January 2017 NEWS TOPICS INFORMATION


第22回 関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM2017)
 今年のテーマは「その電波で未来を探せ! 〜新しい出逢い Ur Call 君の名は〜」

 下記の「関西ハムシンポジウム2017」のレポートにも紹介していますが、関西地方本部は、今年も7月15日(土)、20日(日)の2日間、関西アマチュアフェスティバルKANHAM2017を大阪府池田市の池田市民文化会館、豊島野公園、池田市立カルチャープラザで開催します。

 さる1月28日、大阪府池田市の「池田市カルチャープラザ」で、今年の関西アマチュア無線フェスティバル実行委員会が開催され、今年のKANHAM2017の企画や運営に関する詳細な打ち合わせや準備が本格的にスタートしました。

 今回の実行委員会で決定したKANHAM2017のテーマは、「その電波で未来を探せ! 〜新しい出逢い Ur Call 君の名は〜」で、その他、細部にわたる企画や準備に関する綿密な打ち合わせがおこなわれました。

 実行委員会によれば、今年も例年通り、移動しない局、移動する局の2局の記念局の運用を、4月から予定しており、6月にはKANHAMコンテストの開催も予定しています。また、例年にない新しいイベントなどの開催も企画されている模様です。

 日本無線協会は下記の記事のとおり、日本無線協会近畿支部がKANHAM2017の開催に合わせて、7月15日、16日の両日、池田市カルチャープラザで「第三級及び第四級アマチュア無線技士の臨時試験」の開催を予定しており、KANHAM実行委員会はこの臨時国家試験を受験される方を対象とした国試の対策講習会も7月9日に開催を計画しています。

 なお、KANHAM2017の詳細は決まったものから、KANHAM公式サイトに掲載となる予定です。今年のKANHAMにも大いに期待しましょう。

【開催の概要】

  • 行事名:第22回 関西アマチュア無線フェスティバル(KANHAM2017)
  • 開催日時:2017年7月15日(土)10:00〜17:00、16日(日)10:00〜17:00
  • 開催会場:池田市民文化会館、豊島野公園、池田市立カルチャープラザ(大阪府池田市)
  • 主催:関西アマチュア無線フェスティバル実行委員会 (一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL)関西6府県支部、大阪府支部、 京都府支部、兵庫県支部、奈良県支部、滋賀県支部、和歌山県支部)
  • テーマ:「その電波で未来を探せ! 〜新しい出逢い Ur Call 君の名は〜」
  • 後援(予定、順不同):総務省近畿総合通信局、大阪府、大阪府教育委員会、池田市、池田市教育委員会、日本無線協会近畿支部、電波適正利用推進員協議会、近畿受信環境クリーン協議会、大阪電気通信大学
  • 協賛(予定、順不同):近畿情報通信協議会、アイコム電子通信工学振興財団、アイコム(株)、(株)エフ・ティ・アイ、CQ出版(株)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙教育センター
  • 協力(予定、順不同):ハムショップ日本橋店会、大阪ハムメーカー会、でんでんタウン電子工作教室、いけだ市民文化振興財団、池田フェスティバル協会、日本宇宙少年団(YAC)大阪分団・関西地方各分団
  • KANHAM公式サイト:http://www.jarl.gr.jp/kanham

(1月30日掲載)


「詳細」


関西ハムシンポジウム2017盛大に開催される(兵庫県支部・大阪府支部共催)

 1月29日、兵庫県尼崎市の尼崎リサーチインキュベーションセンター(エーリック)で、兵庫県支部・大阪府支部共催の関西ハムシンポジウム2017が開催され、兵庫県、大阪府をはじめ各地から約1,500名(主催者発表)が来場しました。
 当日は役立つ楽しい講演等が、午前・午後の2部に分けて開催され、来場者の方々は各自が興味のあるプログラムを選択して熱心に聴講していました。

●当日開催された講演などの一部

▲7MHz帯ツェップアンテナ製作講習会(講師:JL3JRY屋田純喜氏)

▲初心者の衛星通信入門(講師:JM3DUR 島村隆久氏(JAMSAT))

