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NPO日本アマチュア衛星通信協会(JAMSAT)が、2013年シンポジウムを開催
NPO日本アマチュア衛星通信協会(JAMSAT)は、2013年3月9日・10日、東京都
江東区の日本科学未来館において、シンポジウムを開催しました。
●「1.2GHz帯の周波数割り当て問題(みちびき付加機能)との干渉について」
JA1DAO辻氏からありました。衛星通信のアップリンク周波数でもあり、我々の運用にも影響することから今後も注視していきたい内容でした(写真右)。
●日大と共同開発している「JAMSATトランスポンダーおよび38.4kbps高速
データ送信機の開発状況について」
JH1CEP深井氏より説明がありました。1.2GHzアップリンクから145MHzへ設計変更し組立を開始したところとのことです。38.4kbps高速データ専用受信機も併せて開発中とのことですので、通常の受信機では不可能であり、開発が待たれます。
●「ソフトウェア無線技術(SDR)と衛星通信」
JA1DAO辻氏よる「USBドングルと各種ソフトウェアの組合せを衛星受信に使った実践例」の比較発表は大変興味深い内容でした。
●「AMSAT-DLから」
JA3GEP毛利会長から、P3E衛星の打上げ計画について説明がありました。
大型衛星を打ち上げるロケットは商業衛星向けが主になり、打ち上げ機会を探すのは困難な状況になってきた。
しかし、世界各国のロケットをも視野に入れた打ち上げ機会を探して行くとAMSAT-DL会長のDB2OSペータさんから
心強い言葉が届いているとのことでした。
●「日大NEXUS 衛星バスの開発状況」
日本大学の学生である上原氏から報告いただきました。NEXSUSは現在JAMSATと共同開発している衛星であり、順調に進捗しているようすをお話されていました。
●「FITSAT-1(NIWAKA)」報告
JA6AVG福岡工業大学教授の田中先生から直々にお話しいただきました。
現在も順調に運用中であり、アマチュア無線家のみならず天文愛好家や天文関係の科学館からも衛星からのLEDの光を撮影したレポートが報告されました。
また、各国のアマチュア無線家からも姿勢状態のレポートも寄せられているとのことでした。(写真右)
●本年度打ち上げられる筑波大学からの衛星である「ITF-1(結)の開発状況)」
学生の斉藤氏から報告がありました。ビーコンはF2Aのモードで送信し、簡単なハンディートランシーバを使って受信できるようにするとのことです。
●「AMSAT-NA FOX-1プロジェクト」について
JA3GEP毛利会長からAO-51の後継機として1UサイズのFMレピータの打ち上げに続き、FOX-2と称し3UサイズのSDRトランスポンダーの計画について報告がありました。
方針としては、衛星の打ち上げ初期は大学や機関の科学技術の目的に使い、その後はアマチュア無線運用に使うとのことでした。
この方式は現在JAMSATが取り入れている方式と同様であり、今後の流れになると強く確信しました。
●「2.4GHzの干渉状況」
スペアナを使った実測についてJA1OGZ金子氏から報告がありました。
唯一下側のバンドエッジのみ衛星通信に使うことが可能であり、その他全域は無線LANの電波に専有されている実情について報告がありました。(写真右)
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2日間を通して、衛星通信を中心に大学からの報告やJAMSATおよび海外AMSAT機関からの報告を織り交ぜ発表がありました。
また、アマチュアバンドについての今後の方向と、実情についても認識を新たにすることができた2日間でした。
JAMSATシンポジウムは来年も同時期に開催されますので、衛星通信に興味のある方はぜひ参加されてください。
(3月18日)
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