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静岡県裾野市立深良中学校の生徒たちが油井亀美也宇宙飛行士と交信に成功
10月1日、静岡県裾野市立深良中学校の生徒たちが、ARISSスクールコンタクトで、国際宇宙ステーションに長期滞在中の油井亀美也宇宙飛行士との交信に成功しました。
油井亀美也宇宙飛行士と日本の子供たちとの交信は、8月18日の豊中市立東丘小学校以来2回目。また、国内でのスクールコンタクトの成功は82回目ですが、静岡県内でのARISSスクールコンタクトの実施は今回が初めてとなります。
深良中学校のスクールコンタクトの詳細レポートを、JR2PMQ齋藤信泰さんからお送りいただきましたので紹介いたします。
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平成27年10月1日、静岡県裾野市深良中学校でARISSスクールコンタクトが実施され、同校の中学校2年〜3年生の13名の生徒たちが、国際宇宙ステーションに7月23日から約5カ月間の長期滞在中の、油井亀美也宇宙飛行士との交信に成功しました。
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▲裾野市立深良中学校(左)とARISSスクールコンタクトがおこなわれた体育館(右) |
会場では宇宙から届く油井宇宙飛行士の生の声に生徒、保護者、学校関係者の皆さんが聞き入っていました。交信は国際宇宙ステーションが裾野市を通過する19:27ごろから約10分間の予定でおこなわれました。
当日は、13:00から富士裾野クラブを中心に関係者が準備を開始しました。
軌道情報からISSの飛行ルート後半は東方面が箱根連山、北方面に富士山があることがわかりました。
また同日、総務省東海総合通信局の規正用無線局(DEURAS-M)とJARLのガイダンス局との合同運用をおこない、電波の監視をおこなっていただきました。
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▲JARLガイダンス局(左)総務省東海総合通信局の規正用無線局(DEURAS-M)(右) |
本番の時刻を迎え、体育館には報道関係者を含め、多数の方がご入場されていました。JAXAから借用した青色のユニフォームを着た生徒3名による総合司会で行事が開始しました。
南極地域観測隊OBの一人である、総務省東海総合通信局の野口徹也さんによる「いつかは行こう!南極・宇宙」の講演、生徒の発表の後、交信のための最終運用リハーサルが入念におこなわれました。
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▲JAXAのユニフォームを着て緊張気味の司会者(左)と生徒による発表のようす(右) |
19:27からJA2GZZ古田多津彦さんが国際宇宙ステージョン向けに呼出しを開始しました。
「NA1SS This is 8N2F standing by」と呼出しを開始しますが、すぐには応答がありません。呼出しを続けること9回、2分50秒が経過したところでスピーカーから油井宇宙飛行士の声が聞こえてきました。会場にいた皆さんにはこの数分がとても長く感じられたことと思います。
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▲待機中の交信予定者(左)国際宇宙ステーションからの電波を待つ会場の方々(右) |
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▲生徒による国際宇宙ステーションの掲示(左)宇宙について生徒たちのレポート掲示(右) |
「NA1SS This is 8N2F.こちらは富士山から10マイル離れた裾野市です。聞こえますか?」
「こちらも良く聞こえます。お願いします」との油井宇宙飛行士の声で待望のスクールコンタクトが開始されました。
生徒たちの上手なオペレートと油井宇宙飛行士の適切な回答で、予定していた生徒13名全てが交信でき、さらに2巡目まで交信可能となり合計で15の質問に答えていただき、約7分間の交信は大成功に終わりました。
質問の中で「地球で見る星より、宇宙ステーションで見る星はきれいですか?」に「たくさん見えます。大気がないので星は瞬かないです」と地球にいては分からない事もたくさん知る事ができました。
生徒や会場に詰めかけた皆さんは真剣に交信のようすを聞き入っていました。
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▲待望の交信がスタートしました(左) 緊張していますが上手交信していました(右) |
静岡県内では初の宇宙ステーションと子供たちとのアマチュア無線による交信とあって、多数のマスコミが取材に駆けつけていました。翌日の地元新聞にはカラー刷りで交信のようすが紹介されていました。
今後、宇宙や自然、アマチュア無線に関して興味を持つ子供たちが増えることを期待します。
今回のスクールコンタクトをサポートしていただきましたスタッフの皆さん、ありがとございました。
レポート:JR2PMQ齋藤信泰さん
(10月06日)
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