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第23回関西アマチュア無線フェスティバルKANHAM2018盛大に開催される
西日本最大のアマチュア無線イベントである関西アマチュア無線フェスティバルKANHAM2018が、7月14日(土)・15日(日)の2日間、大阪府池田市の池田市民文化会館で開催されました。
両日の天候はピーカンの快晴。初日は開場前から多数の来場者が集まり10:00の開幕を待ちました。
開会式は主催者を代表してJR3QHQ田中 透関西地方本部長の歓迎の挨拶、JG1KTC尾義則JARL会長の祝辞、そして倉田 薫池田市長、原田憲治衆議院議員(前総務副大臣)をはじめ来賓による祝辞、祝電の披露と続き、テープカットで、今年のKANHAMがスタートしました。
テープカット後、会場内に流れ込む来場者の勢いは相当なもので、クラブ、販売店ブースが軒を並べる「大ホールホワイエ(1、2階)」と「コンベンションホールホワイエ(2階)」や、メーカー・販売店ブースが軒を並べる「コンベンションルーム(2階)」は、見る見るうちに来場者の人混みで埋まっていきました。この開幕後の来場者の勢いは、体感的にはKANHAM過去最大の来場者数を迎えた昨年を大きく上回るとも感じ取れました。
こうして開幕した今年のKANHAMには初日の来場者数は5,000名、2日目が4,000名、合計のべ9,000名の来場者が、フリーマーケットやメーカー展示、販売店等による展示即売、各種講演会等を楽しみました。
■外は暑いが、会場内はもっともっと熱い!
実行委員会の方のお話しによれば、今年のKANHAMの出展団体数については大きな変動は見られないものの、全体的に出展コマ数が増えたこと、新規の出展団体が増えたことが一つの特徴のようです。
7月の3連休前半は、全国的に真夏の熱波の日となり、最高気温40℃を超える地域も見られたようですが、大阪府池田市内ももちろん例外ではありませんでした。
実行委員会が熱中症防止用に池田市民文化会館外に設置した温度計は開会直後のころ最高気温は写真のように33℃を示していましたが、お昼頃にこの温度計が示していた最高気温は38.7℃に達しています。
屋外に出展された団体の皆様方には「猛暑お見舞い申し上げます」といったところで、今年は心なしか屋外の出展ブースが少なめでした。
でも、冷房が効いた屋内ブースは「暑さ」よりも、楽しい展示やイベント等が醸し出す雰囲気の「熱さ!」を十分に感じました。メーカーブースではKANHAM会場で初めて披露されたニューモデルなどの参考出品も見られ、来場者の方々は、見学、特別記念局の運用、お買い物、講演、セミナーなどそれぞれに「熱い思い」で会場内をめぐっていたのです。
本当にKANHAMには「外は暑いが、会場内はもっともっと熱い!」という言葉がよく似合います。
■講演会等の催事(小ホール)
今年のKANHAMのイベントとして、小ホールで開催された人気のイベントをご紹介しましょう。
●てんご堂雅落さん(JO3KHA)の無線落語とMasacoさん(JH1CBX)のミニライブ
KANHAM初日のお昼過ぎのお楽しみイベントは、てんご堂雅落さん(JO3KHA)の無線落語と、歌手のMasacoさん(JH1CBX)のミニライブが今や定番です。
てんご堂雅落さんのKANHAM初登場は、2005年の第10回関西アマチュア無線フェスティバル(初出演当時の高座名は笑福亭瓶太でその後改名)で、KANHAM2005に当時、本邦初の「アマチュア無線」をお題にした無線落語でデビューしました。
実はこぼれ話ですが、雅落さんが初めてこのとき披露した無線落語の原作は、当時のKANHAMスタッフの方の創作落語だったそうです。このときアマチュア無線を知らない雅落さんが恐る恐る演じた無線落語ですが、この無線落語が縁になって雅落さん自身がアマチュア無線の免許を取得し、途中出演がなかった年はありますが、毎年雅落さん自身の手で無線落語をレベルアップさせて披露しています。
一方、兵庫県出身の女性シンガーソングライターのMasacoさんは、関係者のすすめでアマチュア無線の免許を取得後、2011年の第16回にKANHAMデビューして、その後ミニライブのみでなくトークの巧妙さを活かしてKANHAM開会式や、また雅落さんとのコンビで、各種講演会の司会など活躍の場を広げて現在に至っています。
今年のKANHAMでも、お二人のスペシャルトークに続いて、雅落さんの「無線落語」、そしてMasacoさんと若手ヴァイオリニストの菅野朝子さんとの共演でミニライブがおこなわれ新曲も披露されました。
小ホールは大入り満員となり、来場者の皆さんは大いに両イベントを楽しまれたようです。
●NHK解説委員 柳澤秀夫さん(JA7JJN)講演会「わが無線人生と国際報道」
