国際宇宙ステーションと交信に成功
令和4年7月13日(水)20時56分、埼玉県狭山市のボーイスカウト狭山第二団が、同市柏原のスタークラブ事務局(有限会社アイ電気内)屋上に設置したクロス八木アンテナにて、「8J1SBS」のコールサインで宇宙飛行士Kjell N. Lindgrenさん(KO5MOS)との交信に成功し、自宅からオンラインで参加したスカウトたちは安堵と喜びと感動の笑顔が溢れました。
屋外に集まり夜空を見上げて交信ができたらロマンチックでしたが、コロナ禍のため各家庭からオンラインでの参加となり、事前にネット環境などを確認しました。 また英語での質問ということで、同市内で活躍するALT(外国語指導助手)の先生から英語のレッスンを受けました。質問はスカウト自身が考え、候補をいくつか準備して顔合わせ、そして対面での楽しいレッスン、質問の確定。その後、4回のオンラインリハーサルを重ね本番へ。質問に対するレッスンだけではなく、スカウトたちの緊張をほぐすように色々な手段で楽しませてくれました。 このことで宇宙だけでなく英語への関心も広がったと感じます。
交信をする宇宙飛行士のKjellさんは元ボーイスカウトであり、最高のランクであるイーグルスカウトの経歴です。スカウトの大先輩と現役後輩の、宇宙と地球での交信という輝かしい記念日となりました。 そしてメインオペレーターは狭山工業高校アマチュア無線部部長の渡邉恒星くんが務めることとなり、オペレーター含む全員が18才以下で臨む交信となりました。練習も本番も素晴らしい進行で、きっと何度も個人練習を重ねてくれたのだと思います。終了後、スカウトから「彼のような高校生になりたい」「かっこよかった!」と感想が寄せられるなど、宇宙との交信という本来の目的以外にもスカウトたちに大きな影響を与える出会いがありました。
ボーイスカウトのモットー(標語)である「そなえよつねに」の考えのもと、何度も練習し、各家庭でも練習を積みました。色々な状況への対応も思いつく限り考えました。しかし、宇宙との交信というトラブルゼロではない企画、本番当日、スタークラブ事務局であるアイ電気さんは緊張に包まれていました。
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「スカウトたちにメッセージを」というオペレーターからのお願いに、Kjellさんからは「皆と話が出来てとても楽しかったです。このような時間を作ってくれてありがとう。私も若いころボーイスカウトに入っていたし、今は息子たちがボーイスカウトにいます。キャンプしたり自然の中での時間を楽しんでください。キャンプは私も大好きな行事です。みな元気で! 今日は本当にありがとう」と返事があり、最後は「さよなら」とボーイスカウトの敬礼をして交信が終わる、夢のようなシーンでした。 ◆翻訳チーム
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◆感謝を手紙に 興奮冷めやらぬ状況とはこのこと、何日経っても(今でも)感激と感謝の気持ちは冷めません。スカウト全員から、Kjellさん、スタークラブの方々、ALTの先生、翻訳チームの皆さん、後援の広瀬公民館館長さんに手紙を書きました。 <スカウトたちの感想(一部)>
◆ボーイスカウト技能章 ボーイスカウトの教育法の要素(8つ)の中に年齢に合わせた「個人の進歩」があり、それはやる気を呼び覚まし成長を促すだけでなく、進歩制度を通して将来の目標を定めたり、生きていく上で役立つ技能を身につけ・行動する市民となる術を学び、社会に奉仕できるようになります。そしてその挑戦を認めてもらうことに重
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◆スカウトたちへ 今回の体験がみんなの将来に大きく影響することは間違いありません。恵まれた貴重な機会に感謝し、その経験という財産を自分だけのものにせず、いつか、社会へ何かしらの形で貢献が出来るようにこれからも活動していきましょう。 ◆最後に 一生の宝となる素晴らしい体験のためにご尽力いただいた皆様へ心より感謝申し上げます。また、今回のことだけでなく、素晴らしい機会がより多くの子どもたちに提供されることを願っています。 [レポート:ボーイスカウト狭山第二団 小林希世子]
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