アマチュア無線フェスティバル PHOTOレポート
8月25日(土)、26日(日)、東京都江東区有明の東京ビッグサイト西2ホールで、ハムフェア2007が開催されました。 今年のハムフェアには、IARU(国際アマチュア無線連合)第3地域理事の方々をはじめ、海外からの50名以上の来賓が訪れました(写真右)。 初日、8月25日は開場前から、発券所、入場ゲート前に長い行列ができ、09:45から開催されたオープニングセレモニー、テープカットの後、開場後も後から後から来場者の行列が伸びて、ゲート前の行列はお昼過ぎまで絶えることなく続きました。 2日目の8月26日も、同様に開場前から入場ゲート前に行列ができ、開場後、大いに賑わいを見せていました。 なおハムフェア2007の来場者数は、2日間でのべ30,000名(初日:18,000名、2日目:12,000名)でした。 ハムフェア2007にご来場いただきましたみなさんありがとうございました。また、出展者のみなさんお疲れさまでした。
ハムフェア2007では、キャッチフレーズの「あなたも帰りは、モールス仲間」に合わせて、伝統の通信モードで、現在もアマチュア無線家の間で愛好者の多い「モールス電信」に関する各種の展示や催事をおこないました。
アマチュア無線のデジタル通信システムである、D-STARへの関心が高まりつつあります。ハムフェア会場内でも、各所でD-STARに関する展示や催事がおこなわれていました。 特別記念局8J1Aでも、両日1時間の時間を設けてD-STAR公開運用を実施しました。 JARLコーナーのD-STARブースでは、D-STAR対応機以外の無線機に接続してD-STARのDVモードを運用できる「自作D-STARアダプター」の実演展示をおこないました。 この「自作D-STARアダプター」は7M3TJZ安田さんが、実験・研究を経て製作に成功したもので、安田さんはさる8月3日には保証による免許申請で、このアダプターを接続した無線設備で、D-STAR DV(F7W)の免許を受けました。 アダプターはアイコムのD-STAR対応ハンディー機用オプションユニット「UT-118」を部品として使用し、PICによる制御をおこなうものです。 ブースを訪れてくださった来場者の方々には、この自作D-STARアダプターに大変興味を持つ方が多かったようで、アダプターを製作された安田さんに熱心に質問をしているようすが、頻繁に見られました。 なお、JARL NEWS2007年秋号(2007年10月1日発行予定)では、安田さんが製作された「自作D-STARアダプター」の詳細に関する技術記事を紹介する予定です。
ハムフェア2007特別記念局8J1Aの運用は東京都支部の協力で8月1日より開始され、ハムフェア会期前には、東京・巣鴨のJARL事務局資料室ほか、東京都足立区、稲城市、墨田区、青梅市で移動による運用もおこなわれました。 8月25日・26日の両日お昼はハムフェア会場内(東京都江東区有明)で、24日・25日の両日夜間には、東京都中央区での移動による運用がおこなわれました。
今年はARRL(アメリカのアマチュア無線連盟)からW3IZノーム・フサロさんが来日し、DXCC申請の受付をおこないました。 英会話が不得意な人にも、聞きやすい英語で気さくに語りかけてくるフサロさんは、時折ジョークも交えながら、大変手際よくカードチェックを進めていました。 なおフサロさんを迎えた今回は、過去最も多い276件のDXCC申請を受け付けることができました。
ハムフェア2007は、例年と比べて親子連れの方々の来場がかなり多く目立ちました。 「工作教室」は昨年まで、教材の作品難易度が非常に高くなっていたことから、会場にご来場いただく子供たちに、手軽に楽しんでいただくために、今年は教材を「IC高感度ラジオ」「ICぴかぴかペンダント」「電波チェッカー」「オリジナルモールス練習機」(リンクの資料はすべてPDF型式)の4教材に絞って、来場のできるだけ多くの子供たちに楽しんでいただくことにしましたが、会場に準備したキットは両日とも午後早々には完売、キットの購入者の多くは親子連れで、多くの子供たちがブース内で完成させ、大喜びで持ち帰ったようです。 25日に開催の表彰式(ALL ASIAN DXコンテスト、自作品コンテスト、絵画コンクール)に出席のため、ハムフェア2007会場を訪れた、渡辺克也総務省総合通信基盤局電波部移動通信課長は、
JAIAコーナー、ビジネスコーナーに出展された、無線関連機器メーカーのブースには、各社自慢の製品が多数展示され、また新製品などの出展も見られたことから、来場者の注目を集めていました。
イベントコーナーは、次のような楽しい役立つ講演等で大好評でした。
ハムフェアの特別催事の一つとして、昨年のハムフェア2006で好評を集めた、「ハムフェアアイボール30アワード」の発行をおこないました。今年のアイボール30アワードのデザインは、2月〜3月に、8N1EMEの月面反射通信実験が実施された、KDDI茨城衛星通信センターの32mカセグレン・アンテナIBA-4の勇姿です。両日で483件の申請がありました。
自作品コンテストには、規定部門および自由部門に、個性あふれる25作品の応募がありました。 また絵画コンクールには、3才のお子さんから高校3年生まで、あわせて129作品が寄せられました。ハムフェア2007会場では、自作品コンテスト、絵画コンクールの入賞作品を展示しましたが、来場者の方々は熱心に各作品をご覧になっていたようです。 なお、25日にはイベントコーナーで表彰式をおこないました(今年はALL ASIAN DXコンテスト表彰も併せて実施)。入賞者のみなさん、おめでとうございます。 ▲ALL ASIAN DXコンテスト、自作品コンテスト、絵画コンクール入賞者のみなさん。
冒頭でも紹介しましたとおり、クラブコーナーは両日とも、大変なにぎわいでした。 通路は人混みであふれ、久々のアイボールを楽しむ人たちや、さまざまな展示や催事を楽しむ人たち、お買い物を楽しむ人たちなどでいっぱいでした。 特に初日の人混みは特筆もので、開場から閉館時刻間近まで、人混みが絶えることはありませんでした。 また、ビジネスコーナーに出展のハムショップやパーツショップのブース付近も同様で、掘り出し物やハムフェア特価品などを探し求める来場者の熱気がいっぱいでした。
8月25日17:30、東京ビッグサイト西展示棟正面のニュートーキョーに、180名の出席者を集めて毎年恒例のアイボールQSOパーティーが開催されました。 祝辞の中で、渡辺移動通信課長は「総務省では現在、3.8MHz帯のアマチュアバンド拡大に向けて準備を進めています。現在も、他の業務での活用がおこなわれていることもあり、周波数の範囲など、具体的な点までをお話しできる段階ではありませんが、総務省としては現在の3.8MHz帯のアマチュアバンドが運用人口に対して手狭であるということを十分に認識しております。実情を踏まえて速やかに対応してまいる所存です。また、アマチュア無線家の皆様には理科離れが叫ばれている子供たちの科学への興味を引き出す取り組みに今後ぜひ尽力いただきたい」と語っています。 開会、歓談の後、海外からの来賓の紹介がおこなわれ、JA1AYO丹羽一夫副会長の中締めで、アイボールQSOパーティーは盛会のうちに幕を閉じました。
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