JARLコンテストについての意見募集結果
2013年6月30日 JARLコンテスト委員会
JARLコンテスト委員会では、2012年8月から2013年3月まで3回にわたり、JARLコンテストについての意見募集を行いました。
会員の皆様からは、多数のご意見をいただき感謝します。
賛成、反対についての皆様の意見は実に真摯なものであり、まとめるのが難しいくらい多岐にわたるものでした。 いずれも意見として大変貴重なものばかりであり、今後の再検討や制度設計の時には大いに参考にさせていただきたく思います。
ここでは各テーマについて、次のような順でご報告させていただきます。
意見募集の趣旨
提出意見数、賛成数、反対数
提出された意見 (2014年6月末までダウンロード可能)
委員会としての見解、今後の方針
その他の意見は最後にまとめました(2014年6月末までダウンロード可能)。
1. FDコンテストの実施時期の変更(意見募集1回目)
(1)意見募集の趣旨
JARL会員と日本のアマチュア無線全体の高齢化が進行しています。
例えば、51歳以上の会員の年齢構成が76パーセントとなっております。 FDコンテストの目的は
「野外に移動して運用するアマチュア局との交信をはかるため」であり、今後の日本のアマチュア
無線の動向を考えると,8月第1週という酷暑の時期に、野外でアンテナ設営作業等を含めた
コンテスト運用を行うという行為は再検討する必要があるのではないかと考えています。
開催時期の変更については、他の既実施のコンテスト等の行事のこともあるため、実現可能な
策は他のJARLコンテストとの時期入れ替えが考えられます。
(2)提出意見数、賛成、反対
提出意見数:126、賛成:51、反対:62、その他意見:13
(3)提出された意見
EXCEL(.xls)ダウンロード
PDFダウンロード
(4)委員会としての見解、今後の方針
・実施時期は、変更しない方向にします。
・変更しない理由は次のようなものです。
学校のクラブ活動を行う時期としては最適である。
山岳や東北、北海道の移動運用は8月以外が難しい。
他のJARLコンテストとの入れ替えもそれぞれのコンテストの特性から見て難しい。
・酷暑対応は開催時間の変更で対処します。
・FDコンテストについては、次のような見直しを行うことでさらに多くの方に参加していただくことを
考えて行きます。今後のコンテスト規約検討で詳細を検討してゆきます。
開催時間の変更。
野外へ移動して運用しなくてもFDコンテストへの参加が楽しめるようにするための得点の変更。
最大空中線電力。
160mの取り込み。
運用場所を変更して運用を行う部門創設の検討。
電源区分。
2. 160mバンドの復活(意見募集1回目)
(1)意見募集の趣旨
160mバンドはかつて国内コンテストでも一般的に使用されていました。
しかし、当時の1.9MHz帯で5kHz幅の割り当てという条件下ではオフバンド運用という問題が出て
きたため、JARL国内コンテストから1.9MHz 帯を外す措置が取られました。
近年のアマチュア局の減少と160mバンド拡張により、再度160mバンドのコンテスト使用ができる
状況が可能になりつつあります。
以上の理由により160mバンドの復活を検討しており、皆様の意見をいただきたく思います。
復活にあたっては、混乱を避けるために段階的に実施してゆくことも考えられます。
このことも意見があればよろしくお願いします。
(2)提出意見数、賛成、反対
提出意見数:106、賛成:57、反対:31、条件付賛成:5、その他意見:13
(3)提出された意見
EXCEL(.xls)ダウンロード
PDFダウンロード
(4)委員会としての見解、今後の方針
・160mバンドを復活させる方向で進める。
・段階的に再開させ、第1段階としてFDコンテストで実施する。
・以降の展開については、結果を観察して判断して行く。
・使用周波数はバンドプランプラン通りとし、1.8MHzと1.9MHzの両方を使用する。
3. ALL JAコンテストのマルチ再検討(意見募集2回目)
(1)意見募集の趣旨
ALL JAコンテストのマルチは、都府県と北海道振興局、そして小笠原地区で構成されています。
小笠原地区のマルチについては過去にマルチの出現がないもの、そして特別な条件を揃えな
ければ運用が実現できないものがあります。 北海道地区のマルチは14ありますが、アクティビ
ティの面で考えると大半のマルチは出現確率が非常に低い領域に集中しています。
こういった不均衡の減少をはかるためにも、マルチの整理を検討したいと考えます。
希少なマルチとの交信がいわゆる「幸運な」交信、または恒常的に多数のコンテスト参加局へ
のマルチ貢献ができにくい状態のマルチについては、もう少し大くくりなものに変更をおこない、
ALL JAコンテストにおけるマルチの出現バランスを均等化する方向を検討したいと思います。
(2)提出意見数、賛成、反対
提出意見数:62、賛成:21、反対:37、その他意見:4
(3)提出された意見
EXCEL(.xls)ダウンロード
PDFダウンロード
(4)委員会としての見解、今後の方針
・極端に出現比率が少なく、また民間人の行くことが難しい南鳥島と沖ノ鳥島については、小笠原
に統合する。
・北海道地区については現状のままとするが、今後数年の経過観察後、再度見直しをする。
4. 全市全郡コンテストのマルチが大都市に偏ることや桁数の違いの改善(意見募集2回目)
(1)意見募集の趣旨
