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 日本のどん真ん中岐阜県。岐阜市内を流れる清流長良川の鵜飼いは,1300年の伝統を持つ古典漁法としてあまりにも有名です。
 5月19日,清流長良川河畔に位置する長良川国際会議場で第44回JARL通常総会「ながら川総会」が開催されました。
 当日は,全国から約1,300人の会員が出席。JARLの事業を円滑に運営する議案の審議がおこなわれ,全議案とも賛成多数で可決承認され,19:20には全日程を終了しました。
 総会の運営は,東海地方本部内4県が合同で組織した,実行委員によって円滑に進められました。


▲木村時政東海地方本部長

▲原昌三会長

▲竹田義行東海総合通信局長

 白木 博岐阜県支部長(JA2MYA)の開会宣言の後,来賓役員の紹介がおこなわれ,木村時政東海地方本部長(JA2HDE)から次のような歓迎の挨拶がありました。
 「日本のどん真ん中,岐阜へようこそ。岐阜県は海のない県の一つですが,海抜0mの水郷地帯から3000m級の山岳地帯まで,県全体が自然の公園ともいえる変化に富んだ地の利を持ち,さらに1300年の伝統を持つ清流長良川の鵜飼いなど伝統的な文化や歴史的な資産が息づく県です。
 東海地方本部では今回の「ながら川総会」の開催に当たって,地元岐阜県支部のメンバーはもとより,東海4県のメンバーが合同で協力して実行委員会を組織し準備を進めてまいりました。
 4県合同でと簡単に言いましたが,遠隔地となるスタッフも多く打ち合わせの会合などを,そう頻繁に開催することはできません。そこで,インターネット上に実行委員会のWebを準備し,またメーリングリストなどを活用して実行委員間の連絡を密に保ちました。
 この新たな試みのおかげで,会議の回数の割には円滑に準備が進みこの日を迎えることができました。
 ご出席の会員の皆様方には,今後のJARLが少しでも元気になるように,熱心な議案の審議をしていただくとともに,有意義な意見などをご提案いただきたく思います」

 原会長(JA1AN)からは,「今年はJARL創立75周年記念式典(大正15年に創立)を開催します。また,今年は戦後アマチュア無線再開から50年を迎えた年でもあります。
 今後も先輩ハムの功績やご苦労を大切にして,アマチュア無線の世界を守り続けていかなければなりません。
 アマチュア無線にとって重要なWRC-03や,電力搬送通信問題へ働きかけ,さらに,デジタル化プロジェクトのD-STARへの積極的な取り組みなど,今後のアマチュア無線のための重要な事業に取り組んでいかなければなりません」(要旨)と開会の挨拶がありました。

 続いて来賓祝辞があり,竹田義行東海総合通信局長,梶原 択岐阜県知事(代読),細江茂光岐阜市長(代読),井上徳造日本アマチュア無線機器工業会会長から祝辞をいただきました。

 祝辞の中で竹田東海総合通信局長は「アマチュア無線家のみなさまには非常災害時の通信確保をはじめ数々の期待をしております。また,総務省では2005年までのIT国家実現に向けたプロジェクトを強力に推進しておりますが,今後はアマチュア無線家のみなさま方におかれましては,IT国家の礎となる将来を担う青少年の育成の面でもぜひご尽力をいただきたい」(要旨)と語っていました。

 来賓祝辞のあと,関谷勝嗣参議院議員(JA5FHB),小野清子(7M3URU)参議院議員,鍋倉眞一総務省総合通信基盤局長,フレッドジョンソンIARU Region 3議長(ZL2AMJ)からの祝電が披露され,永年表彰(30年856名,40年131名,50年4名),コンテストクラブ対抗第1位(関西コンテストマニアクラブ)の表彰がおこなわれました。

表彰式


 式典が終了して10分の休憩後,11:10より議事が開始されました。北垣事務局長から午前10:50現在の出席者について報告があり,正員出席者数21,015名(正員:1,148名,有効委任状:19,867名)これは本年3月7日現在の正員数96,206名の10分の1を超えるものであり,定款第40条によって第44回通常総会は成立する旨の報告がありました。

 続いて議長団が選出され,議長から総会成立の宣言があり,議事が開始されました。

議案の審議

■「ながら川総会の議長団■

 議長団の3名。左から,生子哲男氏(JH2DJK),中西嘉文氏(JH2DTP),山田兼雄氏(JA2BUL)。
 また,今回から総会議事運営規程が適用されることになりましたが,その議事運営委員長には岡田哲夫氏(JA2HVO)。
 書記として増田晴生氏(JA2KZM),宇野 孝氏(JA2ANM)が,議事録署名人として,白木 博氏(JA2MYA),山本永治氏(JA2CME),坂田佳昌氏(JA1TY)が指名されました。


