南極 8J1RL

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8J1RL

南極には、日本を含め30ヶ国以上が観測基地を設置しています。日本は1956年(昭和31)11月に「宗谷」が 初めて南極をめざし出発、翌1957年1月にオングル島に上陸したのが、第1次観測隊による「昭和基地」の誕生でした。

その後、JARLは1965年(昭和40)に 8J1RLの免許を取得、第7次観測隊の協力を得て、翌1966年に念願の南極から 8J1RL の電波を発射、以後みずほ基地での 8J1RM と ドームふじでの 8J1RF も開設しながら今日に至っています。

地理的に言うと昭和基地はアフリカのずーっと南に位置しています。 そのため、日本からみると比較的に難易度が高いエリアかもしれませんが、ぜひ皆さん、8J1RLが聞こえていましたらお声がけください!!

QSLカードコレクション



第65次南極地域観測隊から、8J1RLのアンテナ故障についてのご報告

 令和6年3月24日の午後に、ブリザード後の点検をおこなっていたところ、現在メインで使用している八木アンテナの破損(写真もご覧ください。)を 確認しました。おそらくですが、23日まで続いていたブリザードの影響で破損したものと思われます。
 「こどもの日特別運用」に向けてアンテナの復旧を優先したいため、しばらくの間、8J1RLの運用を休止させていただきますので、ご了承ください。進展がありましたら改めてご報告いたします。



南極・昭和基地から投函された年賀状がJARLに到着しました  令和5年2月から令和6年1月まで南極・昭和基地で観測業務をされていた第64次南極地域観測隊から、年賀状がJARL事務局に届きました。

 年賀状は南極観測船「しらせ」で運ばれて帰国してから配達されました。年賀状の表面には昭和基地内郵便局の消印が押され、裏面には南極・昭和基地にオーロラが映える美しい写真が印刷されています。
 年賀状をいただきありがとうございました。

 第64次南極地域観測隊隊員の皆さま、1年間の観測業務お疲れ様でした。


南極・昭和基地「8J1RL」の運用を開始しました〔第65次南極地域観測隊〕(2024.3)


▲前次隊アマチュア無線係からの引継ぎ。左から、64次隊中村隊員、65次隊屋良隊員

 皆さま、はじめまして。第65次南極地域観測隊(以下「65次隊」と記載します)アマチュア無線係です。
 65次隊は2023年11月24日に東京・羽田空港を出発し、同年12月20日に昭和基地に到着しました。その後、定常業務や64次隊との業務引継をおこなうかたわら、空き時間でアマチュア無線係としての引継もおこない、2024年2月1日に越冬交代するとともに65次隊のアマチュア無線係の活動も開始しました。

▲コウテイペンギンの番
 ただし、活動開始といいましても、この時期は定常業務の立上げ時期でまだまだ忙しく、余暇の時間がほぼ取れない状態です。5月の「こどもの日特別運用」に向けてなんとか活動頻度を上げていきたいと考えております。
 また、昭和基地は夏が終わり、これからは夜が長く、また、ブリザードが増える時期となってきます。執筆時点では64次隊から引き継いだ無線機、アンテナともに良好な状態を保っておりますが、ブリザードの強風(最大瞬間風速が40m/sを超えることもよくあります)によりアンテナが破損すると、高所での修理作業を冬の短い昼の時間におこなう必要があり、そのような時間が取れるタイミングはどうしても限られてきます。
破損等による運用停止については速やかにJARLWEBでお知らせしたいと考えておりますが、交信できない日が続いても温かく見守っていただければありがたいです。交信を楽しみにされている方には申し訳ないですが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。



