2007年5月26日(土)・27日(日)の両日、大阪府池田市の池田市民文化会館で「第12回関西アマチュア無線フェスティバル」(KANHAM2007)が開催されました。 今年のフェスティバルのテーマは「たのしさ再発見アマチュア無線」〜感動のコンタクト、Again〜というもの。毎年恒例の催事に加えて、南極に関する各種展示や講演、そしてインターネットテレビ電話会議システムを併用した「南極昭和基地との交信」を据えての開催となりました。 初日は10:00のテープカットで開幕(写真右、左からJAIA井上徳造会長(JA3FA)、長谷川良彦関西地方本部長(JA3HXJ)、原 昌三会長(JA1AN)、倉田 薫池田市長、井上 章大阪府議会議員(JS3TQM)) 池田市民文化会館の1階ロビー、2階ロビー等は例年同様、メーカーや、販売店の展示等で大にぎわい。文化会館横の豊島野公園で開催された、屋外フリーマーケットにも人並みがあふれました。
会場では8N3HAM、8N3IAAFほかもアクティブに運用されました。 初日12:30からは小ホールで関西地方本部大会が開催され、終了後引き続き笑福亭瓶太さん(JO3KHA)、友人の上方落語家である桂 雀喜さんにより古典落語が披露され、さらに笑福亭瓶太さんにより、ますます磨きがかかった無線落語が披露されました。
初日の16:00からは今回のテーマイベントである「純白の冒険大陸・南極 昭和基地からのメッセージ」(後述)が、アゼリアホールで実施されました。 ■3階イベントスペースは子供パラダイス
▲工作教室を楽しむ子供たち 今年のフェスティバルの大きな特徴は、例年にも増して子供たちの来場が目立った事でしょう。初日、2日目ともに、保護者同伴で来場する子供たちやグループで来場する子供たちなどが多数見られ、会場のあちらこちらで子供たちが楽しそうに動き回っていました。 会場内を元気に動き回るため、実際の来場数よりも多く見えてしまう子供たちですが、感覚的には全来場者の1/5〜1/4程度が子供たちや親子連れのようにも見えました。 特に2日目は開場時間前から、親子連れの来場者が目立ち、実行委員会では開場を09:30に繰り上げましたが、子供たちを対象とした「工作教室」(サッカーロボット、ラジオ)、「電子部品でメカ虫作り」「電波教室」の会場となった3階イベントスペースは、開場後、親子連れや子供たちであふれ、工作教室のスペースは長い順番待ちとなるほど。 完成したサッカーロボットで遊ぶ子供たち、工作の順番待ちの間にメカ虫を作ったり、電波教室を楽しむ子供たち、南極のテーマ催事の関係で出展された「西堀榮三郎記念探検の殿堂」のダイヤモンドダストの実験を興味深げにのぞき込む子供たちなど、この日のイベントスペースは、さながら「子供パラダイス」と言ったところでした。 ▲小永井貞夫さん(JA3CHS)「こな爺の電波教室」の楽しい実験に興味いっぱいの子供たち ▲記念局をオペレートする子供たち
▲モールス教室で上手にCWを打って楽しんでいた女の子
2007年5月26日(土)、関西アマチュア無線フェスティバルで、インターネットテレビ電話会議システムを併用した、南極昭和基地8J1RLとの交信が実施されました。 このイベントは、国立極地研究所の協力を得ておこなわれたもので、フェスティバル実行委員会では、広く地元の小・中学校等にイベントの案内をおこない、当日は池田市民文化会館「アゼリアホール」に、近隣の小・中学校の多くの生徒や児童とその保護者、フェスティバルに来場したアマチュア無線家の方々など約500名を迎えて実施されました。 イベントの開催に当たって実行委員会はフェスティバル会場で、南極に関する各種のパネル展示等をおこなったほか、第一次南極地域観測隊員として活躍した探検家「西堀榮三郎」氏を記念して、平成6年に設立された西堀榮三郎記念探検の殿堂(滋賀県東近江市横溝町419)の、「ダイヤモンドダストの実験」なども実演され、来場した子供たちの旺盛な好奇心を集めていました。
さて、イベントは16:00より田中 透大阪府支部長(JR3QHQ)と、笑福亭瓶太さん(JO3KHA)の司会で進められ、南極地域観測隊OBの小林正幸さん(JR1FVH、第25・46次隊)、近藤 巧さん(JG3PLH、第41次隊)による南極の紹介の後、ステージに質問希望の子供たちを迎えました。 またステージ上では、近藤さんがHF帯(8N3HAM)で昭和基地8J1RLのコールを開始しましたが、イベントの時間帯には南極方面のコンディションがまだオープンしていなかったようで、近藤さんによる根気強いコールが続けられました。 17:00からはいよいよテレビ電話会議システムを併用した、交信スケジュールの時刻です。 定刻を迎えテレビ会議システムによる、南極昭和基地との接続を試みますが、回線接続に原因不明の障害が発生して、場内には不安の暗雲がたちこめました。 裏方として、回線接続を担当した、屋田純喜フェスティバル実行委員長(JL3JRY)は、この時のことを振り返って「どうしてつながらないんだ!うまくつながってくれ!と半泣き状態で、接続ボタンを押し続けました」と語っています。 定刻から7〜8分程度過ぎた頃でしょうか。 ようやく接続に成功し、南極昭和基地の隊員さんの声がアゼリアホール内に響き渡り、ステージ上のスクリーンに、8J1RLのシャックの若生隊員と中島隊員の姿が投影されたとき、場内には大歓声にも近い来場者の声が響き渡りました。 いよいよテレビ電話会議システムを使った交信のスタートです。 昭和基地の若生隊員、中島隊員から現在の南極昭和基地に関する興味深い説明があり、南極に関するクイズを楽しみ、その後、時間の関係で全員ではありませんでしたが、ステージに上がった子供たちからの質問に答えてもらうことができました。 最後に、8J1RLの中島隊員のオペレートで、8N3HAMをオペレートする近藤さんとの間のシグナル交換のようすが、リアルタイムで中継される予定でしたが、この時はコンディションの上昇が見られず、残念ながらアマチュア無線での交信は成立しませんでした。 しかし今回の体験は、ステージに上がった子供たちにとっても、また当日見学に訪れた子供たちとっても、貴重な思い出となったことでしょう。
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