▲HAMLOGの活用術(講師:JG3RWX前川義男氏)

▲【JARLシンポジウム】「これからのJARLとアマチュア無線」(パネラー:JG2GFX種村一郎副会長、JH3GXF安孫子 達理事、JA3DKW永井暉久監事、司会:JR3QHQ大阪府支部長)

▲【JARDフォーラム】「新スプリアス対応について」(JARD保証事業センター斉藤担当課長)

▲初心者にもわかるJT65通信入門(講師:JA3IVU北井十生氏)

▲モールス通信入門(講師:JA3LZC加賀谷洋一氏)

▲JARL地方局JA3RL/3公開運用

▲アメリカFCC試験(ARRL VE神戸)

 数ある講演会の中でも、かなり注目が集まっていたのは、午後の部の講演の一つ「初心者にもわかるJT65通信入門」の講演です。講演会場はまさに黒山の人だかり(!?)という言葉がよく似合う感じで、大勢の立ち見が出るほどの大盛況となりました。この講演の大人気は、最近HF帯愛好者の間で話題を集めている通信方式JT65への関心度の高さを象徴しているようです。
 各種の役立つ講演の他には、DXCCフィールドチェック(担当:JG3QZN田中一吉氏、JQ3DUE池田昌彦氏)、FCC試験(ARRL VE 神戸)なども開催されました。

■ジャンク市・展示、メーカー展示等

 関西ハムシンポジウムのお楽しみであるジャンク市・展示会場には今年は38ブースの出展があり来場者の皆さんは、講演会の聴講の傍ら掘り出し物散策を楽しまれていたようです(冒頭の写真)。またメーカー展示としては、アイコム、八重洲無線、第一電波工業、コメットの出展があり各社自慢の製品のデモンストレーションをおこなっていました。総務省近畿総合通信局の電子申請解説ブースの出展もあり、JARL局(JA3RL/3)の公開運用もおこなわれました。

■2017関西ハムシンポジウム新春パーティー(お昼)

 午前の部を終了し、お昼の時間に開催された「新春パーティー」(参加費有料)にも多数の方々が出席しました。パーティーはシンガーソングライターのMASACOさん(JH1CBX)の司会進行でスタート、特別ゲストに人気お笑いタレントの「桜 稲垣早希さん」を迎えて賑やかに開催されました。実は桜 稲垣早希さんのお父さんの稲垣博充さんは、JH3GWWのコールサインを持つ熱心なアマチュア無線家で、パーティーでは親子でクイズを出題披露するなど歓談を大きく盛り上げてくださいました。
 また、最後には豪華景品が当たる大抽選会もありパーティーは大盛況のうち終了し、午後の部に入りました。

【参考】関西ハムシンポジウムは「冬のKANHAM」(!?)

 関西ハムシンポジウムは、関西地方本部が毎年7月に大阪府池田市の池田市民文化会館で開催している「関西アマチュア無線フェスティバル」(KANHAM)のイベントのエッセンスをギューッと圧縮して詰め込んだようなイベントで、「冬のKANHAM」「年頭のKANHAM」「ミニKANHAM」といった雰囲気を毎年色濃く醸し出していますが、これは、関西ハムシンポジウムの開催会場の歴史に由来しているのかもしれません。

 KANHAMの歴史は阪神淡路大震災の翌年の平成8年7月21日に、大阪府大阪狭山市の大阪狭山市文化会館・SAYAKAホールで開催された「第1回関西ハムの祭典」からスタートしていますが、その後の第2回〜第6回の5年間は、エーリックで開催されていました。エーリックは、KANHAMの黎明期から成長期のうち5年間を支えてきた開催会場だったのです。

 その後のKANHAMは平成14年の第7回から、大阪府池田市の池田市民文化会館に会場を移して、発展期・成熟期を迎えているのですが、KANHAMが池田市民文化会館に移った後、エーリックは兵庫県支部・大阪府支部が合同開催する「関西ハムシンポジウム」の開催会場となったのです。

 「関西ハムシンポジウム」は「成長期のKANHAMの楽しい雰囲気」を継承し続けているのかもしれません。

(1月30日掲載)




