■星出彰彦宇宙飛行士の小型衛星放出ミッション
4機の小型アマチュア衛星を放出へ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、7月中旬から約4カ月間の長期滞在中の星出彰彦宇宙飛行士による、小型衛星放出ミッション
が2012年9月28日午前0時ごろから作業を開始される予定であると発表しています(9月20日現在の発表。JAXAではISSの運用状況によって日時が変更となる可能性があるとしています)。
小型衛星放出技術実証ミッションは、当初、2012年9月10日午後10時ごろから開始される予定でしたが、ISS運用における船外活動が追加(星出宇宙飛行士は、NASAのサニータ・ウイリアムス宇宙飛行士と2回(8月30日、9月5日、ともにUTC)の船外活動を実施)されたため、計画が延期になっていたものです。
※その後のJAXAの発表によれば小型衛星の放出は、欧州補給機(ATV)3号機
の分離延期の影響で、延期されることになりましたが、その後のスケジュール調整により、
2012年10月4日から5日にかけて、小型衛星を放出する予定としています。
今回の小型衛星放出ミッションにおいて、ロボットアームと小型衛星放出機構を使って、日本実験棟から放出される、JAXAの公募小型衛星は3機。RAIKO(和歌山大学/東北大学)、FITSAT-1(福岡工業大学)、WE WISH(明星電気)です。3機のうち、FITSAT-1とWE WISHの2機はアマチュア衛星です。
また今回の小型衛星放出ミッションでは、JAXAの公募衛星以外の2衛星も放出が予定されていますが、この2衛星もアマチュアバンドの送信機を搭載したアマチュア衛星です。
これまで、有人宇宙飛行のミッションの一つとして、国際宇宙ステーションやスペースシャトルからアマチュア衛星が放出されたケースとしては、2006年2月にロシアの船外活動で国際宇宙ステーションから放出がおこなわれた宇宙服衛星SuitSat-1(ロシア名はRadioSkaf)や、STS-116ミッションで2006年12月にスペースシャトル・ディスカバリー号から放出がおこなわれた、アメリカ海軍兵学校のRAFT(NO-60)、ANDE(NO-61)、アメリカ海軍研究所のFCAL(NO-62)、そして直近では2011年8月にロシアの船外活動で国際宇宙ステーションから放出がおこなわれた、ARISSat-1(ロシア名はKEDR)などがありますが、日本の有人宇宙飛行ミッションとして、小型衛星が放出されるのは今回が初めてです。
JAXAの発表によれば、今回の小型衛星放出ミッションは2回に分けて実施され、1回目は星出宇宙飛行士による操作により「RAIKO」と「WE WISH」の2機を放出し、2回目はJAXAの「きぼう」運用管制室(地上)からの操作によって「FITSAT-1」、「F-1」、「TechEdSat」の3機を放出する予定とされています。
今回放出が予定されている、各衛星は高度350〜400km(放出時の国際宇宙ステーションの高度による)に放出され、無事運用が開始された場合100日程度運用をおこない大気圏再突入となる模様です。
4機の小型アマチュア衛星のダウンリンク周波数などは次のとおりです。みなさんも、チャンスがあればぜひ受信に挑戦してみてください。
なお、各小型アマチュア衛星の詳細は、開発団体のWebサイトを確認してください。
▽「きぼう」日本実験棟からの小型衛星放出ミッション(JAXAのWebサイト)
http://iss.jaxa.jp/kibo/about/jssod/
(9月19日掲載)
(9月20日、実施予定日の変更にともなう更新)
(9月28日、実施予定日の延期にともなう更新)
(10月3日、実施予定日の決定にともなう更新)
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