May 2022 NEWS TOPICS INFORMATION

3年ぶりに実施
JARL南極局8J1RLの「こどもの日特別運用」JA1RL全員が交信に成功!

 毎年5月5日のこどもの日に、南極昭和基地に開設されたJARL南極8J1RLでは、南極地域観測隊のご協力をいただき、日本国内の小・中・高校生のアマチュア無線家と優先して交信をおこなう「こどもの日特別運用」をおこなっております。
今年は3年ぶりに実施しました。

 東京都豊島区の日本アマチュア無線連盟(JARL)に開設しているJARL中央局JA1RL では、南極8J1RLとの交信にチャレンジする小中高校生のハムを募集し、当日は事前に参加申込みがあった小学校5年生から中学3年生の10名(3アマ7名、4アマ3名)と保護者が、東京都豊島区のJARL本部に集合しました。
 JARL中央局JA1RLと、約1万4千km離れた南極昭和基地・第63次南極地域観測隊の皆さんが運用するJARL南極局8J1RLが、21MHz帯のSSBのモードでの交信にチャレンジし10名全員が成功しました。

 16:00から交信会場のJARL会議室では、JG1KTC尾義則JARL会長(JA1RL運用委員会委員長)の挨拶、JA1RL運用委員会委員、当日集まった子どもたち、駆けつけてくださった南極OB会アマチュア無線クラブ(会長JR1FVH小林正幸さん、第62次南極地域観測隊として運用されたJG3PLH近藤 巧さん)の自己紹介等がおこなわれました。続いてJG3PLH近藤さんにより、南極昭和基地でのアマチュア無線や生活など興味深いお話をいただき、JA1RL運用委員会の7K2GMJ新谷一徳さんからJARL南極局8J1RLとの具体的な交信方法等について説明がおこなわれました。



 17:00過ぎからJARL南極局8J1RLの呼出を開始すると、ノイズの中から微かに8J1RLらしきシグナルが聞こえ、とても幸先のよいスタートとなりました。何度かやり取りをおこなううちに信号強度が上がり始め、10分を過ぎた頃、3アマの資格を持つ子どもたち7名が50W機トランシーバで交信をスタート。シグナルレポートやオペレーターネームの交換をおこないながら30分ほどで7名の交信が成功しました。

 続いて、JA1RLのトランシーバを10W機に取り換えて4アマの資格を持つ3名がチャレンジしました。時間の経過とともに信号は弱いながらもコンディションが安定したこともあり18:06に3名の交信が完了、参加した10名すべての交信が成功しました。その瞬間、交信に成功した子どもたちはもちろん、保護者の方からも大きな拍手が沸き起こりました。

 交信では、子どもたちは、和文通話表からあらかじめ書き出しておいた自分の名前を伝え、子どもたちがオペレーターを交代するごとに8J1RL側もマイクを握る隊員オペレーターが交代し、8J1RLから届くオペレーターの名前を懸命に聞きとりながらの交信となりました。

 子どもたちは、HF帯特有の信号の浮き沈みのあるノイズの中から8J1RLの信号を聞き取りながら、名前を書き留めていく様子は真剣そのもので、聞き取れたあとは安堵からか笑顔がこぼれていました。

 今回、「こどもの日」の特別運用はコロナ禍の影響で3年ぶりの開催となり、遠路、福島県から駆け付けた参加者もあり、みんなの願いが届いたのか10名全員が8J1RLとの交信に成功することが出来ました。最後に、尾会長がお礼の挨拶とファイナルを送り交信は終了しました。

 交信の成功に、尾会長から子供たち1名ずつに「交信記念証」が手渡されました。「皆さん全員が交信できて嬉しく思います。10W機でも交信できて感動しています。今日の感動を忘れずにアマチュア無線を楽しんでください」と尾会長の挨拶で締め括られ、交信に成功した子供たちは、保護者の方と共に笑顔で交信会場を後にしていきました。

 なお、「こどもの日特別運用」開催にあたり、参加者には体温チェックやオペレーターが変わるごとにマイクの除菌作業を行うなど、万全の体制で臨みました。

 最後に、運営にご協力いただきました第63次南極地域観測隊の皆様、OB会の皆様、関係の皆様、報道関係の皆様、JARL中央局運用委員会、そして暖かく見守ってくださいましたアマチュア無線家の皆様に厚く御礼申し上げます。

(5月6日・速報掲載、5月13日・詳細レポートを追加)




   
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