日本無線協会が平成29年度アマチュア無線技士国家試験日程を発表

 公益財団法人日本無線協会は、平成29年度のアマチュア無線技士国家試験の開催日程を正式発表しています。

 なお、4月期の1・2アマ国家試験の申請書受付期間は、2月1日〜20日です、受験を予定されている方は、申請忘れがないようにご注意ください。

〇第一級アマチュア無線技士
4月期:4月8日(土)、8月期:8月13日(日)、12月期:12月2日(土)
〇第二級アマチュア無線技士
4月期:4月9日(日)、8月期:8月12日(土)、12月期:12月3日(日)

※1アマ・2アマとも試験会場は例年どおり、東京都、札幌市、仙台市、長野市、金沢市、名古屋市、大阪市、広島市、松山市、熊本市、那覇市となります。

〇第三級および第四級アマチュア無線技士

 試験地と開催月は次のとおりです。昨年は開催されていなかった、鳥取、山口、高知、徳島の各会場でも開催される予定です。

  • 東京:平成29年5月、7月、11月、平成30年3月
  • 宇都宮:平成29年10月
  • 札幌:平成29年5月、7月、9月、11月、平成30年1月
  • 仙台:平成29年5月、8月、11月、平成30年3月
  • 長野:平成29年4月、7月、10月、平成30年1月
  • 新潟:平成29年6月、11月
  • 金沢:平成29年4月、6月、8月、10月、12月
  • 名古屋:平成29年4月〜平成30年3月の各月
  • 静岡:平成29年8月、平成30年1月
  • 大阪:平成29年4月、5月、6月、8月、9月、11月、12月、平成30年1月、3月
  • 広島:平成29年5月、8月、11月、平成30年1月
  • 松江:平成29年7月
  • 鳥取:平成29年10月
  • 山口:平成29年11月
  • 岡山:平成30年3月
  • 松山:平成29年5月、11月
  • 高知:平成29年8月
  • 高松:平成29年9月
  • 徳島:平成30年3月
  • 熊本:平成29年6月、10月、平成30年2月
  • 鹿児島:平成29年6月
  • 福岡:平成29年8月、12月
  • 大分:平成29年9月
  • 長崎:平成29年11月
  • 北九州:平成29年7月、平成30年3月
  • 那覇:平成29年5月、8月、11月、平成30年2月

 また、日本無線協会近畿支部では、平成29年7月15日・16日に大阪府池田市で開催の第22回関西アマチュア無線フェスティバルに併せて、7月16日・17日に、大阪府池田市の池田市立カルチャープラザで、第三級および第四級アマチュア無線技士の臨時試験(当日受付即日結果発表)を実施します。

 なお詳細な日程などは、日本無線協会のWebサイトでご確認ください。

▽日本無線協会のWebサイト
http://www.nichimu.or.jp/

(1月30日掲載)


「詳細」


名古屋大学のおもしろ科学教室に9回目の出展参加(東海地方本部)

 1月9日、国立大学法人名古屋大学東山キャンパス(名古屋市千種区不老町)の「IB電子情報館」で、第9回「おもしろ科学教室」が開催されました。この「おもしろ科学教室」は、毎年成人の日に名古屋大学で開催されている、体験型の青少年向け科学啓発イベントです。
 名古屋大学はこれまでに6名のノーベル賞科学者を輩出しています(注1)。「おもしろ科学教室」は、2008年に3名のノーベル賞受賞者が同時に誕生したことを記念して始まったもので、その後も、日本の次世代科学技術を担う青少年の科学啓発のための新年のイベントとして、関連の学会や団体など(注2)が連携して毎年開催され、人気を集めてきました。

 JARL東海地方本部も、「遊びと不思議の中から生まれる科学」という体験型の青少年向け科学啓発イベントの趣旨に賛同して、第1回からブースの出展やイベントの実施に協力してきました。

