November 2024 NEWS TOPICS INFORMATION

「体験運用の日」レポート

 10月19日・20日に開催されたCQ ham radio編集部主催の「体験運用の日」(後援:JARL、JARD)において、また、同時期に開催された(公財)ボーイスカウト日本連盟主催によるJOTA2024(ジャンボリー・オン・ジ・エア2024)において、全国各地で体験運用がおこなわれました。
 各地からお寄せいただいた体験運用のレポートをご紹介します。(敬称略・順不同)
(1) 8J20NICT/1 NICT電波研クラブ

 神奈川県横須賀市にある横須賀リサーチパーク(YRP)で、10月18,19両日に、進出機関等による成果発表・一般公開イベントである「YRPオープンイノベーションデー2024」が開催されました。
 同パークにワイヤレス研究拠点を有する国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT、本部:東京都小金井市)の電波研クラブは、YRPアマチュア無線クラブ(JN1YRP)のメンバーの協力を得て、土曜日のファミリー向け公開日である19日に、YRPセンター1番館にある無線歴史展示室の一角をお借りし、NICT発足20周年記念局8J20NICTを使った公開体験運用を実施しました。
 アンテナは同館の屋上に常設されているJN1YRPのタワー(アンテナは現在撤去)に仮設しました。
 ICTの研究開発拠点として発展してきた同パークの公開行事には、電波・情報通信に興味を持つ親子連れが多数訪れ、430MHz FMで7人が体験運用をしたほか、2人のゲストオペレータ(JK1DRV、JI7VXG)が7MHz SSBでサービスし、パイルアップを受けていました。
 実施にあたりご支援いただいた、株式会社横須賀リサーチパークの皆様と、同社無線歴史展示室のJA1IXU太田現一郎室長に感謝いたします。

(レポート:JF3CGN 滝澤 修)

(2) JS1YOR 我孫子アマチュア無線クラブ

 10月20日10:00〜15:00に千葉県我孫子市新木の気象台記念公園で体験運用をおこないました。
 事前の準備として、5月にCQ ham radio誌へ「体験運用の日」参加の申込と情報提供をし、8月にクラブ内で体験運用のサポートメンバーを選出するとともに、体験運用の会場を選定しました。1ヵ月前の9月19日に我孫子市へ「都市公園内行為許可申請」を行い、約1週間後に同市より許可がおりました。
 9月下旬からは、体験運用の告知チラシを作成し、行政施設等への掲示や、我孫子市内で様々な活動をされている団体に配布しました。また、SNSで告知活動を展開し、X(旧ツイッター)の閲覧数は、3,800を超えました。
 当日の10月20日、テーマを「みんな・楽しく」とし、体験者もサポート者も一緒に楽しむ交信体験会を目指した結果、参加者・クラブ員の笑顔があふれる会となりました。体験運用参加局とSNSで情報を共有しながら、交信をサポートし交信を成功させました。同時に公開運用も行い、来場者に実際の交信の様子を「観て・聴いて」いただくことができました。
 体験運用者からは、「遠くの人(海外)と交信できますか」「免許の試験は難しいですか」「以前に無線やってたよ、再開してみようかな」「免許をとったけど、交信のやり方がよく分かりませんでした。交信ができてよかったです」「緊張したけど、ゲームのお話ができて楽しかった」「従事者免許を最近とった。コールサインの申請方法がよくわからない。教えてほしい」「アニメでみたモールス信号を使って、交信するところがみれた。おもしろかった」といった声がありました。

(レポート:JH1KMC 尾内 保之)

(3) 8J4WRC 第20回世界バラ会議福山大会2025特別記念局

 第20回世界バラ会議福山大会2025特別記念局 8J4WRCの実行委員会として10月20日に広島県福山市のフクヤマニメセブン会場に併設したブースで、3000人程度のコスプレーヤーに囲まれてアマチュア無線の体験運用・公開運用を行いました。
 準備をしたパンフレット「アマチュア無線ってどんなもの」、「ハムエッグスNEXT」をお持ち帰りいただける方も多く、今後アマチュア無線に興味関心を持っていただける方が増えるように期待したいと思います。
 体験運用者は3名と多くはありませんでしたが、今回は若い世代の方々にアマチュア無線を体験していただく事ができ、良かったと思います。
 イベント会場での体験運用は、イベントの主たる参加者、グループをうまく引き込む工夫が必要で、あまり技術的な話をしないで、何だか面白そうだからやってみようという方向をうまく出すことが重要と思います。

(レポート:JH4NMT 松田 佳之)

