(1月30日掲載、3月28日改版、4月4日改版) |
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1月26〜27日(社)日本アマチュア無線連盟(JARL)では,(社)電波産業会(ARIB)と合同でPLCのデータ通信による漏洩電磁界の測定実験を実施しました。 PLCについては,漏洩電磁界によるアマチュア無線への受信障害が懸念されていましたが、今回の実験の結果、電磁環境委員会では、アマチュア無線に対して影響は避けられないとの判断をくだしました。なお,現在も鋭意検討中です。また詳細なデータは最下段のPDFファイルをダウンロードしてご覧ください。 |
▲実験を前に、ANTと受信機を手に測定場所の割り出し作業をおこなっているところ |
▲アマチュア無線用の無線機を使用してPLCの影響を確認する |
実験目的 | 1.7MHz〜30MHzまでの周波数帯を使用するPLCシステムから漏洩する電磁界が,短波周波数帯に与える影響について調査し,特にアマチュア・バンドおよびその他のいくつかの短波周波数での測定方法,測定データをARIBとJARLが共有し,それぞれの団体が活用することを目的とする。 |
実施期間 | 平成14年1月26日〜27日 |
実験場所 | (財)電力中央研究所 赤城試験センター 群馬県勢多郡宮城村 |
実施団体 | ARIB、JARL |
実験項目 | @ | 環境電磁界強度の測定 |
A | 漏洩電磁界強度の測定 | |
水平面電磁界強度 | ||
垂直面電磁界強度 | ||
アマチュア無線機での受信状況の確認と記録 | ||
B | 実験線路のインピーダンス測定 |
JARLの態勢 | ○ | JARL電磁環境委員会 |
JA1XF,JA1ABA,JA1LAS,JA1XKG,JH1DGF,JH1VCC,JH5ESM,森下豊 | ||
○ | 電磁環境委員会 実験作業班 | |
JA1ADH,JH1FCZ,JG1EAD,JG1RVN,JA3VAP,JP3PZD,JL4CVB | ||
○ | 機材提供および実験支援 | |
アイコム(株),(株)ケンウッド,(株)バーテックス スタンダード,第一電波工業(株),(有)FCZ研究所 | ||
【実験の方法】 電力中央研究所赤城試験センターの実験用電力線にPLCモデムを接続し,近傍に設置したアンテナで漏洩電波を受けモデムの動作時と停止時の差異を確認しました。供試モデムは4種類について確認しました。 ▲実験系統図 |
モデムA | OFDM方式 | 4.3〜20.9MHz |
モデムB | SS方式 | 4.0〜21MHz |
モデムC | シングルキャリア方式 | 4.158〜5.058MHz |
モデムD | マルチキャリア方式 | 2.0〜18MHz |
@受信信号評価者による影響確認 アマチュア業務では,計測機器の測定限界以下となる微弱な電波の受信をおこなうことが多いため,計測は人間の聴覚に頼るオピニオン評価を採りました。
評価者は5名,周波数は3.5MHz,4.630MHz,5MHz,7MHz,10MHz,14MHz,15MHz,18MHz,21MHz,24MHzを対象としました。 ▲モデムA運用時の各計測周波数ごとの評価。 図のA〜Eは評価者を示します。●と実線 のグラフは5名の平均値を示しています。 |
Aスペクトラムアナライザによる計測 対象とした周波数の近傍の電力スペクトルをスペクトラムアナライザで計測しました。受信アンテナは受信信号評価者による試験と同様,T2FDアンテナを使用しました。スペクトラムアナライザの設定は次のとおりです。 モデムAの7MHz帯近傍の測定データを下図に示します。モデムが非動作の環境電磁界とモデム動作時のスペクトルを重ねて表示していますが,それぞれのデータ取得時刻は,図に記載のとおりです。 ▲7MHz帯近傍の測定データ |
※4月3日,電磁環境委員会が開催され,今回の実験データを最終的にとりまとめました。 |