▲8J1RL交信室の様子

 65次隊の運用方針について、基本的には64次隊と同様に日本時間で平日の午前1時頃から午前4時頃までと、日曜日の夕方から午前4時頃までを考えております(運用は毎日ではありません。また、コンディション等によっても運用時間を変更します)。日本からの電波が強く届いている周波数帯と時間帯を下表に記載しましたので参考になさってください。皆さまと交信できることを楽しみにしております。
 なお、8J1RLでは電信、電話、FT8のいずれも運用可能ではありますが、65次隊ではFT8での運用をメインで考えております。電信や電話での交信を希望される方も多いのは承知しておりますが、短時間でなるべく多くの皆さまと交信したいので何卒ご理解ください。
 最後になりますが、私どもとのアマチュア無線での交信を通じて、南極だけでなく、科学や無線に興味を持っていただけるきっかけとなれば幸いです。それでは、皆さまとの交信を楽しみにしております。よろしくお願いいたします。
 〜ご理解のほどお願いいたします〜
・QSLカード、SWLへの受信確認証は、帰国後、QSLビューロー経由でお届けさせていただきます。
・余暇の時間で活動しますので開局している時間に限りがあります。ご了承ください。
・多くの局と交信したいため、1度交信成立した方におかれましては、2度目以降は呼出しを極力控えていただければありがたいです。

協力・写真提供:国立極地研究所
レポート::第65次南極地域観測隊 アマチュア無線係 屋良朝之隊員、渡邊創隊員


南極・昭和基地「8J1RL」の運用終了にあたって〔第64次南極地域観測隊〕(2024.3)


▲第64次隊の運用終了を記念して


▲運用を支えた、南極仕様の八木アンテナ
 JARL会員の皆さま、第64次南極地域観測隊のJH3LSA中村映文です。
 第64次南極地域観測隊(以下、第64次隊と記載します)は、昭和基地における1年間の越冬任務を終え、南極観測船「しらせ」で海洋観測を実施しながら、帰国に向けて航海中です。
 第64次隊では、2023年1月11日から2024年2月9日までの395日間、8J1RLの運用をおこない、累計交信回数は12,210回でした。(補足:2023年1月11日〜31日は第63次隊が設備管理者、2024年2月1日〜2月9日は第65次隊が設備管理者ですが、ご厚意により各隊の管理のもとで第64次隊が運用を実施いたしました)

▲運フルハーネス(安全帯)着用で
アンテナを補修中
 運用期間中、ブリザード(雪を伴う強風)によりアンテナが数回破損しましたが、有志(アマチュア無線に普段縁のない隊員も含みます)の強力な支援により、あまり日数をかけずに復旧し、7月以降はほぼ毎日、運用を実施できました。

 第64次隊では若い方に無線や科学に興味を持っていただきたいという思いから、通常の運用とは別に、「特別運用」を8月以降企画し実施いたしました。特別運用の参加社団局はJARL事務局で公募し、抽選で決定いたしました。

▲氷点下12度の無線室で交信中
 また、「こどもの日特別運用」をはじめとする各種イベントにも積極的に参加いたしました。1年間の運用の中で、日本のお子さんと会話(SSBモード)できたことや、QRP運用(空中線電力5W以下での運用)で日本の複数局と交信(FT8モード)できたことが、強く記憶に残っています。
 後任の第65次隊には、無線機やアンテナ等の説明をおこない、管理・運用を移管いたしました。今後の第65次隊の運用にどうぞご期待ください。

 最後に、8J1RLにお声がけをいただいた全世界のアマチュア無線家の皆さま、運用をご支援いただいた日本アマチュア無線連盟さま、そして縁の下の力持ちの第64次越冬隊全員に心から御礼を申し上げます。


 〜ご理解のほどお願いいたします〜
・QSLカード、SWLへの受信確認証は、帰国後、QSLビューロー経由でお届けいたします。
・2023年1月11日から2024年2月9日までは第64次隊が運用しましたので、第64次隊のQSLカードを発行いたします。

協力・写真提供:国立極地研究所
レポート::第64次南極地域観測隊 中村映文隊員


5月5日に8J1RLの「こどもの日特別運用」を実施(2023.6)

 会員のみなさま、こんにちは。第64次南極地域観測隊のJH3LSA中村 映文です。
 2023年5月5日に、南極・昭和基地のアマチュア無線局8J1RLにおいて、「こどもの日特別運用」を実施しました。その様子をお伝えします。

