August 2015 NEWS TOPICS INFORMATION

ARISS国際代表者会議を2015年8月20日〜23日東京ビッグサイトで開催

 ARISSは、Amateur Radio on the ISS(International Space Station)の略称で、国際宇宙ステーション上のアマチュア無線という意味です。ARISSは、ISS上のアマチュア無線局の設備を開発・運用するための国際プログラムで、ISSの共同開発国である米国、ロシア、日本、欧州、カナダのアマチュア無線家を中心に進められているプロジェクトです。

 ARISSには、協力各国の宇宙開発関連機関(NASA、Roscosmos、JAXA、CSA、ESA)や、国際アマチュア無線連合(IARU)加盟団体とアマチュア衛星通信協会(AMSAT)関連団体の代表者が参加し、アマチュア無線側では、毎月、プロジェクトの進捗状態や新プロジェクトに関する検討、参加各国のプロジェクトの実施状況に関する国際電話会議をおこなっていますが、年に1回、電話会議ではなく、代表メンバーが一堂に会する国際会議を実施しています。

 今年はARISS Japanがホスト団体となり、2015年8月20日〜23日、日本(東京都江東区東京ビッグサイト会議棟)で、ARISS国際代表者会議を開催しました。会議には、アメリカ、ロシア、日本、カナダ、イギリス、ドイツ、イタリアから代表者約20余名が出席し、各国のプロジェクトの進捗状況に関する報告、次世代のARISSシステム構築に関する検討などについて審議をおこないました。

 4日間の国際会議は、今年のホスト団体としてARISS Japan(JARL)の、小室圭五氏(JA1KAB)の歓迎挨拶、国際組織としてのARISSの代表者(議長)のフランク・バウアー氏(KA3HDO)による、今回の会議のテーマ、議題などに関する説明からスタートしました。

 今回の会議のおもな内容は次のようなものです。

会議全体の進行をおこなったフランク・バウアーARISS代表(KA3HDO)

▲左からロザリー・ホワイト氏(K1STO)、マーク・シュタイナー氏(K3MS)、ルー・マクファディン氏(W5DID)

  • JAXAの革新的な衛星技術のデモンストレーション
  • ARRL副会長リック・ロデリック氏(K5UR)の挨拶
  • ARISSの恒久的な継続のための資金確保に関するプレゼンテーション
  • ARISSの委員会と特別グループについて
  • ARISSのシステムの向上に関する技術的な会議
    • KENWOODのTM-D710を使用し、互換性を重視した無線システムの構築について
    • Astro-Piプロジェクト(教育用小型コンピューター「ラズベリー・パイ」のシステムへの応用について)
    • 実施プロジェクトの選定と、実施委員会の提案状況
    • Ham TV(ISSのデジタルATV)運用の現状
  • ARISSにおけるロシアの活動と拡大計画
    • ARISS-Russiaの教育プログラムの活動とハードウエア開発プランについて
    • ISSからのSSTV運用計画の国際的な拡張について
  • スクールコンタクトに関する各地域のスケジューリング手順や改善検討事項等について。
  • ティム・ピーク(イギリス人初の宇宙飛行士、第46次/第47次長期滞在予定)のISSミッションについて
  • 各宇宙開発関連機関との調整状況と支援体制について
  • HAM-TVの技術動向について
  • 日本におけるHAM-TVの受信状況報告
  • HAM-TVスライドショー
  • JVC KENWOOD社へのARISSのプレゼンテーション、および同社からARISSインターナショナルへの歓迎の言葉
  • TM-D710のテクニカルミーティング
  • 次世代ARISS無線通信システムに関する考察
  • ラズベリー・パイの応用
  • 有人宇宙飛行とARISS、その将来
  • JAXA筑波宇宙センターツアー

▲ARISS Russiaの活動を説明する、セルゲイ・サンブロフ氏(RV3DR、左)とタティアナ・コルミコワ氏(右)

▲発表のあと熱心に質疑がおこなわれた(写真の質問者は、エマニュエル・ダンドリア氏(I0ELE))

 なお、このARISS国際代表者会議に出席された、関係者の方々は、東京ビッグサイト西2ホールで開催された「ハムフェア2015」や、東京ビッグサイトレセプションホールで8月22日に開催されたJARL創立90周年記念祝賀会にも参加されました。