 今年の基調講演は、「自動運転でクルマをもっと安心・安全なのりものに」と題した、大手自動車部品メーカー「デンソー」で自動車の自動運転の研究をされている松ヶ谷和沖さんによる、特に近年大いに注目を集めている車の自動運転の技術などに関するたいへん興味深いお話しで、来場の子供たちは興味深げに聴き入っていました。
 余談ですが、今回の基調講演の講師の父親である松ヶ谷卓平さんは、JA2TYのコールサインを持つ熱心なアマチュア無線家で、以前JARL三重県支部長を務められた方です。

 余談ですが、今回の基調講演の講師の父親である松ヶ谷卓平さんは、JA2TYのコールサインを持つ熱心なアマチュア無線家で、以前JARL三重県支部長を務められた方です。

【注1】名古屋大学にゆかりのあるノーベル賞受賞者
①野依良治博士(2001年、化学賞)、②小林誠博士(2008年、物理学賞)、③益川敏英博士(2008年、物理学賞)、④下村 脩博士(2008年、化学賞)、⑥赤ア 勇博士(2014年、物理学賞)、⑦天野 浩博士(2014年、物理学賞)
▽ノーベル賞受賞者一覧(名古屋大学のWebサイト)
http://jukensei.jimu.nagoya-u.ac.jp/bigname/index.html


【注2】第9回おもしろ科学教室の参加学会・団体
応用物理学会東海支部、電気学会東海支部、電子情報通信学会 東海支部、日本アマチュア無線連盟東海地方本部、日本赤外線学会、プラズマ・核融合学会、レーザー学会中部支部、情報処理学会東海支部、日本弁理士会東海支部、名古屋大学、豊田工業高等専門学校、総務省東海総合通信局、愛知県電波適正利用推進員協議会、愛知県振興部観光局、豊田合成(株)

■今回もユニークな楽しいイベントがいっぱい!

 「おもしろ科学教室」では、各参加学会や団体などが、それぞれの専門とする科学・技術にちなんだ興味深い体験や実験コーナーのブースを出展し、また工作教室(事前申込み制)などのイベントを実施します。たとえば今年おこなわれた工作教室は、

  1. どこまで飛ぶかな?風船ロケット(応用物理学会の工作教室)
  2. LED電子万華鏡を作ろう!(日本弁理士会の工作教室)
  3. 作って考えよう!自分だけの"魔鏡"(日本赤外線学会・レーザー学会中部支部の工作教室)
で、どの教室でも、たいへん熱心に取り組んでいる子供たちの姿が見られました。

 数あるブースの中でも特にユニークだったのが、豊田工業高等専門学校の学生たちが出展していた小型サッカーロボットの実演展示のブースです。この展示は昨年から始まったものですが、この「おもしろ科学教室」の事務局の取りまとめ役である井吉明先生(現豊田工業高等専門学校長、名古屋大学名誉教授、応用物理学会東海支部)が、名古屋大学から豊田工業高等専門学へ移られたことが出展のきっかけになっているのかも知れません。

 ところで、みなさんはRoboCupという世界的なプロジェクトをご存じでしょうか。RoboCupは、ロボット工学と人工知能の融合・発展のために自律移動ロボットによるサッカーを題材として、日本の研究者らによって提唱されたプロジェクトで、西暦2050年に「サッカーの世界チャンピオンチームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」という夢に向かって研究を推進しているものです。現在では、サッカーだけでなく、大規模災害へのロボットの応用としてレスキュー、次世代の技術の担い手を育てるジュニアなどのリーグが組織されています。豊田工業高等専門学校は、このプロジェクトの中の小型リーグ(SSL)の常連出場校として有名な学校で、国際大会で上位入賞した実績もある強豪校なのです。
 このブースでは、多くの子供たちが、学生たちの指導で、国際大会でも大活躍した精巧な小型サッカーロボットの操作を大いに楽しんでいました。

■東海地方本部のブースやイベントは?

