August 2012 NEWS TOPICS INFORMATION


和歌山大学宇宙教育研究所のARISSスクールコンタクト。
和歌山市内の小学生が星出宇宙飛行士との交信に成功

 8月26日、和歌山大学でARISSスクールコンタクトが実施され、和歌山市内の小学校から公募で集まった児童19名が、国際宇宙ステーションに長期滞在中の星出彰彦宇宙飛行士との交信に成功しました。

 和歌山県内でのARISSスクールコンタクトの実施は初めてとなります。

 今回のスクールコンタクトの提案人として和歌山大学宇宙教育研究所 に実施を働きかけ、準備に当たった、JA3CF岩崎好宏さんから貴重な詳細レポートをお送りいただきましたのでご紹介します。

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 2012年8月26日に和歌山大学のキャンパスでARISSスクールコンタクトがおこなわれました。ARISSが関西地区で実施して今年で10年目です。関西では19回の実績があります。

 私は最初のころからのスタッフでしたが、地元和歌山では一度も実施されていないのを寂しく思っていました。

 最近になって和歌山大学に「宇宙教育研究所」が設置されたことを知りました。「宇宙」と「教育」、これはまさしくARISSスクールコンタクトの理念と一致するではないかと提案をしたのです。研究所もやりましょうということになりました。

 当初、夏休みにはイベントがあり忙しいので秋の実施を予定していました。8月になって急きょARISS Japanから、今月の20日の週にスケジュールが空いたので和歌山でやりませんかと連絡をいただきました。
 聞くところによると、「この機会だと星出彰彦宇宙飛行士と交信ができますよ」ということです。これは願ってもないことで、さっそく研究所に検討してもらい、大急ぎで実施することになったのです。

 このようにわずか半月の準備期間しかない状況で、実施を引き受けることができたのは、子供たちが日本語で交信ができることと、関西には強力なサポートチームの「関西ARISSプロジェクトチーム」があるためです。経験豊富な人材だけでなく、無線機からアンテナをはじめ音響から照明や電源装置などイベントに必要なすべての機材を揃えているのです。当日は11人のメンバーが京阪神から駆けつけてくれました。

 この日は天候もよいことがわかり、実施場所も急きょ野外になりました。

 同研究所のキャンパスには、12mのパラポラアンテナが設置されています。こんな巨大なアンテナですが、低軌道衛星やISSも追尾できる高速回転をするのです。このアンテナはまだ試験段階なので、これを使ってARISSの交信をしようということになったのです。このパラポラアンテナの中心に12エレメントのクロス八木のスタックを前日に取り付けたのです。
 こんな光景を誰も見たことはありません。京阪神から駆けつけてくれたプロジェクトメンバーからも一斉に驚きの声が上がりました。

 交信はほぼ予定の19:55に始まりました。今回のARISS臨時局のコールサインは8N3IFESで、コントロールオペレーターはJO3TEN佐藤奈穂子さんです。和歌山市内の小学校から選ばれた5年生と6年生の20人(1名欠席)の子供たちが次々と質問をしました。会場に設置した大型スピーカーから星出宇宙飛行士の声がローカルQSOのごとく明瞭に聞こえます。

 見学者たちは耳を傾けながらアンテナの方向を見上げます。そこには飛翔する宇宙ステーションがはっきりと目視できるというすごくラッキーなひと時を過ごすことができたのです。

 予定していた20問の質問はすべて回答をいただき、20:04にフェードアウトして、静かに見守っていた見学者から万雷の拍手で無事終了しました。

 今回の運用は宇宙教育研究所にとっても大変有意義だったのです。9月初めに同研究所が代表機関となった超小型衛星「RAIKO」ISSから星出宇宙飛行士に放出してもらうことになるのです。しかも、その衛星の受信を担当するのが、今回コントロールオペレーターを務めた佐藤さん(和歌山大学宇宙教育研究所特任助教)なのです。

 このように初めての和歌山県内のARISSスクールコンタクトは、関西地区では初めての野外運用で、初の女性コントローラーとなりました。それに巨大パラポラを使ってほかに例を見ない運用でした。子供たちにとっては素晴らしい夏休みのプレゼントで、一生の思い出となることでしょう。サポートしてくださった関西ARISSプロジェクトチームの皆さん、本当にありがとうございました。

 なお運用当日の、動画をYouTubeで紹介していますのでぜひご覧ください。

(レポート:JA3CF岩崎 好宏さん)

(8月28日)



