平成17年1月7日午後7時44分43秒、私の呼びかけに国際宇宙ステーション第10クルーのアメリカ人宇宙飛行士Leroy Chiao氏は、返事をしてくれました。 今回の軌道は、最大仰角32度と日本でおこなわれたコンタクトの中で一番低いものだったので、10分間明瞭に交信できるかが最大の問題でした。 しかしながら今回から無線機がハンディートランシーバーからモービルトランシーバーに変わったこともあって、安定した電波を受信することができました。 本番前、子供たちの緊張を少しでもほぐそうと質問する子供たちに、用意していた宇宙食の試食をし、一気に雰囲気が和みました。始めて宇宙食を食べた子供たちからは、バナナは好評でしたが、アイスクリームは「おいしくなーい」と不評でした。 さて、いよいよ本番。6年生72人の代表12人の子供たちが、手際よく交代しながら次々と質問をし、気が付けば用意していた19問すべてが終わりました。 子供たちの質問に対しLeroy Chiao宇宙飛行士は、簡潔に答えてくれました。 そのせいもあって1分強の時間が余り、予定していなかったのですが、コントロールオペレーターの私までもが「新聞記事で、食べ物が不足していて10%の食事制限をしていると聞いたけど、大丈夫?お腹空いてない?」と質問。 Chiao宇宙飛行士は、笑いながら「大丈夫だよ、先月28日に無人補給船プログレスが、クリスマスプレゼントにいっぱい食料を持ってきてくれたよ。だからもうダイエットはしなくていいんだ」と、答えてくれました。 子供たちの質問の答えは、会場にいるラング・ダウストさんを始め3人のALTの先生方によって、同時通訳され、それをタイピングしてリアルタイムでスクリーンに映し出すという早業も、会場にいた観衆を驚かせました。 同席していらっしゃった赤松稲美町長、堀口教育長も「ARISSスクールコンタクトを通じて、貴重な体験を子供たちにさせてあげられた。将来、稲美町から宇宙飛行士が誕生したら…」と感動していらっしゃいました。 最後になりましたが、今回のプロジェクトにご協力いただいた、各方面の方々に厚く御礼申し上げます。 (レポート:JG3QZN・田中一吉JARL兵庫県支部長) |
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