 というように、今年も各学会・団体の特徴が色濃く表れる展示や工作教室がいっぱいですが、JARL東海地方本部では、アマチュア無線に強く関わる団体であるという特徴を生かすため、「身近な遊びの中で気づくモールス通信や電波のおもしろさの体験」をテーマとして、イベントとしては、ゲーム型式で参加してもらえる「電波で鬼ごっこ!キツネを探せ!(FMラジオを使ったFOXハンティング)」と特定小電力無線機を使った「交信体験」を、展示ブースでは「印字機を使ったモールス通信体験」と「公開運用」を実施しました。

 モールス通信体験は「自分の名前をモールス符号に書き換えたメモを見ながら、モールス符号を打ってもらい、印字機にプリントする」という簡単なものですが、今年も多くの子供たちが参加し、モールス符号への変換や縦ぶれ電鍵の打ち方を体験していました。

 また、公開運用を興味深げに眺めたり、アマチュア無線についての説明に、熱心に耳を傾けたりする子供たちも見られました。イベントの方は、30名の子供たちが2組に分かれて、FOXハンティングと交信体験を交代で参加してくれました。

 ブース運営、イベントとも、名古屋大学アマチュア無線研究会(JA2YKA)や中部大学無線部(JA2YEF)、中部大学科学物理実験会(SPE)などからの、多くの大学生メンバーの積極的な協力もあり、賑やかにおこなわれました。

 冬の寒さが少々身にしみる当日ではありましたが、FOXハンティングに参加した子供たちは、FMラジオを手に保護者の方を引き連れて、競技会場の広場を楽しそうに駆け巡っていました。

 競技終了後、参加した子供たちに聴いてみると、子供たちは口々に「楽しかったよ」と語ってくれました。

■青少年お試し入会キャンペーン[拡大版]のPR

 「電波で鬼ごっこ!キツネを探せ!」の表彰式の終了後、記念撮影に移る前に、参加の子供たちと保護者の方々に、アマチュア無線に関する説明とJARLの役割の紹介をして、現在実施中の「青少年お試し入会キャンペーン[拡大版]」のパンフレット(兼入会申込書)を配布しました。今回、東海地方本部のイベントに参加してくださった、多くのご家族や子供たちにご賛同いただき、キャンペーンでJARLにお試し入会していただくことを心より願っています。

 余談ですが、今回のイベント運用を手伝ってくれた、名古屋大学や中部大学の学生メンバーたちの中から「私たちもお試し入会の対象なのですよね。このチャンスに個人入会しちゃおうかな?」という声がちらほら聞こえてきたのは、ある意味たいへんうれしいことです。

■「おもしろ科学教室」の今後

 「おもしろ科学教室」が次回開催の運びとなれば、記念すべき節目の第10回となります。
 開催事務局代表者の井吉明先生(豊田工業高等専門学校長、名古屋大学名誉教授)は、「おもしろ科学教室」の今後の継続的な開催意義について、
『愛知県は、日本のものづくり産業の中心地であり、その地に育つ青少年や保護者の皆様が、科学技術への興味と関心を持ってくれることが大変重要です。このおもしろ科学教室は今年で9年目になりましたが、参加団体も少し出入りはあるものの、ほぼ定着し、毎年、多くのスタッフが協力してくださっています。このおもしろ科学教室を始めた時は、名古屋大学に勤務していましたが、2011年に豊田高専校長として赴任した際、これを続けることができるかどうか、若干、心配でした。しかしながら、電気学会、電子情報通信学会、そしてその後、加わった情報処理学会も含めて、これら学会の幹事の力強い協力や、参加されてきた諸団体のご尽力のおかげで、無事第9回まで続けることができたばかりでなく、サテライトとして豊田高専でもおもしろ科学教室を開催することができました。
 来年度は第10回を迎えますので、これまで同様、諸団体の皆様はもちろん、会場となる名古屋大学のご支援も得ながら、ぜひ、新しいさらなる10年間に向けて、おもしろ科学教室を続け、地域の青少年を始め、保護者の皆様に、科学・工学・理学・新技術への興味と関心を高めていただきたいと思います』
と語ってくださいました。