当初オールシティーコンテストとして開催されていた全市全郡コンテストですが、近年のいわゆる
平成の大合併や政令指定都市の増加により、全市全郡コンテストのマルチが都市部に偏る傾向
が顕著になっています。 特に、グランドウェーブ伝搬によるQSOが大半となるバンドにおいては、
都市部近傍での運用によるマルチ獲得は、スコアメイキングに非常に有利となっています。
また、市と区郡のマルチについて数字桁数の違いがあり、運用時における公平性を実現する何ら
かの改善の余地がないかを見出していきたいと考えています。
(2)提出意見数、賛成、反対
提出意見数:64、賛成:28、反対:32、一部賛成一部反対:2、その他意見:2
(3)提出された意見
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(4)委員会としての見解、今後の方針
・良いアイデアが無いため現状のままとするが、下記のような検討は行ってゆく。
・「区」を止めて「市」と「郡」を区分単位としてマルチプライヤーを設定することを検討する。
マルチの桁数はこれにより4桁あるいは5桁となり、許容の範囲となる。
・名称をマルチプライヤーに沿ったものとすること。
5. 結果発表をJARL WEB主体とすること(意見募集3回目)
(1)意見募集の趣旨
現在のJARLコンテストの結果発表は、「コンテスト規程」の中で機関紙(JARL NEWS)でするように
定められています。 このためコンテスト結果に対するクレーム受付の期限はJARL NEWSの発行
日を基準として決められています。
たとえば、2012年6m AND DOWNコンテストの入賞局発表は、2013年1月1日付け発行のJARL
NEWSでなされており、クレームの受付期限は2013年1月21日になっています。
今後、結果発表のJARL Web上での早期化が進むとクレーム受付期間との乖離が大きくなり、結果
発表は早いが最終結果はなかなか出ないという不具合が生じます。
コンテスト委員会では、結果発表とクレーム受付期間を同時期とするため、さらに結果の早期発表
化を推進するために結果発表をJARL Web上でおこない、クレーム受付もWebで結果発表された日
を基準とするように規程を改正することを検討しています。 もちろんJARL NEWSで入賞局発表を
することは継続したいと思います。
(2)提出意見数、賛成、反対
提出意見数:51、賛成:46、条件付賛成:2、反対:1、その他意見:2
(3)提出された意見
EXCEL(.xls)ダウンロード
PDFダウンロード
(4)委員会としての見解、今後の方針
・「コンテスト規程」改正を理事会に答申して、結果発表をJARL Web上と機関紙で行うようにする。
機関紙による発表はページ数の制約から簡略版とする。
・失格者については、直接本人に文書で通知するように規約を改正してWebを見ていなかったため
に弁明の機会を逸したということの無いようにする。
・電子ログ化の進捗と結果発表のJARL Web 主体化をあわせてコンテスト結果発表の期間短縮
化を図れるようにする。
・Web主体の結果発表にすることで、単に順位とスコアを羅列する従来のスタイルから、バンド別の
得点やマルチプライヤーを合わせて表示したり、あるいはデータベースとして処理ができる情報を
提供するなど、電子化することによるメリットを最大限に生かした結果発表を行えるようにする。
データベース化した情報では、コンテスト参加者が自ら情報を加工し、さらなるスコアアップや戦
略研究が可能となる形態にする。
6. 賞状の電子化と全員配布について(意見募集3回目)
(1)意見募集の趣旨
コンテストの書類提出局は現在7,000〜8,000局程度、入賞者に発行されている賞状は、現在年間
1,800枚程度で推移しています。
近年のDXコンテストの状況を鑑みると電子化された賞状の発行もあり、これをコンテストのログ提
出者全員が入手できるという措置も取られています。 当然、この電子化されたデータを賞状用紙
に印刷することもでき,またデジタルフォトフレームで鑑賞するという楽しみ方も可能となっていま
す。
近年のJARL財政では,予算編成においては支出削減が至上命題であり、JARL事業のすべての
分野で厳しい見直しが進められています。
以上の情勢を鑑み、コンテストのログ提出者全員が電子データによる賞状を受領できる方向性を
検討したいと考えています。 もちろん電子データを基に賞状用紙へ自ら印刷する,または写真店
や印刷サービス会社等に依頼して印刷された賞状を所有することも可能です。
(2)提出意見数、賛成、反対
提出意見数:48、賛成:30、反対:9、一部賛成一部反対:3、その他意見:6
(3)提出された意見
EXCEL(.xls)ダウンロード
PDFダウンロード
(4)委員会としての見解、今後の方針
・賞の電子化の検討を進める。
・入賞の賞と参加賞の区別を検討する。
・紙媒体に印刷された、あるいは手書きで書かれた「賞状」を希望するコンテスト参加者に対して
は、適正なコストのもとでその求めに応じることのできる手立てを検討する。
7. その他意見(意見募集1回〜3回)
提出された意見
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PDFダウンロード
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