(4) JJ1YVV 八王子市アマチュア無線クラブ

 八王子市アマチュア無線クラブでは「体験運用の日2024」に八王子市こども科学館にて「アマチュア無線体験会」を開催しました。
 市立科学館の公式イベントとして、事前に市の広報誌やホームページでの告知も行っていただく機会にも恵まれ、来場者層はプラネタリウム目的で来館する小中学生や親子連れを想定していましたが、今回は市の広報誌を見て来たという大人が多く来場されました。
 電波の大切さや電波を学ぶ機会とするために、来場者には事前のオリエンテーションで電波の基礎を学んでもらい、その後に実際の交信体験という流れで行いました。無事に交信を終えたあとには来場者やスタッフからの拍手が会場に湧き上がります。
 体験者や保護者の方が見せてくれる満面の笑顔や「楽しかったぁ!」という喜びの声は、我々にとって素敵なプレゼントです。 この体験運用の営みがアマチュア無線をはじめ、ひいては無線人材の育成に少しでも寄与できれば幸いです。

(レポート:JJ1WWQ 尾崎 匡信)

(5) JQ1ZCK 昭島市アマチュア無線同好会

 令和6年度昭島市民文化祭の科学展において、アマチュア無線の公開運用や体験運用が行なわれ、小学生などが体験運用をしました。運用後、体験運用証明書が渡され、体験者から喜ばれました。
 会場内には他に電子機器工作体験、磁石の応用による各種の実験機器、モールス電鍵、国内外のQSLカードやアマチュア無線関係書籍が展示されました。

(レポート:JG1DKJ 澤田 倉吉)

(6) JA1ZYG 青梅アマチュア無線クラブ

 青梅市にある模型とラジオの博物館(非営利型一般財団法人科学技術継承財団)の一室を借りて、青梅アマチュア無線クラブ等の協力により第32回全日本ARDF競技大会特別記念局8J1ARDF/1の公開運用に合わせて体験運用を行いました。
 こちらの博物館では夢の図書館やマイコン博物館も併設されており、体験運用には、8月3日にこの施設で行ったハムフェア2024特別記念局8J1HAMでの体験運用された中学生の石川君も参加されました。8月に体験運用された石川君やほかの母親家族もそろって四アマ資格を取得されたとのことです。

(レポート:JG1DKJ 澤田 倉吉)

(7) JL3ZCZ BSきたおおさか無線局

 大阪府枚方市のボーイスカウト大阪連盟キャンプ場の一角に即席で作ったブルーシート屋根の下での運用です。
 ボーイスカウトと無線は「山に登ってアンテナを張り外部との交流を図る」と言う点で親和性が高く、世界のスカウト局が交信するJamboree On The Airと言うイベントが67年前から開催されています。
 当無線部では公開運用、体験運用、説明会、モールス体験会、Foxハンティング等、年代を問わず無線に興味を持ってもらうイベントを行っております。
 体験運用は「アマチュア無線は何をしているのか」「何が楽しいのか」を知ってもらうため、自局のコールサインと自分の名前を通話表で学んでから交信を行っています。
 今年は約55人の若いスカウト達が体験しました。公開運用では今年初めて若いスカウト従事者がマイクを握りました。約100局の皆様にお相手頂きましたが、同じ年代の従事者が各地と交信している様子を見て刺激を受けた体験参加者もいて将来が楽しみです。

(レポート:JL3ESA 弥永 裕之)

(8) JJ2YYA ボーイスカウト岡崎第10団無線局

 昨年に続き、10月19、20日ボーイスカウトのJOTA参加で体験入隊を開催しましました。その中で岡崎第2団、第10団、桑名第3団でアマチュア無線の体験運用をしました。
 低学年のスカウトは全員が次々交信したいため、都度交信相手局を探していると飽きてしまいます。そこで今年は隊長が三重県の桑名第3団へ行き、個人コールで体験運用し、D-STARターミナルモードを使い全員連続で交信ができました。無線体験としては少し違うかもしれませんが、まずは気楽にしゃべられる事からと考えました。
 会場では交信体験だけでなく、電鍵を打つゲームをしたり、QSLカードを記入して交換したりしました。高学年のスカウトたちが廃棄テントのアルミフレームで作った430MHz八木アンテナはJOTA局が見つけられず、持ち越しとなりました。
 体験運用は地域の回覧板にも掲載しましたが、一般体験者は1名のみでした。来年は掴みとして一般受けする物を考案したいと思います。参加人数は体験者25名、スタッフ11名でした。

(レポート:JE2HAI 小林 剛)