■今回のARISS国際代表者会議のおもな出席者(順不同)■
リック・ロデリックARRL副会長(K5UR)
フランク・バウアー氏(KA3HDO)
ロザリー・ホワイト氏(K1STO)
マーク・スタイナー氏(K3MS)
ルー・マクファディン氏(W5DID)
ケアラン・モルガン氏(M0XTD)
エマニュエル・ダンドリア氏(I0ELE)
フランチェスコ・デパオリス氏(IK0WGF)
セルゲイ・サンブロフ氏(RV3DR)
タティアナ・コルミコワ氏
ステファン・ワーグナー氏(VE4SW)
オリバー・アメンド氏(DG6BCE)
小室 圭五氏(JA1KAB)
毛利 幹生氏(JA3GEP)
上田 穂積氏(JA0FKM)
安田 聖氏(7M3TJZ)
山本 勝美(JA1CJP)
※このほか、JAXAやJVC KENWOODの技術者等からプレゼンや発表がありました。

(8月27日)


北陸総合通信局が「北陸アマチュア無線セミナーin金沢」を開催

 総務省 北陸総合通信局は2015年10月4日(日)、石川県金沢市において「北陸アマチュア無線セミナーin金沢」を開催します。

  1. 日時:10月4日(日)10:00〜16:00
  2. 場所:石川県政記念しいのき迎賓館2F(金沢市広坂2-1-1)
  3. 主催:総務省 北陸総合通信局
  4. 協力団体:
    一般社団法人日本アマチュア無線連盟北陸地方本部
    一般財団法人日本アマチュア無線振興協会
    無線通信機器メーカー ほか
  5. 内容:
     本イベントでは、アマチュア局を対象とした「電波利用 電子申請・届出 システムLite」の利用方法・メリットについて紹介するほか、来場者の皆様に電子申請を体験していただけるブースをご用意しています。
     また、アマチュア無線の魅力や楽しみ方を紹介する講演や、アマチュア無線機器展示ブースなども併せて開催します。
     なお、同日同会場3Fにおいて、JARL石川県支部の集いが開催されます。
  6. 参加対象者等:どなたでもご参加いただけます(入場無料・金沢広坂合同庁舎駐車場 約120台開放)。
     事前申込みは不要です。
<お問い合わせ先>
総務省 北陸総合通信局 無線通信部企画調整課
電話:076-233-4471
(お問い合わせは、土、日、祝日を除く8:30〜12:00、13:00〜17:00です)

(8月19日)


第23回世界スカウトジャンボリーのARISSスクールコンタクト成功(第一報)

 山口県山口市のきらら浜で、平成27年7月28日〜8月8日の間開催の、第23回世界スカウトジャンボリーで7月31日、ARISSスクールコンタクトがおこなわれ、ジャンボリーに参加した日本人のスカウト10名と海外のスカウト10名が、国際宇宙ステーションに長期滞在中のチェル・リングリン宇宙飛行士(KO5MOS)への20問の質問に成功しました。
 ARISSスクールコンタクトを実施したのは、日本ボーイスカウト連盟の「第23回世界スカウトジャンボリー」の記念局の8N23WSJで、国内では80例目となります。

 第23回世界スカウトジャンボリーのスクールコンタクトの詳細レポートは、後日にJARL Web等でも紹介できる予定です。

●第23回世界スカウトジャンボリーの記念局「8N23WSJ」

 ボーイスカウトの世界大会「世界スカウトジャンボリー」の、日本での開催は44年ぶりの開催で、世界の国や地域から3万人を超える関係者が参加の国際イベントです。

 8N23WSJは「第23回世界スカウトジャンボリー」の開催に当たって、公益財団法人日本ボーイスカウト連盟(日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブ)が開設した記念局です(JARLが開設した局ではありません)。

 8N23WSJの開設に当たって世界から参加する、アマチュア無線の資格を所有したスカウトが記念局の運用できるように告示の制定と、会期中のARISSスクールコンタクトの実施を視野に入れて、国際宇宙ステーションとの交信に際して、一定の条件の下であればアマチュア無線の免許・資格を持たない青少年でも、運用が可能となる告示(平成27年4月14日付け、総務省告示第166号)を受けました(告示の有効期限は平成27年8月9日まで)。

 世界スカウトジャンボリーの開催地である山口市は、中国総合通信局の管内ですが、中国総合通信局管内では通常割当られることがない文字列構成である、「8N23WSJ」のコールサインの割当について、中国総合通信局は次のように発表しています。

【「8N23WSJ」のコールサインについて】
  • 8N:行事等の開催に伴い、臨時かつ一時の目的のために運用するアマチュア局用に割り当てられます。また、我が国が免許した無線局であることも表しています。
  • 23:「第23回」の意を込めた「23」です。中国総合通信局管内ではこの数字部分の一文字目は必ず「4」となりますが、行事の規模と開催の意義を考慮して、通常割り当てない「2」を特別に割り当てました。
  • WSJ:「世界スカウトジャンボリー」の英語読み「World Scout Jamboree」の頭文字を割り当てました。

▽中国総合通信局の報道発表
http://www.soumu.go.jp/soutsu/chugoku/hodo_2015/01sotsu08_01000425.html

(8月3日)


   
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