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 第43次日本南極地域観測隊(JARE43)アマチュア無線係では,越冬期間中に8J1RLを運用すべくJARE43における夏作業の終息を待ち,3月上旬にアンテナ(14/21/28トライバンダー)建設しました。JARE42では8J1RLの運用がおこなわれなかったことから,JARE41次に建設したアンテナがそのまま健在でしたが,2度に渡る越冬の傷跡が激しく修復も困難と判断し,我々が持ち込んだアンテナの建設に至りました。
 アンテナ建設後,無線機とアンテナを結ぶ既存ケーブルをつなぎ,無線機のスイッチを入れるも,雑音の入感もなく,ケーブル不良と判断。新しくケーブルを敷設するはめになり,早く運用したい一心でケーブルの敷設をおこない,今度はOKでした。
 8J1RLは昭和基地の主要建造物である管理棟の1階にあり,そこからアンテナまでは約150mもの距離があります。ケーブルの敷設にもルートの選定や,過酷な気象条件にも耐えうるような養生が必要です。また,アンテナ建設に際しても,風速40m程度の風が吹くこともあることから,結構気を遣いながら建設しました。

 いよいよ運用ですが,業務の傍らでの運用ですので,なかなか思うようにQRVできないのが現状です。このため,QRVしようと思ったときにコンディションが悪いといったことも多く,4月末までに6回の運用で延べ約450局の交信となっています。QRV可能な周波数は14MHz帯,21MHz帯および28MHz帯で,SSBとCW半々にサービスしようと思っていますが,現在のところCWが6〜7割程度です。
 現在昭和基地で8J1RLの運用可能者は8名おりますので,今後はそれぞれの係員の都合の良い時間をできるだけQRVにあてようと画策中です。

(第43次日本南極地域観測隊・氏家宏之)