 また、以前から同じ応用物理学会のメンバーの一人として、井教授とともに、さまざまな科学啓発イベントの開催にも携わり(注3)、名古屋大学の「おもしろ科学教室」においても、その第1回目から運営に携わってきた岡島茂樹先生(中部大学名誉教授)からは、今後の「おもしろ科学教室」について、
『このような学協会連携のイベントは単独では開けない小さい団体(たとえば、私の日本赤外線学会)でも参加できる利点があります。また、今回手伝ってくれた大学生たちにも良い体験の場を提供できたのではないかと思っています。今後、さらに拡がってゆくことを期待しています。青少年の科学技術啓発を目的としたイベントを開催する時に一番大切なのは、実施者が心から科学・技術、考えることや「ものづくり(実験工作)」などが好きで、子供たちと一緒にワクワク楽しむことです。子供たちにはその姿やその心が伝わります。皆が楽しんでいる光景は明るい将来につながります。また、継続も大切で、9回続けて開いてこられたということは皆でやろうという意気込みがあったからで、大変素晴らしいことだと思っています。また、このようなイベント(同じ時期に同じ会場で開催)では、参加してくれる子供たちの中にはリピーターがたくさんいます。この子供たちは今年何があるのだろうとワクワクして参加してきます。そのワクワク感を大切にすることも大切です。したがって、リピーターを考えた工作や展示を展開する必要があり、マンネリ化は大敵です。その点では、今年の参加者は少なくなったのではないかと危惧しています。多くの学会や団体が連携して開催していますので、得意なものはたくさんあるはずです。次回の10回目を節目として、参加団体の拡充、工作・展示テーマの新鮮さも考えて発展してゆければと期待しています』というご意見をいただきました。

 なお、岡島先生には、2005年に日本アマチュア無線連盟が出展した8J2AI愛・地球博特別記念局のブースにおいて実施されたこども向けの工作教室を始めとして、日頃から、JARL東海地方本部の科学啓発活動についてのアドバイスや工作題材のアイデアをいただいています。
 余談ですが、岡島先生もアマチュア無線従事者の資格を持っておられ、子供のころは、初の人工衛星スプートニク(注4)の電波を追いかけた電波少年だったそうです。

 JARL東海地方本部では、このような体験型科学啓発イベントについて、今後もより積極的に協力していきたいと考えています。

【注3】リフレッシュ理科教室事業
 岡島先生や高井先生らは「リフレッシュ理科教室事業による青少年理科教育の普及啓発」(応用物理学会での活動)により、平成19年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において「科学技術賞(理解増進部門)」を受賞されています。
▽リフレッシュ理科教室(応用物理学会東海支部)
http://tokai.jsap.or.jp/science-classroom.html

【注4】1957年10月4日、当時のソビエト連邦が「国際地球観測年」(IGY)の最中に打ち上げられた世界初の人工衛星。20MHzと40MHzの2つの送信機を搭載しており、日本の多くのアマチュア無線家もその信号受信に挑戦していました。

(日本アマチュア無線連盟・東海地方本部)

(1月30日掲載)




2年ぶりに北海道ハムフェアー開催します(北海道地方本部)

 JARL北海道地方本部は、地方本部が開設している「北海道ハムフェアー」の公式サイトを更新し、2017年の秋ごろに開催を計画中の「第5回北海道ハムフェアー」のプレPRを開始しました。
 右の画面写真のように公式サイトには1月19日現在では、日程や会場、ブース募集などの詳細についての公式発表はありませんが、

北海道ハムフェアー2017
2017やります!

と、高々と宣言しています。そして、

2017年、2年ぶりに北海道ハムフェアーを開催します。
詳細が決まり次第、サイトにアップします。

と案内しています。

 正村琢磨北海道地方本部長(JH8HLU)に確認いたしましたところ、「開催日程については9月23日(土)・24日(日)を予定しており、何か特別な事情がない限りこの日程で開催いたします。開催地は札幌市内を予定しています」とのことです。

 今後、掲載になる詳細案内が今から楽しみですね。

▽北海道ハムフェアー公式サイト(北海道地方本部)
http://www.8hamfair.com/

(1月19日掲載)


「詳細」


国際宇宙ステーションの小型衛星放出ミッション(1月16日実施)

 既報の通り2016年12月9日、種子島宇宙センターから打ち上げられたJAXAの宇宙ステーション補給機「こうのとり6号機」(HTV-6)で7機のCubeSatが国際宇宙ステーションに送り込まれました。7機のうち、STARS-C、AOBA-Velox III、ITF-2、WASEDA-SAT3、TuPODはアマチュアバンドの送信機を搭載したアマチュア衛星です。