星出宇宙飛行士によるスクールコンタクト

 8月16日・17日の両日、国際宇宙ステーションに長期滞在中の星出彰彦 宇宙飛行士による2件のスクールコンタクトが実施されました。
 ARISSの発表によると、星出宇宙飛行士による初のスクールコンタクトのお相手は、日本の子供たちではなく、アメリカのオクターブ・シャヌート航空博物館(イリノイ州ラントゥール)で開催されたスペース・ジャンボリーとの交信(8月5日)だったようです。

●長和町立和田小学校(8月16日)

 星出宇宙飛行士の日本の子供たちとの初交信は、8月16日、長野県小県郡長和町立和田小学校の5年生の児童19名となりました。和田小学校のスクールコンタクトは、同校の小柳昭喜先生(JH0TIS)によって進められたものです。

 実は小柳先生は2010年5月14日、前の勤務先だった、長野県小諸市立小諸東中学校でスクールコンタクトを実施し、同校の生徒たちと野口聡一宇宙飛行士との交信を成功させています。

 小柳先生は、和田小学校への転勤を機に同校においてもスクールコンタクトを企画し準備を進めてきました。
 そして同校の児童と星出宇宙飛行士との交信を成功させたのです。

 小柳先生に準備から実施、成功に至るまでの詳細なレポートをお送りいただきましたので、ご紹介いたします。

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■仲間との協力で成功!山間の小さな学校からのビッグチャレンジ!

 まず始めに、今回のARISSスクールコンタクト成功のためにご協力いただいた多くの皆さんに感謝申し上げます。 皆さん一人一人の協力がなければ、この山に囲まれた小さな和田小学校から、多くの障害を乗り越えて、 このように大成功させることは不可能でした。

 まず一番大きな障害は山でした。もしも山や建物がなく、仰角0度から0度までISSと交信可能とすれば、 軌道追尾ソフトCalsat32(JR1HUO相田さん作)によると、交信可能時間は10分30秒あまりになります。
 しかし、当初方位を計り、日本海上空を飛ぶ今回のISSの軌道情報と照らし合わせると、 本校のちょうど目の前にある一番近い山にISSが仰角20度で沈んでしまい、上り始めの方角の 山の仰角約10度も考えると、交信可能時間は5分前後になってしまうのではないかと思われました。
 これでは19人全員の交信は難しく思えました。最後の方の何人かは途切れてしまう可能性を承知の上で、 スクールコンタクトの実施に立候補したとはいえ、交信に挑戦するのは小学生たちですので、 いざ実際にそうなってしまったら泣き出してしまう恐れがありました。
 私は交信前から頭の中で、交信が途中で途切れてしまった場合にどんな言葉で謝ろうかと 考えていました。本当は、私たちの交信の翌日に予定されている、つくば市の茗溪学園 が交信する予定の軌道の方が、日本列島のほぼ真上を飛び高い仰角なので、そちらだったら よかったのにと、羨ましく思っていました。
 しかし交信予定日時は公表されてしまっており、さらに一時は予定の翌週になるという NASAからのARISS運用委員の安田 聖さん(7M3TJZ)経由での連絡に、 「翌週では交信可能時刻が深夜になってしまって、小学生たちには無理である」 というこちらのわがままを既に聞いてもらっていたので、不平は言えませんでした。

■交信当日の嬉しい誤算

 実際に私たちの交信は、ほぼ予想通りISSが山の上に出てくる仰角10度前後から 始まると思われましたが、少しだけ早く応答がありました。二年前の私の勤務校の 小諸東中学校での野口宇宙飛行士との交信の時には、交信開始までに時間がかかった ので、今回は呼び出して早々に星出宇宙飛行士の声が聞こえて、まずは一安心しました。

 交信が開始され、5人、10人、15人と交信は順調に進んでいきます。さらに、 Calsat32からのISSが仰角0度以下に沈んだことを知らせるチャイムが鳴った後にも、 30秒近く交信が途切れることなく続けることができました。

 この結果、合計約8分の間に19人全員の声を星出彰彦宇宙飛行士へ届けることが でき大成功。私の予想が外れて嬉しい誤算でした。

 その私の予想が誤算となった原因は、仲間たちの努力のお陰でした。当日昼過ぎ に到着し、猛暑の中を屋根に登り、方位を計り直してくれていました。どうやら私が 計った時には、方位磁石が近くの金属や人体の影響を受けて、約7度ずれた方角を 読んでしまっていたらしいのです。

