ドイツ HAM RADIO 2024 レポート

 2024年6月28日から30日の3日間、ドイツのフリードリッヒスハーフェンで「HAM RADIO 2024」が開催されました。JARLでは、JA5SUD 森田会長、JG2GFX 種村参与、JH3GXF 安孫子理事を派遣してブースを出展し、日本国及び日本のアマチュア無線のPR、参加者や外国団体との交流などをおこないました。

<HAM RADIO 2024 概要>
開催日:2024年6月28日~2024年6月30日(3日間)
場 所:フリードリッヒスハーフェン メッセ
(ドイツ連邦共和国フリードリヒスハーフェン)
展示エリア;27,400㎡
訪問者:59カ国から11,000名
出展者:30カ国以上から392人
(商業、協力、フリーマーケット)
日本からは、Far East DX-Ploiters がブース出展


 東京、デイトンに次ぐ世界の3大ハムフェアのひとつである「HAM RADIO 2024」への今回の出展で、「日本国及び日本のアマチュア無線のPR」「JARL及びJARL発行アワードのPR」「各国のアマチュア無線家との友好を深める」「日本からの出展者との協力・来訪者の案内」といった目的を達成することができました。


▲JARL出展ブース:種村参与 森田会長 安孫子理事(左から)

<JARLブース>
 現地では、期間中に主会場(チェッペリンCATホール)内にブース 6㎡(2m×3m)を設置して、次のような活動をおこないました。
・ブース来訪者にJARL 及びJARL アワードのPR を行いました。
 また、茶菓やJARL グッズなどを提供し好評を得ました。
・IARU、DARC等他アマチュア無線関連団体と交流を行いました。
・JARL アワード問い合わせに申請方法などの説明を行いました。
・JARL旗及び幟、ハムフェア2024ポスターを展示しPRと案内を行いました。
・大阪万博についての質問などがあり説明をしました。
・日本での運用について質問があり説明とJARL Webの紹介を行いました。
・各国の展示ブースを訪問し状況を観察し交流を行いました。


▲IARU副会長のDF2OO Thomas Wrede氏を交えて

<外国団体との交流>
現地では、次のような方々と交流を深めました。
IARU会長  VE6SH/G4HUA Timothy Ellam氏
IARU副会長 DF2OO Thomas Wrede氏
IARU前副会長 LA2RR Ole Garpestad氏
Reg.1 YOTA議長  DK6SP Philipp Springer氏
DALC,CRC(Czech Radio Club)関係者 その他


▲JARLブースで来訪者に説明をする森田会長

<レポート:JA5SUD 森田会長>
 今回、初めての参加でしたが、まず感じたことは会場が広くて、ゆったりとしていたことでした。そもそも入場者数自体が(東京の)「ハムフェア」に比較して少ないことも影響していますが、開会式の時間が近づいても「ハムフェア」のような混雑ぶりはありません。入場の際には、申込時にメールで送られてくる証明書を印刷して、印刷されたQRコードを入口の読み取り機にかざすだけのスマートさです。当日、入場整理券を購入するのに1時間近くも並ばなければいけない「ハムフェア」は大いに改善の余地があります。受付の係員も数名で対応していましたのでこれも見習わなければならないと感じました。
 一巡した印象ですが、やはり他の連盟も若者に対する取り組みを積極的に行っているなと感じました。またブースで対応している際に気が付いたのですが、「ハムフェア」よりも若い人の参加が少ないのではないかと思いました。若者離れは世界共通の問題のようで、わが組織も今以上に活動を活性化させて若者に対するアマチュア無線の楽しさ素晴らしさをアピールすべきであるということを強く感じました。また、JARLブースのそばに出展されたCRC(Czech Radio Club)のブースでは8月に開催されるYOTA Summer Camp 2024 のPRコーナーがありましたので、そこにお伺いしてJARLからも2名の若者を派遣する旨、お伝えをしました。
 2日目のIARU MEMBERSHIP MEETINGは、各国を代表する連盟役員が集う懇親の場でしたので、IARU会長のTimさん、IARU副会長のThomasさん、前IARU副会長のOleさんをはじめとする多くの皆様と歓談することが出来ました。この時間は自分にとって非常に充実した時間となりました。アマチュア無線という共通の土台の中で、このような友好を深める場に参加することはとても大切なことでこれこそが今回出展した大きな目標でした。
 派遣期間中には、いろいろとハプニングもありましたが、最終的に3日間で300名を超す来訪者があり、対応に当たりました。特に質問が多かったJARL発行のアワードに関することや日本を訪問した際にアマチュア無線を運用する際のポイント、「ハムフェア」に関する様々な情報提供等については、今以上に資料を揃えて対応したほうがベターだと感じました。
 いずれにしましても、今回の訪問はとても意義のあることだと実感いたしましたので、今後も継続してこの施策を展開していく必要性を強く感じました。