(9) JH2YSS 日本ボーイスカウト愛知連盟無線局

 今年のJOTA-JOTIは各県連盟が中心となり、活動実施となりました。また、体験運用の日がJOTA-JOTIと同じ日となり、10月19日・20日の2日間は空がにぎわったと思います。ボーイスカウト愛知連盟無線局JH2YSSは愛知会場として北名古屋市で参加しました!アマチュア無線免許を持たない子どもでも体験運用ができる『JOTA2024』を開催致しました。北名古屋第一団野営場(愛知県北名古屋市徳重)を拠点として『体験交信』と『無線ってなあに?』及び『モールス体験』を実施。
 体験運用では、スカウトは、どきどきしながら見知らぬ方との交信を体験でき、緊張したけど楽しかったと感想を述べてました。また、今年は2回目、3回目の体験運用のスカウトもいて、「もう絶対に免許をとる!」と約束してくれました。交信内容も中学生のスカウト(ボーイ隊)は自らすすんで北海道函館の局とのD-sterでの交信では「お魚が美味しですよね?」などの質問もでき、ワクワク感が伝わってきました!他、幸田・春日井・十日町(新潟)などと繋がりました。ボーイスカウト関係では、岡崎第10団D-ster・東京江戸川区JH1YSSは7MHzSSBで・奈良県橿原(かしはら)第9団は7MHzSSBで幅広い体験運用ができました。二日間通して16局の体験運用が実施できました。
 ボーイスカウト、カブスカウト、指導者、育成会、保護者、スタッフ、多くの無線家の方々総勢50名ほど・・・・・。こんなに喜んでいただき、手伝ってくださった東海地方のアマチュア無線家の方々も感激だと思います。一番は、大変素晴らしい環境のキャンプ場を提供してくださり、設営から徹営まで関わってくださったボーイスカウト愛知連盟尾張東地区北名古屋第1団の西春スカウト育成会及び、団関係者の方々のお陰です。ありがとうございました! 

(レポート:JO2MLC 村井 千鶴)

(10) JN1ZLK ボーイスカウトつくば第1団アマチュア無線クラブ

 本年は、昨年に増して「体験運用」の局が増えて、実際に体験者同士の交信が成立する等の大変有意義で「楽しさ」が体験出来た日になったと思われた。
 体験運用に当たり、各局のご配慮等を頂きクリアに交信が出来たことも成功の一因でありますし、QRマイクの配慮に寄与して頂いた局には感謝申し上げます。また、免許とりたてや若いゲストオペレーター運用と共に、体験運用を楽しく勉強しながらの運用は次世代のコントロールオペレーター育成にも期待をするところでもあります。
 次回は、更なる体験者の笑顔に出会えるよう期待する2日間でありました。各局、お世話になりました。有難うございます。

参加者:84名 総交信数:291局 内スカウト局:15局 内体験局:11局 体験応答数:12名 体験発信数:24名
(ハンディートランシーバー通信「スタッフ個人局交信」含む)

(レポート:7N4JWF 柏原 賢一)

(11月20日)



第56回東海ハムの祭典 名古屋市公会堂で開催される

 9月29日(日)に、「第56回東海ハムの祭典」が名古屋市公会堂で開催されました。昨年を上回る来場者があった東海ハムの祭典・開催レポートをお届けします。



 東海ハムの祭典実行委員会は、9月29日(日)10時から16時30分まで第56回東海ハムの祭典を愛知県名古屋市の岡谷鋼機名古屋公会堂(名古屋市公会堂)において開催しました。
 
▲会場の岡谷鋼機名古屋公会堂

▲会場入口の大看板
 開場時刻の10時直前に会場入口前で開会式・テープカットが行われ、多くの来場者がオフィシャルガイドブックを受け取り会場内へ入場しました。会場にはJARLデスクでの入会・会費継続等の手続き、QSLカード転送受付のほか、JARL愛知県支部と語る会、届け!若人の声サミット、講演会、親子電子工作教室、DXCCフィールドチェック、式典、東海QSOコンテスト表彰式のほか、特別記念局 8J2TKI/2の運用がおこなわれました。子供向けイベントとして、会場内スタンプラリー、手書きQSLカードコンテストもおこなわれました。もちろん、メーカー・販売店による最新無線機器の展示・販売、クラブ等によるジャンク市も開催されました。
 来場者は昨年からさらに増え、約2,800名もの多くの方々が来場・参加されました。また、会場に来場することができない方も各会場の様子をZoomのブレイクアウトルームによるオンライン配信で視聴いただきました。


