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 昭和基地10月のコンディション

 日本のアマチュア局の皆さん、こんにちは。南極昭和基地の8J1RLです。
 ついこの間冬が明けたばかりと思っていたら、どんどん日が延びてきて11月1日現在の日の出は午前3時6分、日の入りは午後9時8分となり後一ヶ月もしないうちに今度は白夜の季節がやってきます。
 また、ブリザードの回数もめっきり減り、強い風が吹くことも少なくなってきました。このため10月は野外における観測・設営活動も増え、アマチュア無線を楽しむ時間もやや少なくなってきています。さらに、北海道でもオーロラが観測できたという、月末に発生した大規模な磁気嵐は南極にも深刻な影響を与え、アマチュア無線どころか業務で使用している短波回線の多くが一時的に使用できなくなりました。幸い昭和基地やドームふじ観測拠点の業務上の電話連絡や電子メールはすべて商業通信衛星を介した回線ですので、業務に支障はありませんでしたが、宇宙規模での不思議さを感じた10月でした。以下、各バンドにおける状況です。

7MHz
 10月は早朝からのワッチが功を奏したようで、NA,SA,EUを中心にCWで約160局と交信できました。残念ながらJAとの交信はできませんでしたが、全市全郡やCQ WWコンテストの時にはJA常勝局の強力な信号も聞こえていましたから、11月に期待したいと思います。ただし、高レベルのノイズが常に入感しているバンドですのでSSBでの交信は難しそうなので、当分はCWだけの運用となりそうです。

10MHz
 NA,SAとの交信は少なかったものの、相変わらず活気のあるバンドであり約150局と交信できました。もっとJAの局と交信したいのですが、ノイズが多くて閉口しています。コンディションが良い時には、EUのRTTYが聞こえることがありました。

14MHz
 相変わらずワールドワイドに安定しており約160局と交信しましたが、やはりガツンという感じの入感はありませんでした。RTTYはJARTSのコンテストがあり、短時間ですが参加できましたのでRTTYでの交信が約90局でした。しかしながらPSK31は空振りCQが多く8J1RLのPSK31のアクティビティは下がりつつあります。もっとSSBの比率を上げたいと思っていますが、20mバンドでは8J1RLは雑魚扱いですのであまり乗り気がしません。

18MHz
  10月はCW,SSB,RTTYとも平均して電波を出すことができ約140局と交信することができました。ノイズがひどくあまり積極的にワッチをしたくなるようなバンドではないのですが、RTTY局も多いことが分かりました。またEUの局からのコールが多いと感じました。

21MHz
 CWおよびRTTYでJAを中心に約120局交信できました。コンディションが上がれば、SSBでJA向けのサービスを増やしたいバンドです。

24MHz
 なかなかオープンしないバンドですが、オープンすると次々に呼んでくる不思議なバンドです。JAを中心に約80局交信。ここもSSBでの交信を増やしたいと考えています。

28MHz
 今までほとんど運用実績のないバンドですが、10月はEUの局約10局とCWで交信できました。一局でもいいから何とかJAと交信したいバンドです。

AO-40
 昭和基地でAO-40のウィンドウが開く時間は深夜から早朝であることが多く、なかなかアクセスする時間が取れなかったため僅か14局とのリポート交換でした。そのうち、ファーストコンタクトは6局でした。


▼写真説明:10月の昭和基地周辺はアザラシの出産ラッシュです。生まれたばかりのアザラシの赤ちゃんを驚かさないように遠くから写真を撮ったり観察したりします。撮影は調理担当の古畑隊員。

アザラシの親子
 【11月3日昭和基地発】

(第44次南極地域観測隊 芝崎)

Tnx 国立極地研究所