■古川 聡宇宙飛行士との最初のスクールコンタクト
南関町立第四小学校の児童たちが国際宇宙ステーションと交信に成功
6月21日、熊本県南関町立第四小学校の児童たちが、ARISSスクールコンタクトで国際宇宙ステーションに長期滞在中の古川 聡宇宙飛行士との交信に成功しました。古川宇宙飛行士による初めてのスクールコンタクトとなります。
九州地方でのスクールコンタクトは今回が2例目で、1例目の2004年7月13日に実施の福岡県立明善高等学校以来、約7年ぶりの実施です。
交信当日のようすなどのレポートを、ARISS運用委員の安田 聖さん(7M3TJZ)からいただくことができましたのでご紹介しましょう。
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古川 聡宇宙飛行士の国内最初のスクールコンタクトが、6月21日18時00分43秒から熊本県玉名郡の南関町立第四小学校で実施されました。
南関町立第四小学校は、山間部に位置する全校生徒98名の小さな小学校で、同校の6年生全員(18名)がこのスクールコンタクトに臨みました。
交信当日は、国際宇宙ステーションが沈む方向に山があり、その関係で約2分ほど交信できないことが事前にわかっており、スムーズに質問できるように、何度も練習を繰り返して当日に備えました。
古川宇宙飛行士との交信と言うことだけでなく、熊本県での最初の交信と言うこともあり、メディア各社の関心も高く事前練習から取材が多く入りました。
今回のスクールコンタクトのために臨時に開設した社団局は8N6N4E。交信前日の20日アンテナ設営をおこなうことになっていたのですが、あいにく九州地方の大雨が続いており、雨の中の設営になるのか心配されました。
しかし午後には雨も上がり、熊本県支部や玉名無線クラブのメンバーにより無事設営することができました。
また、会場の体育館の準備も学校の協力も得て順調に進み、明日(21日)の本番に備えることができました。
交信当日、体育館の最後の飾り付けをするなどの準備を進めました。17時ごろから父兄や地元の住民約100名が見学に訪れました。この中には、当日最終日を迎えた町議会の町長、教育長、議員が訪れるなど、関心の深さが伺われました。
17:20からスクールコンタクトの説明等をおこない、交信に備えました。
交信予定時間の18時00分43秒から、国際宇宙ステーションの古川宇宙飛行士を呼び出したのですが応答がなく、子供たちだけでなく会場の聴衆を含め「ダメか」という空気が流れました。
しかし約3分過ぎ、古川宇宙飛行士からの応答があり、会場に安堵感が流れました。
そして、児童たちの質問が始まりました。
「宇宙から見て、一番きれいに見えるのは何ですか?」に対して「青く輝く地球です」などと、古川宇宙飛行士は児童たちの質問にていねいに答えてくださいました。
9人目の質問のころから、国際宇宙ステーションが山陰に隠れ始めたのか、質問が届きにくくなり、9人目を最後に交信が途絶えました。
残念ながら6年生全員が質問をすることはできなかったのですが、古川宇宙飛行士の声を聞くことができ、児童たちだけでなく会場が興奮に包まれる中、無事交信を終了することができました。
また、交信当日の夕方(日本時間6月22日の早朝)には、古川宇宙飛行士のツイッター(http://twitter.com/#!/Astro_Satoshi)に「宇宙ステーションから、熊本の小学生のみなさんとアマチュアラジオで日本語にて交信しました。よく調べ、自分で考えた良い質問をありがとう。英語で頑張って質問してくれた人、良い発音でよく理解できました」等の書き込みがありました。
(TNX 7M3TJZ)
(6月24日)
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