 年末の12月19日に、日本の宇宙実験棟「きぼう」の小型衛星放出ミッションにおいて、静岡大学のSTARS-Cが宇宙空間に放出され運用を開始しましたが、さる1月16日、残る小型衛星の放出ミッションが実施され、宇宙空間に放出されました(写真は九州工業大学のAOBA-Velox III放出のようす。©NASA/JAXA)。

 今回、「こうのとり6号機」が国際宇宙ステーションに送り込んだすべての小型アマチュア衛星のうち、静岡大学のSTARS-C、九州工業大学のAOBA-Velox III、筑波大学のITF-2の3機については、世界のアマチュア衛星通信愛好者から受信レポートが寄せられているようです。

 興味がある方は、受信に挑戦してみませんか。

  • AOBA-Velox III(3U-CubeSat)
    九州工業大学/南洋理工大学(シンガポール)
    437.375MHz AFSK
  • TuPOD(3U-CubeSat)
     イタリアの小型衛星開発会社GAUSS-srl社によって製作された、3Dプリンターで作られた構体(TuPOD)に1.5UサイズのTubeSat2機(1.5Uサイズの円筒形の衛星)を搭載。ISSから放出後に2機を分離します。
    • Tancred-1(1.5Uサイズの円筒形)
       ブラジル・サンパウロ・ウバトゥバのタンクレード・ネヴィス公立学校の子供たち(ミドル・スクール)が組み立てをおこなった超小型アマチュア衛星
      437.200MHz AX.25
    • OSNSAT(1.5Uサイズの円筒形)
      Open Space Network社(アメリカ)
      437.435MHz GMSK
  • ITF-2(1U-CubeSat)
    筑波大学
    437.525MHz FM、CW
  • STARS-C(2U-CubeSat、2016年12月19日に先行して放出)
    静岡大学
    • 親機:437.245MHz CW/437.405MHz FM
    • 子機:437.255MHz CW/437.425MHz FM
  • WASEDA-SAT3(1U-CubeSat)
    早稲田大学
    437.290MHz AX.25、CW

(1月19日掲載)


「詳細」


関西ハムシンポジウム2017を1月29日、兵庫県尼崎市で開催

 兵庫県支部・大阪府支部の共催、関西地方本部の後援で、1月29日、兵庫県尼崎市の尼崎リサーチインキュベーションセンター(エーリック)にて関西ハムシンポジウム2017が開催されます。

 関西ハムシンポジウムは、関西地方本部が毎年7月に開催している「関西アマチュア無線フェスティバル」のミニ版とも言えるイベントで、毎年1月末ごろエーリックで開催され、地元兵庫県・大阪府はもちろん、各地から多くの来場者が集まる楽しいイベントです。みなさんも、ぜひ出かけてみませんか。

  • 日時 1月29日(日)09:30〜15:00
  • 会場 尼崎リサーチインキュベーションセンター(エーリック)
        兵庫県尼崎市道意町7−1−3
  • 内容(予定)
    1. JARL入会・更新・QSLカード転送受付
    2. ジャンク市
    3. CW講習会
    4. 初心者の衛星通信入門
    5. DXCCフィールドチェック(有料)
    6. メーカーの製品展示
    7. 新春パーティー(会費・ゲスト未定、抽選会予定)
    8. シンポジウム「これからのアマチュア無線」(仮題)
    9. ARRL VE神戸によるFCC試験
    10. 7MHz電圧給電型アンテナの製作講習会(工具持参・有料)
    11. HAMLOGの活用講座
    12. JA3RLの運用 (無線従事者免許証及びJARL会員証をご持参ください)
    13. その他、講演会を計画中

※内容、参加費等の詳細は決定し次第、兵庫県支部、大阪府支部のホームページに紹介されます。

▽兵庫県支部のホームページ
http://www.jarl.com/hyogo/
▽大阪府支部のホームページ
http://jarl.gr.jp/osaka/

(1月6日掲載)




   
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