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ブリザードで切れたスタブと補修した状態
▲ブリザードで切れたスタブ・エレメントと補修した状態

 コンテスト & ブリザード

 昭和基地のある南緯69度にも、7/14からやっと太陽が顔を見せ始め、自然光の有り難みを実感しております。
 7/12〜13はIARU HF Championshipコンテストに参加する予定にしておりましたが、コンテスト初日に基地内の業務用通信施設に不具合が出てしまい、8J1RLの主要メンバーである通信担当隊員がこれの復旧に当たっていたため、ほとんど参加することができませんでした。
 また、最後の一時間ほどはコンテストに充てることができましたが、JA方面のコンディションが芳しくなく北米方面の数局とナンバー交換をしたにとどまりました。今回のコンテストは、44次隊としては始めてのコンテスト参加であったため残念な結果でしたが、また参加する機会もあるかと考えています。

 さて、南極の自然界は我々に一瞬息が止まるような素晴らしい姿を見せてくれますが、同時に脅威であることは言うまでもありません。特に冬の期間中に幾度と無く基地を襲う50m/s近い風を伴うブリザードは、基地内の各種施設に被害をもたらすことが多々あります。被害は観測用にとどまらず、アマチュア無線用のアンテナも同様に被害を受けることは以前レポートしたとおりです。
 そんな折り、数回目のブリザードが通り過ぎた後、WARCバンドで電波を出そうとしたところ異常にSWRが高いことに気がつき、双眼鏡でアンテナを観察したところ案の定スタブ・エレメントがはずれてしまっていました。
 昭和基地周辺は常に強い風が吹き荒れているのですが、数日に一度は風が弱まる時があり、そんなチャンスを見計らってアンテナ点検のためマストに上ってみました。点検の結果、ブームや各エレメントなどアンテナ本体には損傷がありませんでしたが、U字型をしている調整用スタブ・エレメントの片方が風でちぎれてしまい(写真:上部)、U字部分をブームに固定しているボルトも折れ、改めてブリザードの猛威を感じました。
 昭和基地への物資は今年の12月まで何も届きませんので、自分たちで修理するしかありません。そこで
(写真:下部)のようにスタブのアルミと同サイズの圧着端子を取付け、再び正常に使用することができるようになりました。
【7月15日昭和基地発】

(第44次南極地域観測隊 芝崎)

Tnx 国立極地研究所