■当日の交信結果
 当日は、JARL中央局JA1RLのこどもたち10名と、道北ジュニアアマチュア無線クラブJR8YFAのこどもたち3名と交信ができました。昭和基地では、無線従事者免許所有者5名に加えて、改正されたばかりの制度を活用して2名が体験運用を行いました。

▲交信中の様子。部屋が寒いため防寒着と手袋を着用しての運用
 途中、日本側の小学生のオペレーターが空中線電力10Wで交信に挑む場面がありました。昭和基地側のオペレーターはアマチュア無線に初挑戦の隊員でした。何度も何度もRSレポートを交換し、お互いに受信したことを確認できました。約1万4千キロメートルの日本と昭和基地が、わずか10Wの無線でつながった瞬間です。本当に素晴らしい交信だったと思います。無線の面白さを実感した場面でした。

 日本のこどもたちには、交信した隊員が昭和基地内でQSLカードを作成し、帰国後にビューロー経由でお届けする予定です。

■イベントの準備風景
 日付がさかのぼり、イベントの準備時のエピソードをご紹介します。
 昭和基地には前次隊(63次隊)が設置した4素子八木アンテナがあります。このアンテナは電波の飛びが抜群で、今回のイベントで使用する予定でした。しかし、4月29日の強風(最大風速27m/s)で、第3素子が破損してしまいました。
 この状況をふまえ、新アンテナの組み立てを開始し、イベント2日前の5月3日に取り付け作業を行いました。やや強い風が吹く中、9人の隊員が集結し、日没までに建物内へのケーブルの引き込みまでの全ての作業を終えました。
 ひと安心したのも束の間、5月4日に、再び強風(最大風速18m/s)が吹き荒れました。
 5月5日の朝、新アンテナを確認すると、幸運にも強風に耐え、SWRもほぼ1.0と良好な状態を保っていました。こうして、何とかイベントを始めることができました。

■昭和基地でアンテナを維持することの難しさ
 昭和基地では、強風は毎週のように発生しますが、そのたびにアンテナを上げ下げすることができません。昼夜を問わず業務を行っている隊員を何度も集められないからです。結局、5月12日から5月14日まで続いたブリザード(雪を伴う強風)で新アンテナも第4素子が破損してしまいました。
 アンテナを修理するのもひと苦労です。分厚い手袋を着用したまま作業を実施するため、思うように作業が進みません。ほんの数分で凍傷になる可能性がありますので手袋をはずすことができないからです。アンテナやケーブルにビニールテープを巻くという単純作業であっても、屋外での作業となるとかなりの時間を要してしまいます。

 このような厳しい環境下ではありますが、第64次隊でも設備を維持し、交信を続けていきます。


▲こどもの日イベントを支えた隊員

 〜ご理解のほどお願いいたします〜
 ・QSLカードは、昭和基地で記入し、帰国後にビューロー経由でお届けいたします。
 ・小電力局とも多く交信したいため、送信出力ごとに呼び出しを行うことがございます。

協力・写真提供:国立極地研究所
レポート::第64次南極地域観測隊 中村映文隊員


南極・昭和基地「8J1RL」の運用開始にあたってのご挨拶〔第64次南極地域観測隊〕(2023.4)


▲64次隊8J1RL運用チーム。後列左から、中村・虫明・戸田・飯田・七海・近藤。前列左から、井上・小池


▲東京・青海埠頭出発時の様子
(南極観測船「しらせ」船内より)

 日本アマチュア無線連盟の会員のみなさま、はじめまして。
 第64次南極地域観測隊の JH3LSA 中村 映文(なかむら てるふみ)と申します。
 第64次南極地域観測隊(以下、64次隊と記載します。)は、2022年11月11日に東京・青海埠頭を出発し、途中に海洋上の観測点を経由しながら、同年12月22日に昭和基地に到着いたしました。