 私が開会式直前まで、児童たちとこれまでの学習の発表のリハーサルをしていた 間に、アンテナ担当の仲間が方位を再調整し、交信の最後の方では、自動追尾をオフにし、 アンテナに張り付いて監視している仲間と、交信会場間でハンディー機を使って連絡を 取りながら、手動でギリギリまでISSを追いかけるようにしてくれていました。

 このおかげで、目の前の山の上空をISSは飛んでいき、その山が途切れた少し東の遠く 離れた浅間山(仰角5度)方向に沈んだようでした。後から追加したアンテナ直下型 プリアンプ(JH0WJF矢口さん提供。矢口さんは他にもローテーターやインターフェイス、 UPS等の機器の提供や写真撮影、掲示物作成などでも活躍してくださいました!TNX!)も、 その威力を発揮し、回折による交信時間延長に貢献してくれたと思われます。

 さらに144MHzのFMでのドップラー効果は、Calsat32ではその周波数が表示され、 今回の軌道では最大3.3KHzでした。それほど影響ないと言う人もいますが、この日の ISSは地表から400km上空を飛んでいます。比較的近い感じがしますが、交信開始時と 終了時の仰角0度で一番遠い位置の時には、約2300kmも離れています(距離もCalsat32 の画面に表示あり)。実際に受信しながらVFOを回せば分かりますが、ドップラー効果 による周波数の修正により、音の聞こえ方が明らかに変わります。実際に交信中に、 送信受信ともそれぞれの周波数を常に手動で私は調整していて、これなしでは交信可能 時間は短くなったと思います(Calsat32ではインターフェイスをつなげば、無線機 の周波数の自動調整も可能です)。

 18人目の答えが途中で聞こえにくくなったのですが、前日にブログを検索して それまで見ず知らずだったのですが、メールでお願いさせてもらった新潟市のJA0CAW 佐藤さんから、受信音を即座にメールで送ってもらい、その答えを閉会式直後に聞く ことができました。その録音でも、最後の19人目の質問への答えは途中で途切れて しまっていましたが、翌日に仙台のJH7UJIさんの録音で、答えを最後まで聞くことが できました。

 協力をいただきました各局に感謝申し上げます。もちろん最後の質問まで、 しっかり詳しく答えてくれた星出宇宙飛行士にも感謝です。

 佐藤さんからは当日未明にISSの軌道変更が予定されているということも、 事前に教えてもらっていましたが、なんとISSの燃料噴出時間が短縮されて、 軌道があまり変わらなかったことも幸運でした(Calsat32で取得する軌道データサイト の更新は、週に一回程度のようです)。

■会場に訪れた来賓、報道関係者の方々

 交信当日会場には、町長さん、町の教育委員さんや、JARL長野県支部長 JR0LYL藤森さんを始めとする来賓に加えて、県内全民放テレビ局4局と、NHK、 そして主要新聞各社から、取材陣が来ていました。交信が無事に成功し、 子どもたちが泣き出すような場面が報道されることにならずに安心しました。

 民放3局は中継車から衛星回線で長野市の本局へ映像を送り、交信開始から わずか1時間後の県内ニュースで放送されました(当日の朝刊のテレビ欄には、 「宇宙飛行士と無線で交信!」と予告もされていました。もし失敗だったら……?)。

 翌日には残りの民放でも放送され、NHKでは朝の首都圏版を含め3回放送があり、 新聞にも主要紙の県内版で翌日に掲載されました。実は二年前の小諸東中学校の 野口聡一宇宙飛行士とのスクールコンタクトの時にも、事前にFAXで報道各社に 連絡してありましたが、その時には、その交信の前の週におこなわれたJAXAの 衛星回線使用による動画での交信会があったためか、テレビ取材はNHKのみでした。

 今回取材が多かった理由は、「はやぶさ」などJAXAが近年広報を強化していたり、 金環日食などの宇宙ブームがあったりするためか、あるいは近頃いじめなど教育に 関する暗いニュースが多く、明るいニュースを提供したいという思いもあったから なのかもしれません。

 今回は、私が返事のない報道機関に再度FAXを送ったり、あるいは記者に 直接声をかけたりして、その後取材に来てくれることになった事もいくつかあり、 きっと最初にFAXでの発信を見た人の判断で、一度「ボツ」になってしまった後で、 拾われたということもあったと思われます。また、当日大きく扱われたのは、 大きな事件や事故がなかったからであり、そういう平和な世の中にも、感謝 したいと思います。