▲YOTA Summer Camp 2024が開催されるチェコの
CRC(Czech Radio Club)ブース

<レポート:JG2GFX 種村参与>
 会場を一巡した印象は、全体的に「フリーマーケットを含めやや規模が縮小した」でした。そして、何よりも「若者の参加者が少ない」のが目につきました。日本に限らず、世界的にも「若者の理科離れ」が浸透しているのでしょうか。若者の底辺拡大の必要性を改めて痛感しました。
 2018年に初めてHAM RADIOに出展して強い感銘を受け、以降は社員総会の日程と重複していたため再訪が叶なかったのですが、6年ぶりのHAM RADIOはとても印象深いイベントでした。各国連盟の要人との交流は勿論ですが、旧知の友人との再会も劇的で、個人的にはARDF世界大会で毎回お世話になったLA2RR Oleさんや、米国ウエストバージニアで開催されたスカウトジャンボリー(24WSJ)の無線局NA1WJの同じスタッフだったSjaak Van Dam さんとの偶然の再会は本当に感動しました。また、偶然、お隣に出展されたCRC(Czech Radio Club)のブースのYOTA Summer Camp 2024 のPRコーナーにお伺いをして、JARLから若者を派遣する旨、お伝えをしました。
 反省点としては、JARLブースに展開すべき物品や資料等を国際宅急便で送ったのですが、残念ながら期間内に会場に配送されませんでした。現地の駐在社員の情報では、税関がほとんど機能していないそうで、今後はハンドキャリーを勧められました。また、LUSO JAPAN が出展予定でしたが、何らかの都合で不参加になりました。来場者からの問い合わせが多くありました。継続の大切さを改めて実感しました。


▲QSLボード:各国からの参加者が貼り付けていた

▲RSGBの展示

<レポート:JH3GXF 安孫子理事>
 FT8などで日本との交信が盛んになり日本のアワードに関心もつ方が増加しているように感じました。JARLのWEBなどには情報が少ないようで突っ込んだ内容にWEBで確認をしようとしたが要領を得ないとの事でした。もっとビジュアル的なフォームの参考例なども出してわかりやすくする必要があると感じました。また万博に絡めて日本での運用方法のPRも出来れば良いのではとも思います。
 ヨーロッパの各連盟も若者への働きかけが盛んなようで、青少年へのPRや、青少年向けのイベントや競技も盛んで参加者も多いようでした。日本でも青少年向けのコンテストやイベントなど積極的に行うべきと考えます。
 アワードなどのPRをもっと行う必要があったのですが、PR用の印刷物などが未着で配布する物がなく口頭やWEB を見せての紹介にとどまったのは残念でした。次回の参加に合わせてもっと小さな用紙にQRコードなどでスマホなど情報が見られるような方法も検討しなければならないと感じました。また、小さなプロジェクターなどで日本の映像も見せることが出来ればもっとわかりやすく紹介できたのではないかと感じました。日本を目立たせるためには是非とも日章旗は持って行った方がよいとも感じました。
 来年は大阪万博開催があるので映像や写真の展示を行って来場者の増加に貢献できるよう準備を進めるべきだと思います。


▲出展会場の様子

▲フリーマーケット

(※肩書きは本レポート掲載時のもの)

(2024年8月22日掲載)
(2024年9月4日更新)