▲ブリザードで素子が折れた
WARC バンドアンテナ
 昭和基地は南半球に位置するため、季節が日本とは逆で、12月は短い夏の真っ盛りです。夏とはいえ、気温は零度前後と寒いですが、建設などの作業をおこなうには、冬と比較するとよい季節です。
 昭和基地のアマチュア無線局「8J1RL」の運用チームにおいても、短い夏を活用して、ブリザード(雪を伴った強風)で折れ曲がったアンテナの補修や、倒壊したアンテナの撤去をおこないました。現在、3.5MHz帯から28MHz帯まで運用が可能な状態となっております。
★         ★

 8J1RLの運用は、私ども64次隊が設備を引き継いだ2023年2月から本格的に開始いたしました。運用は余暇の時間に行っており、日本時間で平日の午前1時頃から午前4時頃までと、日曜日の夕方から午前4時頃までが多い状況です。(運用は毎日ではありません。また、無線のコンディションによって運用時間が変わります)
 日本からの電波が強く届いている周波数帯と時間帯を下表に記載いたしましたので、表をご参考に、ぜひお声がけをお願いいたします。日本のみなさまと無線を通じてお会いできることを楽しみにしております。
 SWL(ShortWaveListener)レポートもお待ちしております。8J1RLより受信確認証をお送りする予定です。



▲8J1RL にてFT8 を運用中の様子

 最後に、私は学生時代にアマチュア無線に出会ったことをきっかけに、通信の道に進みました。そして、ご縁があり、昭和基地で、衛星通信およびLANの保守担当として勤務しております。

 私と同様に、子どもさん、生徒さん、学生さんが、アマチュア無線を通じて、理科や通信に夢や興味を抱いていただけましたら大変うれしく存じます。
 〜ご理解のほどお願いいたします〜
 ・QSLカード、SWLへの受信確認証は、帰国後、QSLビューロー経由でお届けさせていただきます。
 ・小電力局とも多く交信したいため、送信電力ごとに呼び出しをおこなうことがございます。

協力・写真提供:国立極地研究所
レポート::第64次南極地域観測隊 中村映文隊員


第63次南極地域観測隊によるアマチュア無線の運用にあたって(2023.4)


▲電離層棟へ仮設したシャック
 令和3年11月に横須賀を出港後、12月に南極の昭和基地に到着。令和4年2月に62次隊から運用を引き継ぎましたが、今回はまず運用場所の確保に悩まされました。
 62次隊がメインで使用していた管理棟内の部屋は内部の改装により使うことができず、すべての設備を電離層棟に移しました。ここはサブ的なシャックでしたが、管理棟と基本観測棟の間にあるタワー(43次隊により設置)を使うことができず、WARCバンド用の壊れたアンテナを撤去して新たに14〜28MHz用のアンテナを上げました。

▲アンテナ
 このアンテナを上げるのにも一苦労あり、組み立てそのものはすぐできたものの、ステーに引っかからずに上まで上げるのに数日を要しました。
 そしてやっと運用、と思ったときにブリザードが来て、エレメントが傾いたり、酷いときには固く締めたはずのU字ボルトが緩んでエレメント自体が落ちてしまったりと、運用そのものよりもアンテナの保守に費やした時間がはるかに長いという事態になりました。11月には例年にないほど雪が降り、またブリザードも到来したため、またしてもエレメントが傾いたのですが、64次隊到着までに除雪をしなければならず、結局アンテナを断念することになりました。
★       ★
 今回はFT8運用経験者もおらず(私自身も久しぶりの運用でした)、また上記のように設備の保守そのものに時間を取られてしまったため、交信局数は200局強となりました。せめて1,000局ほどはやりたかったのですが。
 アンテナを日本に向けて固定していたため、交信のほとんどは日本とその周辺などでしたが、時間によっては東ヨーロッパの国々ともQSOすることができました。ただし出力が50Wということもあり、交信のほとんどはCWでした。
 また、日本の局が聞こえていたためCQを出してみても30分以上音沙汰がなく、やっと呼んでいただいた時にはすでにコンディションが落ちてしまい、日本側の1kW局などはこちらで聞こえていても、こちらからの電波が飛んでくれないという場面が何回もありました。