■悪い誤算……反省点

 交信時間が予想より長くなるという嬉しい誤算がありましたが、悪い誤算 もありました。交信会場の体育館の放送アンプセットからのノイズが、アップ リンク周波数に出ることが、直前に分かったことです。アップリンクの音声は ハンディー機で受信し、そのイヤホン端子から、放送アンプへ有線コードを直結 して、アンプを通して観衆に聞いてもらう手筈で事前にリハーサル済みでした。

 しかし当日開会式直前に、ARISS運用委員の安田 聖さんから教えて もらったアップリンク周波数で試験電波を出してみると、放送アンプ (ワイヤレスマイクのチューナー?)からのノイズがちょうどその周波数で S9+の状態で出ていて、ハンディー機ではアップリンクの児童の声が拾えなく なりました。

 後から思えば、ここで小諸東中学校の交信でも使ったポータブルアンプ 使用に切り替えるか、あるいはハンディー機の受信周波数を少しずらすという 対応方法もあったのに、その時は時間がなく、とっさに児童の声を私が別の ワイヤレスマイクを向けて拾うことにしてしまいました。
 またそれを交信前に試してみるというゆとりもなく、交信が始まってしまい、 体育館では交信中にハウリング音が時々大きく出てしまいました。それを私が 調整しながら交信したものの、ところどころでマイクをオフにする必要があり、 会場では音声を聞き取りにくくなってしまいました。
 小諸東中学校の時には、体育館でなく一般の教室より少し広い多目的室での 実施だったので問題にならなかったのですが、体育館では簡単にはいかず、 自分の準備と対策不足(時間不足)を感じました。

■無事交信を終えて……多くの協力者の皆様に感謝

 今回の和田小学校での成功は、多くの方々のご協力のお陰であり、この場 をお借りして、再度感謝申し上げます。山に囲まれた小さな学校から、 代表児童19人全員の声を宇宙へ届けることができ本当に良かったです。
 交信当日の手伝いだけでなく、アンテナ設置時には、地元の旧和田村クラブ や上田アマチュア無線クラブ(クレーンの提供をいただいたJR0BQU成澤さんTNX!) や、県内各地の私の友人(JG0SXC嘉部さん、JF0BPT澤谷さんら)が、遠路何回 もかけつけ手伝ってくれました(方位と仰角のローターを分離して取り付ける 「クランプ」が、別売りオプションであるとは、私の事前の確認不足で、 設置作業が途中までになり失礼しました。その後JA0CQP小松さんから借用しました)。
 アンテナ撤去も交信終了直後から開始してくれて、クレーン車のお陰もあり、 日没までに無事完了することができました。翌日の仕事の都合で慰労会に顔を 出さずに帰宅された方もおりましたが、この場をお借りして感謝申し上げます (JF0JYR高橋JARL信越地方本部長さんにも片づけまで手伝っていただきました)。
 急に依頼した保護者の駐車場での誘導と案内も好評であったと後で聞きました。 児童の頑張りと、そして同僚や上司の理解と協力。そして免許申請では 信越総合通信局やTSSのご担当者様のスムーズな処理にも感謝いたします。

 私にとって大切な無線仲間や多くの方々との絆も再確認でき、そのおかげで 交信が成功したと思っています。本当にありがとうございました。

(レポート:長野県小県郡長和町立和田小学校 小柳昭喜先生(JH0TIS)


●星出先輩との交信……仕切り直しへ
 茗溪学園高等学校・中学校科学部無線工学班(8月17日)

 茨城県つくば市にある、茗溪学園は星出宇宙飛行士の出身校です。
 星出宇宙飛行士の国内2回目の交信は、茗溪学園の後輩たちとの交信スケジュールが組まれました(8月12日付け、茗溪学園のお知らせ)。

 茗溪学園高等学校・中学校の交信は、同校科学部無線工学班の、全員がアマチュア無線の資格を持ったメンバーによる交信で、無線工学班の社団局JJ1YAFを使用してのチャレンジとなりました。
 科学部無線工学班のメンバーは、日ごろから顧問の中村泰輔先生(JI1RGZ)の指導で、コンテストにも積極的に参加するほか、ARDF競技にも熱心に取り組んでいるそうです。

☆すれ違いの時が過ぎて

 定刻の16:07、中村先生が国際宇宙ステーションのアマチュア局NA1SSのコールを開始しました。しかし、何度コールしても応答が得られないのです。
 星出宇宙飛行士が国際宇宙ステーションから送ってくるメッセージは確認できるのですが、これは明らかにJJ1YAFからのコールに対しての応答ではない。
 何度も何度もNA1SSをコールしますが、星出宇宙飛行士からは同様なメッセージがむなしく返ってくるばかり。