 議長団から議事進行についての説明の後,議事に入り,竹内専務理事(JM1MNW)から第1号・第2号議案「平成13年度事業報告・収支決算」の説明があり,続いて本間(JA1UE),左藤(JH3EZQ)両監事から監査報告がおこなわれた後,質疑応答がおこなわれ,両議案とも賛成多数で議案どおり可決承認されました。
 

 全議案に関する質疑応答の概要については,JARL NEWS7月号(7月1日発行)で会員のみなさんにお知らせしますが,第1・2号議案では電力線搬送通信問題,マイクロ波帯バンド防衛,7MHz帯バンド拡張,包括免許制度などの取り組み,監査指導関係,75周年記念事業に関するもの,身障者ハムへの会員サービス,選挙制度の改革などについての質問や貴重な意見がありました。

 ここで議長交代があり,続いて会費前納制度の廃止に関する第3号議案「規則の一部改定」の議案説明が竹内専務理事からあり質疑応答に入りました。今後の移行措置の期間に関する質問をはじめ,さまざまな意見や要望などをいただき,質疑応答の後,賛成多数で議案どおり可決承認されました。

 続いて第4号議案「平成14年度事業計画」の説明が原会長から,第5号議案「平成14年度収支予算案」の説明が竹内専務理事からあり質疑応答に入りました。ここでは情報開示に関する質問,JARL NEWSのE-mail配信の提案,個人の賛助会員募集に関する提案などもおこなわれ,質疑応答の後,賛成多数で議案どおり可決承認されました。

 最後に第6号議案「定款第20条第2項ただし書による理事案」に関する説明が原会長からおこなわれ,質疑応答の後,賛成多数で可決承認され,総会の全議案の審議が終了しました。


新執行体制がスタート

 今年は役員改選の年。全議案の審議が終了した後,一度緞帳が下り,別室で新役員による理事会(第453回)が開催。新役員の互選により新執行部体制が決まり,壇上で新役員全員が紹介されたあと,新役員を代表して原会長から挨拶がありました。(JARL理事・監事

 新役員の紹介に続いて,この総会で退任された役員の方々(左からJM1MNW竹内俊晴氏,JA3ATJ坂井紀久男氏,JA9AG吉井 裕氏,JA0ARF横田泰伊氏,JH3EZQ左藤一義氏)の紹介がおこなわれ,場内は労をねぎらう大きな拍手に包まれました。

彩の国総会でお会いしましょう!

 JARLの新体制の紹介が終了し,木村東海地方本部長から,次期総会開催地の林関東地方本部長(JA1UT)に,総会のシンボルの引継がおこなわれました。

 林関東地方本部長は,「来年の第45回通常総会は埼玉県所沢市での開催を予定しています。埼玉県支部のメンバーが中心となって,「彩の国総会」の愛称のもとで,準備を進めています。来年も5月25日,彩の国総会でお目にかかりましょう」と語りました。

 最後に,種村一郎「ながら川総会」実行委員長(JG2GFX)から,東海4県から集まった,大会実行委員会メンバーの紹介がありました。

 種村委員長は「ながら川総会の準備は,東海4県のハムが結束して1年半前から進めてきました。本日も200名以上のスタッフが総会の円滑な運営のために,尽力してくれました。この場を借りてスタッフのみなさんにお礼申し上げます。また,ながら川総会の運営を通じて,東海4県のハムの結束がより深くなったと思っています」と語りました。

【総会前夜祭】

 前日の18日には,総会会場に隣接する「岐阜ルネッサンスホテル」で,総会前夜祭を開催。約300名の出席者が親睦を深めつつ歓談を楽しみました。
 アトラクションでは,中山道河渡宿(現在の岐阜市西部)の郷土芸能の一つ,馬頭太鼓のばち裁きを,保存会メンバーの元気な少年少女たちが披露。楽しい景品の当たる抽選会もありました。

【総会ハムフェア】

 総会会場の長良川国際会議場市民ギャラリーでは,無線機器メーカー各社やクラブなどの出展による「総会ハムフェア」が開催され,開会前や休憩時間などを中心に人気を集めていました。屋上では,ながら川総会特別記念局8J2GIFの公開運用(4月1日から運用を開始しこの日が最終日)もおこなわれ,アクティブにQSOをしていました。



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