▲美しいオーロラと無数の星が見える

 ビーコン代わりに、鹿児島県から電波発射されている14MHzちょっと下の気象FAXをよく受信していたのですが、こちらも日によっては全く受信できないこともあり、改めて電離層伝搬の面白さを体験することができました。

 1月の終わりに64次隊の隊員に引継ぎをおこないました。大変きれいなQSLカードを作成されていましたので、聞こえていましたら何卒よろしくお願いいたします。

掲載協力:国立極地研究所
レポート:第63次南極地域観測隊 通信担当 藤本理隊員


第63次南極地域観測隊の出発・昭和基地到着にあたり(2022.6)

 日本の皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 3月に入りやっとアンテナ工事をおこなうことができましたが、休みの日に限って訪れるブリザードによりなかなかはかどらず、結局5月5日のこどもの日は仮設での運用となりました。アンテナの地上高も低く、21MHz帯SSBでは1kW局がわずかに聞こえる程度で、当日の交信については厳しくなることが予想されました。

 何とかケーブルを引き回して予定時間となり、耳をそばだてるとかすかに「JA1RL」のコールが聞こえました。
 業務のため参加することができなかった1 名を除き、それぞれ順番にオペレータの名前を交換しながら「この出力でも日本まで届くんだなあ」など感想を言い合っていました。もう少しコンデションがよければこちらの様子などラグチューができたのですが。
 3名はこれがアマチュア無線の初交信でしたが、フェージングやノイズの中で名前を交換していると、和文通話表の威力を改めて感じているようでした。
 残念だったのが心配していたアンテナエレメントが外れてしまい、その後の運用に支障が出てしまったことで、3時間ほどでなんとか仮復旧にこぎつけたのですが、すでに時遅しとなってしまいました。

 すでに日が差す時間はほとんどなくなっており,気温も日中でもマイナス20度を下回る日が多く、アンテナ工事は日が昇らない極夜があける7月以降に先送りとなってしまいましたが、何とかアンテナをちゃんと設置して夏休みの時期にでも同様の企画をおこなうことができればと思っています。

協力・写真提供:国立極地研究所
レポート:第63次南極地域観測隊 藤本理隊員


第61次南極地域観測隊から日本のアマチュア無線家の皆さんへ(2021.2)

 JARL NEWS 2020年秋号で、第61次南極地域観測隊からのJARL局(8J1RL)最新レポートをお届けしましたが、南極観測船「しらせ」により帰国途中の同隊・隊員からの、日本のアマチュア無線家の皆さんへ向けたメッセージをお届けします。


 

日本のアマチュア無線家の皆さんへ

こんにちは。
第61次南極地域観測隊の氏家です。
1月18日には1年間の越冬任務を終了し昭和基地を離なれることになりました。

8J1RLについては、1月14日に第61次隊の運用をすべて終了し、第62次隊への引き継ぎを行いました。

これで第61次隊の運用を締めた訳ですが、第61次でのQSO数は約13,000局弱となりました。
ここ数年での運用には、ほとんどないCWやVoIPを活用した通信も相当数QSOできて良かったです。

QSLカードは帰国後、QSLビューロー経由でお届けさせていただきますので、お手元にお届けできるまでもうしばらくお待ちください。

皆様からのご支援ご協力にお礼申し上げます。

第61次日本南極地域観測隊
通信担当 氏家宏之 協力・写真提供:国立極地研究所

 

南極観測船「しらせ」、南極・昭和基地へ出発!(2020.12)

 2020年11月20日に、横須賀から南極観測船「しらせ」により、南極・昭和基地へと出発した、第62次南極地域観測隊の出発レポートをお届けします。
 新型コロナウイルスの影響で、長い観測隊の歴史の中でも異例ずくめの出航となったようです。
 第62次南極地域観測隊は、これから1ヵ月ほどの航海を経て昭和基地に到着し、夏隊は2021年2月22日頃、越冬隊は2022年3月22日頃に帰国する予定です。