▲開会式とテープカット

▲開場後の会場入口

▲展示エリアは来場者でにぎわう

▲親子電子工作教室

■「届け!若人の声サミット」を開催
 4階第7集会室では、10時45分から「届け!若人の声サミット」が開催されました。東海地方を中心に中学・高校・大学の学校社団局のメンバーが企画から実施まですべてを運営するイベントです。総合司会は名古屋大学アマチュア無線研究会の土屋さん(JJ1NIU)が担当し、まず、基調講演として東海学園大学教育学部准教授の中村 泰輔さん(JI1RGZ)による「『つながり』を育む〜アマチュア無線の部活動指導に携わって〜」と題して学校社団局の運営についてお話を伺いました。中村さんはコンテスト界では有名な学校社団局の元顧問で、参加した生徒・学生の皆さんはどなたも羨望のまなざしでした。
 続いて、参加した中学・高校・大学の社団局の活動紹介が行われた後、今回設定したテーマ「若人が長く無線を続けていくには」について、さまざまな意見交換が行われた後、若者からの提言として「学生社団の存在をアピールする」、「大人からの支援強化」の2つを採択して終了しました。今後も引き続き若いアマチュア無線家の活動を支援していきたいと思います。


▲届け!若人の声サミット

▲多くの方々が参加した講演会

■講演会
 4階の第7集会室では、引き続き3件の講演がおこなわれました。
 まず、総務省東海総合通信局無線通信部陸上課の大内 邦光氏による「アマチュア無線の活用等に係わる制度改正について」と題して講演が行われました。このあと行われる制度改正でアマチュア無線家にどのように関係してくるかという情報を先行して聞くことができました。また、日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)の協力をいただき、JVCケンウッド無線システム事業部品質保証部の中村 弘さん(JH4OWG)から「TH-D75でもっと楽しむAPRSとD-STAR」と題して最新機器のご紹介をいただきました。さらに、この地域の一部が南海トラフ地震の想定震源域に含まれていることから、愛知県防災安全局から災害発生時の応急体制に関する情報をご紹介いただきました。
 東海ハムの祭典では、毎年最新の情報を知ることができる講演ばかりで、今年も多くの方々が会場で耳を傾けていました。

■特別記念局8J2TKIの運用
 第56回東海ハムの祭典では、特別記念局8J2TKIによる公開運用と体験運用が行われました。また、昼休みの時間帯には江南市制70周年特別局8J2KONANも運用されました。


▲特別記念局「8J2TKI」

▲地震体験車「なまず号」(東三河号)

■地震体験車「なまず号」
 屋外では、愛知県が所有する地震体験車「なまず号」(東三河号)が、地震体験を実施していました。JARL愛知県支部は愛知県との間で防災に関する協定を締結しており、その関係でなまず号の運用が可能となっています。震度7の地震を体験した来場者は「こんなに強い揺れとは思わなかった」といざというときの心構えができたようです。

■お昼休みの時間帯は「ミニコンサート」を実施
 1階大ホールでは、お昼休みの休憩時間帯にアマチュア無線家のアーティストとして活躍する、青木小夜子さん(JJ3WWS)と渡部まいこさん(JJ0SDQ)によるミニコンサートが行われました。


▲ミニコンサートで歌う渡部まいこさん

▲青木小夜子さん

■式典とお楽しみ抽選会
 13時から1階大ホールにて総務省東海総合通信局 無線通信部長 畠山 忍 様、中日新聞本社 技術局 システム部長 永野 真臣 様、日本アマチュア無線連盟会長 森田 耕司 様、日本アマチュア無線振興協会会長 三木 哲也 様、日本アマチュア無線機器工業会会長 鈴木 昭 様ほか多くの来賓をお迎えした式典と第64回東海QSOコンテスト入賞者の中日新聞社表彰式がおこなわれました。
 その後行われたお楽しみ抽選会では、最後の目玉商品(ハンディ機)の抽選でみごと当選した来場者に木村実行委員長(JA2HDE)からハンディ機が贈呈されました。

▲午後から行われた式典

▲コンテスト表彰では中日新聞社賞が授与された

 最後に、木村実行委員長から「とても多くの方々にご来場いただきうれしく思います。来年の第57回東海ハムの祭典の日程は未定ですが、ぜひ来年もお会いしましょう」との挨拶がありました(その後、第57回東海ハムの祭典は令和7年(2025年)10月26日(日曜日)に岡谷鋼機名古屋公会堂(名古屋市公会堂)で開催されることが公式発表されました)。

 開催後のアンケートでは、「例年より来場者が多く盛り上がっていた」、「オンライン映像もきれいで、遠方で参加できなくても会場の様子をみることができた」という感想をいただきました。開催に協力いただいた方々を含め、多くの皆さんに東海ハムの祭典を楽しんでいただくことができました。

 第56回東海ハムの祭典当日の様子はYouTubeにてダイジェスト版をご覧いただけます。
▽東海ハムの祭典公式Webサイト
https://www.tokai-jarl.jp/saiten/
▽YouTube 第56回東海ハムの祭典(ダイジェスト版) https://youtu.be/42dHG1Csz4E

(11月7日)
(11月8日更新)





   
| 2023年のNEWS |