測定装置
- AILTECHタイプのRF信号処理型ノイズフィギュアメーター。
- NFメーター本体のIF周波数は28MHzとしているので、測定するバンドのコンバーターを後付けすることで容易に測定範囲の拡張が可能。
- 周波数コンバーターは144MHz、430MHz、1200MHzの3つの周波数を搭載。また、個別に電源を供給することなく、IF接続ケーブルのみの接続で電源を供給。
- ノイズソースは高価なノイズダイオードを使用せず入手可能な定電圧ダイオードを使用し作成。
|
|
|
テクニカル特別賞
坂本三直(JE1ECW)
ezVNA
- CPUやFPGAを積極的に取り入れ、入手可能な部品や雑誌の付録の基板を使用し再現性、実用性の高いネットワークアナライザ。
- 用途はフィルターや増幅器などの周波数特性・位相特性、L、C、Rのインピーダンス測定、アンテナアナライザ、簡易SGなど。
- 仕様は周波数範囲100kHz〜40MHz、入出力インピーダンス50Ω、出力レベル−40dBm〜−3dBm設定可能など
|
|