NHK解説委員で熱心なアマチュア無線家でもある、柳澤秀夫さん(JA7JJN)が柳澤さんの仕事に、大好きなアマチュア無線がどうかかわっていたのかというテーマで語っていただきました。
NHKの朝の人気番組の一つ「あさいち」のコメンテーターとして、お茶の間でも大人気だった柳澤さんの講演がおこなわれた小ホールの収容座席(約240席)は満席で立ち見も多数出るなど大人気でした。
柳澤さんが自ら経験した、「ラジオの組み立てへの興味からアマチュア無線との出会いに至るまで」、「ラジオやアマチュア無線への興味から報道の記者へ、そして、海外特派員に至るまで」、さらに「人気の「あさイチ」をはじめテレビの舞台裏の話」などを、自らのアマチュア無線で得た経験などを交えて、特にプレゼンテーションなどを使用することもなく、アマチュア無線の内容を随所にちりばめた、非常に興味深く楽しい語り口で能弁にお話していただき、楽しいお話しで来場者の皆さんは大いに興味を持たれたようです。
●南極昭和基地からLIVE!南極教室
国立極地研究所の協力で、テレビ電話会議システムを使用して、第59次日本南極地域観測隊三浦澄雄隊員ほか現在南極に滞在する隊員の方々から、南極基地のライブ中継を交えて、南極の今を紹介していただきました。
この南極教室は、てんご堂雅落さんとMasacoさんの司会で、スペシャルゲストとして、柳澤さん、第55次南極地域観測隊の久保田弘隊員、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で、いま注目を集めている小惑星探査機「はやぶさ2」の管制業務を担当している米倉克英さんを加えておこなわれました。
子供たちの興味深い質問に、昭和基地の隊員の方に答えていただくこともでき、参加した方々は数々のお話しに大変熱心に聴き入っていました。
なおこれは余談ですが途中、柳澤さんからは熱心なアマチュア無線家がズバリ聞きたい質問やインタビューが飛び出すなど、まさに大人気の本職のテレビコメンテーターぶりに、司会の雅落さんやMasacoさんのどっきり表情を見かけることもでき、南極教室は大盛況のうち終了しました。
●JARLそこまで言って委員会
KANHAM独自のパネルディスカッションの一つとして、JARLが今後取り組むべき課題などを語り合うイベントですが、今年もJARLの理事や社員の方々18名をパネラーとして数々の議論等を交わしました。
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小ホールでは、ここで紹介した講演会等のほか、八重洲無線(株)の講演「アマチュア無線をもっと楽しく!!」、JARDの講演「古い無線機のスプリアス対応ほか」、「KANHAMコンテスト」表彰式なども開催されました。
■各種セミナー等(小会議室・中会議室)
小会議室・中会議室などでは、次のようなセミナー等が開催されました (カッコ内は講師の方です)。
- モールス通信入門(JA3LZC加賀谷洋一さん)
- アマチュア衛星通信入門講座(JH3BUM石原正次さん)
- 電波と地震予知と防災(早川正士電気通信大学名誉教授)
- TurboHAMLOGの作者と語ろう(JG1MOU浜田 博さん)
- 新デジタルモードFT-8の活用術(JF1RPZ/JN3TMW出田 洋さん)
- XLXリフレクター講座(XLXリフレクター同好会)
各セミナーでも特に大きな注目が集まったのは「電波の地震予報と防災」「新デジタルモードFT-8の活用術」で、小会議室ではこのほか「DXCCフィールドチェック」「IOTAフィールドチェック」「3エリア2m SSB連絡会」「パナソニック松愛会ハムクラブ&パナソニックアマチュア無線クラブ」なども開催されました。
■定評のある子供たち向けイベントも健在!
毎年定評のKANHAMの子供たち向け科学啓発イベントは、今年もスタンプラリーの型式で実施され、先の南極教室やJAXAコズミックカレッジとの連携で実施され、今年も多くの子供たちがさまざまな工作や実験などをおこないました。
■多くの若いスタッフがもっともっと育って欲しい
実は近年のKANHAM運営において、多くの高校生スタッフが縁の下で活躍してくれているのをご存知でしょうか?
「学校クラブの先生の紹介で、たまたま参加したらおもしろくなって………」などなど、スタッフに加わってくれた理由はそれぞれですが、KANHAM実行委員会では、そんな若いスタッフ達を大切にして、その重要なメンバー、戦力としてもっともっと育って欲しいとしています。
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それでは皆さん、来年も池田市民文化会館で開催予定の、KAHHAM2019でお会いしましょう。
(7月19日)
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