制度改正後初の体験制度による国際宇宙ステーションと交信に成功
◆企画の発端 コロナ禍に入り恒例の地域イベントの休止が相次ぐ中、世田谷区烏山総合支所では、地域の子どもたちへの影響を懸念していました。同支所職員に複数のアマチュア無線家がおり、子どもたちに夢と希望が広がる地域イベントとして、2020年10月、ARISSスクールコンタクトへのチャレンジ準備が始まりました。JAMSATから協力いただける見込みが立ち、機材も区職員有志で用意することが確認できたことから、「烏山宇宙プロジェクト」をスタートしました。 中高層建物が密集する地域でもありロケーションは悩ましい問題ではありましたが、区立烏山北小学校長にご相談したところ会場提供の快諾をいただけました。また、プロジェクト主催者を烏山区民センター運営協議会にお願いし、その後は、地域を巻き込む積極的な活動にご尽力いただけました(プロジェクト事務局:烏山総合支所)。 ◆準備から実施に至るまで
◆当日、UAE駐日大使閣下や留学生も来場 交信の模様はYouTubeの烏山区民センター運営協議会 (@user-fw1de1th6j)をご覧いただければと思い、ここではその他のことを中心にレポートします。 リハーサルを重ねてきたクルーたちなので、本番の交信も落ち着いてオペレーションが出来ていましたが、後刻、来場された大使からの温かい激励のコメントをいただき、大役を成し遂げた笑みを見せるクルーの姿がありました。 年度を超えたことにより高校進学したクルーが2名いましたが、制度改正後の無資格の高校生として初めてのARISSスクールコンタクト交信者となりました。 海外転出(英国在住)クルーについては、VoIPでの交信参加を検討しましたが、音声遅延などのトラブルを回避するため、あらかじめ質問音声をデータで預かり、送信用ボイスメモリーから送信し、当該クルーには交信状況をYouTubeでライブ視聴してもらいました。その他の当日欠席クルーを含め3名がこの方法としましたが、問題なく交信することができました。結果、当日在籍クルー全員18名(小学6年生・10名、中学1年生・3名、中学2年生・1名、中学3年生・2名、高校1年生・2名)が交信に成功しました。
コロナ禍での実施であり、コントローラーなどスタッフについては交替要員を複数確保する必要があったため、JAMSATメンバーやローカルのアマチュア無線家にご協力いただきました。 「宇宙」「アマチュア無線」を通じ、多くの皆さまにお力添えをいただき、携わったすべての人が感動の成功を得ることができました。この場をお借りして感謝し御礼を申し上げます。ありがとうございました。
写真提供:世田谷区
[レポート:JA1ZSH世田谷区職員無線クラブ 柳澤純(JQ1LKQ)] | ||