第12回高速電力線搬送通信に関する研究会の結果について

 第12回高速電力線搬送通信に関する研究会(以下、研究会という)が12月22日(木)総務省の会議室において開催されました。
 研究会では、報告書の最終的なとりまとめがおこなわれ、本年1月から開催されてきた研究会はすべて終了しました。

 会議は、研究会の杉浦座長から今回で最後の研究会とする旨の挨拶で始まり、報告書の取りまとめについて検討がおこなわれました。
 まず前回のパブコメに対する意見の回答案について、第11回研究会の後に構成員から追加提出のあった検討事項等を中心に質疑が交わされました。
 特に許容値の問題、パブコメの結果に対する発表のしかた、医療機器への影響の問題、障害が発生したときの対応、報告書に載せるべき資料の追加などでしたが、許容値などパブコメにかけられた共存案の基本的な点については、前回のパブコメの意見を変更しようとはせず原案のまま報告書の承認が強行されました。

 座長から、この報告書の承認により研究会を終了するとの発言があり、JARLとしては間髪をいれず芳野構成員(JARL電磁環境委員会委員長)から、JARLから共存案に対して提出した意見について、ほとんど採択を拒否された経過を踏まえ、本報告書の承認は不賛成であることを表明しました。日経ラジオ社(短波放送)、国立天文台(電波天文)からも同様反対の意が表明されました。
 これらの意思表示について、座長から議事録に記載しとどめおくとの発言がありました。

 最後に、総務省の桜井電波部長から精力的な検討に感謝する旨と、今後情報通信審議会などに検討が移って行くので、引き続き協力をお願いしたいとの挨拶があり、研究会はすべて終了しました(研究会の最終的な報告書及びパブコメの結果とそれに対する見解については、報道発表がおこなわれます)。

 なお、JARLとしては、次にPLCについて審議される情報通信審議会に全力を尽くすとともに、実証実験なども行い今後ともその阻止を目指し対処して行く所存です。


【平成17年12月26日付け、総務省公表】
高速電力線搬送通信に関する研究会報告及び高速電力線搬送通信と無線利用との共存条件案に係る意見の募集の結果


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