【参考】一般の方の電波障害への理解
電波障害を受けている人の側からみれば、その原因が自分の家のテレビや受信ブースターなどの設備の不具合によるものも、集合住宅やビルの共同アンテナの整備不良によるものも、ブースターの異常発振によるものも、近くに大きなアンテナがあれば、結果的にアマチュア無線局にまったく関係のない障害であっても原因が判明するまでは、それが原因ではないかと思いこまれてしまいがちです。
●なぜアマチュア無線局が疑われるのか
テレビやラジオ、そのほかの電気製品などは、いったん故障すると修理しない限り正常に復旧することはあまりありません。
しかし、テレビ用受信ブースターなど関連機器の故障による障害は、時間がたつと回復することが多いため、無線局の障害と誤解されることがあります。これらの障害は、季節、天気、電圧の変動などにかかわっているものも少なくありません。
このほかに電気雑音による障害や放送電波の異常伝搬による障害なども、発生したり止まったりすることが多いため、アマチュア無線局による障害と誤解されやすくなります。
●何事もはじめが肝心
第一に、ご近所といかにして友好関係を保つかを考える必要があります。
ある日突然、数人の人達がきて大きなアンテナを建てるのでは、ご近所の方々が驚かないはずはありません。大きなアンテナが建つと必ず電波障害が発生するのではないかと心配します。また、台風等による倒壊や落雷等も気になります。
電波障害が発生すると、その障害がアマチュア無線局によるものではなくても、100〜200メートル位の範囲にあるアマチュア無線局用のアンテナが疑われます。アマチュア無線局を開設しようとするときには、アンテナを建てる前から隣近所と話し合っておくことが理想的です。このときに、電波障害が発生したときの連絡や対策の方法についても、話し合っておくとよいでしょう。
すでに開局している人は、アンテナの変更や増設の際に行うことも一つの方法かと思われます。
一般的に電波障害の相談は、発生してから1〜2年以内のものがほとんどです。中には、障害が発生しはじめてから5〜10年以上がまんしている人が相当数あります。ご近所の方々は、隣近所どうしの関係を気まずくしたくないと我慢をしていることがほとんどです。
アマチュア無線局を開設し、長年にわたって楽しく運用するには、周辺住民に対してテレビやラジオなどに障害を与えないと同時に、アマチュア無線が障害の原因者だと疑われないようにすること、そして万一障害が発生した場合、お互いに協力してその対策に取り組めるように、日頃からご近所とのおつきあいを大切にしておかなければなりません。 |