 どうやら星出宇宙飛行士はJJ1YAFからのコールを受信できていないようです。こうして約10分間のすれ違いの時間が経過し、残念なことに星出宇宙飛行士と母校の後輩たちとの交信は成立せず。失敗に終わることとなりました。

 この日の交信に立ち会ったARISS運用委員の安田 聖さん(7M3TJZ)は、「極めて珍しい失敗のケースだった。NA1SSのシグナルは明らかに弱かった。8月9日にカナダ科学技術博物館でおこなわれたスクールコンタクトが同様に失敗している。宇宙ステーションの無線設備の何らかのトラブルのようだ」と語っています。

 今回、残念ながら失敗に終わった、茗溪学園高等学校・中学校科学部無線工学班のスクールコンタクトは仕切り直し。10月に再スケジュールが組まれる予定です。

▽「無線交信会次回に期待」(8月18日付け、茗溪学園の発表)
http://www.meikei.ac.jp/hot/2012/08/post-77.html

(8月20日)
(9月5日更新、長和町立和田小学校の写真を掲載)
(9月11日更新、長和町立和田小学校のレポートを掲載)



ITUがニウエ島にプリフィックス「E6」を分配

 ニュージーランドの北方1,500マイルに位置し、ニュージーランドの自治領の一つであるニウエ島で運用するアマチュア局には、これまでニュージーランドに割り当てられている符字列である「ZK2」のプリフィックスが使用されていましたが、ITU(国際電気通信連合)は2012年8月3日付けで国際符字列分配表を更新し、ニウエ島にE6A−E6Zの符字列が割りあてられることとなりました。

 今回の符字列の分配に伴い、今後ニウエ島で運用するアマチュア局は、「E6」のプリフィックスのコールサインに移行されます。

(8月8日)


「詳細」


セルビア共和国の新首相はアマチュア無線家!「イヴィツァ・ダチッチ首相」

 セルビア共和国の前内務大臣(第一副首相)だった、イヴィツァ・ダチッチ氏が7月27日に、同国の首相に就任しました。
 ダチッチ首相は、2008年〜2012年7月までセルビアの首相を務めた、ミルコ・ツベトコビッチ氏の後任となります。
 ダチッチ首相はセルビア共和国で最も歴史のあるベオグラード大学出身。政治学の学位を持ちロシア語と英語に堪能な46歳。2人の子供たちの父親とのことです。

 実はダチッチ首相は、セルビアのアマチュア無線連盟SRSメンバーの1人で、YU1YUのコールサインを持つアマチュア無線家とのことです。
 地元のアマチュア無線クラブ(YU1AAV)の活動にも熱心に取り組み、同国の国内争乱時代から、子供たちにモールス信号とARDFの技術ほかを教えることを通じて、アマチュア無線家の育成に熱心に取り組んでいたと言われています。

 ところでかつて日本においても、アマチュア無線家の首相が誕生したケースが1度だけあります。
 平成10年7月30日〜平成12年4月5日の間、内閣総理大臣を務めた小渕恵三元首相(故人)は、生前JI1KITのコールサインを持ち、自らが発起人の1人となって、国会議員を中心としたメンバーで構成される、「国会アマチュア無線クラブ(JG1ZQU、現在は局免切れ)」を設立するなど、たいへん熱心なアマチュア無線家でした。

 アマチュア無線家の中には、本当にさまざまなお仕事をお持ちの方がいらっしゃるものですね。

(8月3日)


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埼玉県南埼玉郡白岡町の単独市制!平成24年10月1日に白岡市が誕生

 平成24年8月3日付けの官報に、埼玉県南埼玉郡(郡番号:13009)白岡町の単独市制施行が告示され、平成24年10月1日に白岡市が誕生します。

 白岡市のJARL制定市番号は「1346」となります。

 白岡町の市制後も南埼玉郡には宮代町が残るため消滅郡はありません。

 なお、直近の数年間で単独の町による市制の施行は、

  • 愛知県みよし市(2010年1月4日市制施行、市番号2038)
  • 石川県野々市市(2011年11月11日市制施行、市番号3012)
  • 愛知県長久手市(2012年1月4日市制施行、市番号2040)
がありました。

 また白岡町の単独市制の後、単独市制を目指して、準備を進めている他の町村としては、千葉県山武郡大網白里町、岩手県岩手郡滝沢村などがあります。

(8月3日)


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