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 皆さま、こんにちは。第62次南極地域観測隊のJG3PLH近藤巧です。
 2020年11月20日、南極観測船しらせの母港である海上自衛隊横須賀基地から小型ボートに40分ほど乗船し、沖に停泊しているしらせに乗船しました。
 出発は早朝で、見送りに来た方々に接近したり、会話はできないことが事前に通知されておりましたが、基地近くのヴェルニー公園に多くの人が来られ、見送っていただきました。

 今年は新型コロナウイルス感染症対策で、しらせに乗船する2週間前から隔離生活とその前後3回のPCR検査を受けて、陰性であることが確認できた隊員のみ乗船できるという対応がとられました。観測隊員44名は全員この検査をパスし、無事出港することができました。この対応は、絶対南極にウイルスを持ち込まないというポリシーのもとにおこなわれています。
 準備中は他人との接触をできる限り避け、一部の訓練はZOOMなどのテレビ会議システムを使って行われました。また、隔離中もテレビ会議システムを使い、毎日打合せや講義がおこなわれ、いつもと違う準備期間となりました。

 例年しらせは一度オーストラリアに寄港し、物資を搭載し、空路でオーストラリアに入った観測隊員を乗せ南極に向かいますが、今回は全員日本からしらせに乗船し、どこにも寄港せず直接南極に向かいます。無寄港、無補給での南極往復は長い観測隊の歴史の中で初めてのことです。

 私は昭和基地に向かうのは8回目になります。最近の4回は昭和基地での活動が約2ヵ月と短い夏隊での参加で、昭和基地のアマチュア無線局を運用するのは難しかったのですが、今回は基地に1年以上滞在する越冬隊に10年ぶりに参加するため、8J1RLの運用をすることができそうです。しかしながら、太陽活動が低下しており、基地に滞在する一年あまりの間に活発化していくよう期待しています。

 5月には毎年行われているこどもの日の運用を予定しており、運用を通して、青少年にアマチュア無線や科学技術を研究する楽しさをお伝えできればと思います。皆さんと無線を通じてお会いするのを楽しみにしています。

協力・写真提供:国立極地研究所
レポート:第62次日本南極地域観測隊 近藤巧隊員


第61次日本南極地域観測隊、8J1RLの運用を開始!(2020.3)

既設タワー

第61次南極地域観測隊越冬隊より、8J1RLの準備状況や運用状況等について情報をいただきましたので紹介します。

 2020年1月に昭和基地に入り、2月1日から実質的に第60次越冬隊員の里中氏から任務を受け継ぎました。
 1月2月は南極地方の夏期間となり、この時期しか出来ない作業と観測業務の引継ぎなどで休日も無くフル稼働しておりました。
 2月中旬には白夜も終わり日の沈む時間が出来てきたことで徐々に越冬に向けたムードに変わってきました。
 日曜日は休日として休める様になり、業務以外の趣味に取り組む姿も多く見られるようになりました。
 私達も例外ではなくコンディションアップに向けて設備の構築に取り組んでおります。


新設タワー

左の写真の様に3.5/7MHzのワイヤーダイポールと10,18,24MHzの3エレ、14,21,28MHzの4エレを10m以上の高さのタワーを新設しました。
既設アンテナから新設アンテナまですべて日本向けに設置してあります。
新設設備も2月末にケーブルの接続まで終わり、3月中旬から運用開始しました。
夕食後から就寝までの時間を無線シャックで運用に費やしていますが、コンディションが悪く苦戦しています。
第61次南極地域観測隊の運用として現時点までの総数が500局を超えた程度です。
頑張ってCQを出しても応答が無い様な最悪のコンディションですが、出来る限り根気強く運用してまいります。

ブリザードによるアンテナ機器の破損等がありましたが、修繕作業を実施して通常運用が可能な状況になっております。

レポート:第61次日本南極地域観測隊 山本貴士隊員

こどもの日特別公開運用

南極昭和基地に開設されたJARL南極局8J1RLは、毎年5月5日のこどもの日に、日本国内の小・中・高校生を優先して交信をおこなう「こどもの日」の特別運用を実施しています。

2023年の特別公開運用