マイクロウエーブ機器メーカーの一つ,マキ電機ではAO-40のダウンリンク受信に便利に活用できる,2400MHz帯受信コンバーターの発売を開始するとしています。受信に使用する2400MHz帯のアンテナについても同社の取り扱い製品のラインナップの中にあります。 また,AO-40のアナログモードの運用はSSBやCWによるものですので,親機はもちろんSSBやCWが受信できるモデルでなければなりません。 AO-40はHF帯の21MHz帯から24GHz帯まで,さまざまな周波数のトランスポンダーを搭載していますが,現在の試験運用で使用されているMode-LS/USのアップリンクとダウンリンクの周波数関係は次のとおりです(周波数の単位はMHz,ドップラーシフトは含まず)。なお,アップリンクとダウンリンクはスペクトラムが反転するので,SSBで運用する場合はアップリンクにLSBを,ダウンリンクにUSBを使用してください。FMでの運用はおこなわないでください。
運用時に絶対注意して欲しいのは次の3点です。 ●まずは,ビーコン受信! 最初に確認すべきことは,ビーコンの受信です。ビーコンが受信できない場合には,アップリンクを試みてはいけません。衛星側の運用の都合でビーコンが停止しているかもしれませんし,あるいは,自局の受信感度が悪くてビーコンが受信できないのかもしれません。後者の場合,ビーコンが受信できない設備は,交信をおこなう設備としての能力不足です。まずは,アップリンクを試みる前に,十分なワッチをおこなってください。 ●送信パワーは小さく,受信感度はできるだけよく… 次に,絶対に注意しなければいけない点としては,「アップリンク時にミドルビーコンの信号強度と同レベルのダウンリンクの信号強度を狙ってはいけない」ということです。ミドルビーコンの信号強度より−10dB以上低くというのが一応の目標値です。これをきちんと守らないと,トランスポンダーのAGC回路が動作し,トランスポンダーの感度を下げてしまうため,多くの利用局に迷惑をかけることになります。「送信パワーは小さく,受信感度はできるだけよく…」というのが,衛星通信の鉄則の一つです。無線機のSメーターの振れ方には個体差がありますので,帰り信号はできるだけ低いレベルで押さえてアップリンクするようにしましょう。 ●ミドルビーコンに影響を与えないために次の周波数は送信禁止! Sバンドのミドルビーコンは,ダウンリンクのパスバンドのほぼ中央に位置しています。ミドルビーコンはAO-40の状態など情報を送信する重要な信号です。従ってアップリンクする際にはこの周波数に影響を与える可能性がある,1269.400〜1269.360MHz,435.685〜435.645MHzの間ではアップリンクをおこなってはいけません。 AO-40の今回の運用は,機器の動作確認のための試験段階のものです。今後の管制作業などの都合で,突然運用周波数やスケジュールなどが変更になる場合もあります。 (資料提供:JAMSAT) |
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