越冬交代
日本のアマチュア局の皆さんこんにちは。南極昭和基地の8J1RLです。
今から一年前の2003年2月1日、私たち第44次日本南極地域観測隊は第43次隊から越冬という重いバトンを受け取り、今日までの一年間を昭和基地で過ごしてきましたが、1月31日をもって越冬を終え第45次隊に8J1RLの運用を引き継ぐことになりました。
越冬生活が始まったばかりの頃は一日がとても長く感じられましたが、過ぎてしまえば一年間は本当にアッという間でした。越冬交代直後に氷点下20℃を下回る極寒の中でWARCバンド用アンテナを建設したことや、こどもの日・夏休みに日本の小中高校生と交信しようと勤務時間のやりくりをしたのも、今では懐かしい思い出となりました。
この一年の間に、勤務の合間を縫って8J1RLからは初めてであろうRTTY, PSK31, AO-40にトライし、アマチュア無線の電波を出し始めた少年の頃のように胸をときめかせたり、日本のアマチュア局との交信を通じて季節が移りゆく様を知り遠い故国に思いを馳せたりもしました。
去年(2003年)はサイクル23の下降期ではありましたが、「CQ」を出す度に世界中のアマチュア無線局からコールしていただき、日本では到底味わえないようなパイルアップも経験できました。また、時には無線機が壊れたのではないかと錯覚するほど、ノイズしか聞こえなかった観測史上最大級の磁気嵐にも遭遇するなど、オーロラ駆けめぐる南極の地で驚きと感動の一年を過ごすことができました。
8J1RLのメンバー一同、南極からアマチュア無線局を運用できる機会に巡り会え、本当に感謝しています。 (社)日本アマチュア無線連盟、国立極地研究所、砕氷艦「しらせ」並びに世界中のアマチュア無線家の皆さん声援ありがとうございました。
さて、一年間の運用結果ですが延べ5,679局と交信しました。内訳は次表のとおりです。 |
Mode |
CW |
SSB |
RTTY |
PSK31 |
MIX |
Total |
Freq. |
JA |
DX |
JA |
DX |
JA |
DX |
JA |
DX |
JA |
DX |
7 |
14 |
181 |
|
|
|
|
|
|
|
|
195 |
10 |
434 |
513 |
|
|
|
|
|
|
|
|
947 |
14 |
238 |
75 |
101 |
3 |
222 |
299 |
45 |
135 |
|
|
1118 |
18 |
611 |
346 |
257 |
9 |
93 |
29 |
|
|
|
|
1345 |
21 |
290 |
44 |
492 |
8 |
215 |
23 |
19 |
5 |
|
|
1096 |
24 |
390 |
371 |
86 |
6 |
|
3 |
|
|
|
|
856 |
28 |
|
9 |
|
|
|
|
|
|
|
|
9 |
AO-40 |
53 |
53 |
|
|
|
|
|
|
1 |
6 |
113 |
Total |
2030 |
1592 |
936 |
26 |
530 |
354 |
64 |
140 |
1 |
6 |
5679 |
3622 |
962 |
884 |
204 |
7 |
|
私たちは昭和基地を離れた後「しらせ」で海洋観測や海底地形測量などを行いながら北上し、日本に帰国するのは3月末となります。QSLカードは4月以降ビューロに発送する予定ですので楽しみにお待ちください。
8J1RLの運用は2004年2月1日から第45次隊に引き継がれますが、今後も8J1RLのコールサインが聞こえていましたら第44次隊同様にどんどんコールしていただき、新しいデザインとなったQSLカードをコンファームしてください。
最後に、1年4ヵ月という長い間留守宅で待っていてくれた家族に、この場を借りて感謝の言葉を贈りたいと思います。【1月26日昭和基地発】 |
▲8J1RLで最後の運用をする筆者 |
(第44次南極地域観測隊 芝崎) |
Tnx 国立極地研究所 |