■5月4日(日)
この日はコンディションが悪く、日本の局はほとんど聞こえない状況でした。それでもスケジュールの時間いっぱいCQを出しましたが、結局一局も交信できませんでした。
■5月5日(月・こどもの日)
この日は特別運用の最終日ということと、最初の二日間満足できる局数と交信してないため、担当者は事前にNHKラジオジャパンの21MHzでの放送の入感具合を確かめるため、まずは通信室にいきました。するとこの日は朝から日本の電波が強力に届いているということで、スケジュール時間にはまだ時間がありましたが、午前10時(日本時間だと16時)過ぎに8J1RLのシャックに入りました。
早速21MHzをワッチすると、JAの局がQSBを伴いながらも強力に入感し始めています。そこで、最初にRTTYでサービスすることにし21.074MHzにてCQを出す。ポチポチと呼ばれるが業務局らしき局からの混信がひどいため、いったんQRTし24MHzをワッチ。しかし、24MHzは思ったほどオープンしていないらしく、再び21.081MHzのRTTYにてCQを出す。
この周波数は混信が少ないため、次々とJA局から呼ばれ結局12時(日本時間18時)までRTTYにて交信を続けました。まだまだたくさんの局がRTTYで呼んでいたのですが、小中高生との交信時間になったため、やむなくSSBの周波数帯へQSY。
事前にお知らせしたあった21.205MHzは既に他の局が使用中であったため、21.201MHzにて交信を開始。最初は一般局も含めて交信をしていましたが、コンディションが上昇してきたため小中高生やQRP,YL局を指定。すると次々に小学生やYL局が呼んできてくれ、隊員一同非常に感激しました。
その後、15時(日本時間21時)まで、一般局と小中高生局などを交互に指定しながら交信を続け、たくさんの小学生や中学生が呼んできてくれました。また、QRP局の指定枠をかなり長時間とりましたが、思った以上にQRPがたくさんいるのには驚くとともに、中には0.5Wでコールしてくれた局もあり、コンディションさえ良ければQRPでも14,000kmのかなたまで電波が飛んでくることを改めて実感しました。
スケジュール時間の後は、一般局との交信を再開し21MHz-SSBでの運用を16時(日本時間22時)まで行い、その後14MHz-RTTYにて交信を重ね18時(日本時間24時)に、この日の交信を終了しました。
三日間の局数はDX局も含めて288局と、局数的には大した数字ではありませんでしたが、当初の目的とした小中高生に夢を与え南極観測や自然科学に興味を持ってもらうと共に、なかなか南極との交信ができないQRP局とYL局にサービスができたことには、一定の成果があったと言えます。
今回の特別運用で南極との交信を逃してしまった局もたくさんいるかと思いますが、私たち44次観測隊はまだ九ヶ月間越冬が残っておりますので、このような機会をまた作ってみたいと思っています。今回交信できなかった局も次回にチャレンジしてみてください。
最後に、小中高生局やQRP,YL局のために、たくさんの一般局の皆様には周波数をクリヤーにして頂くなどのご協力を頂き、本当にありがとうございました。【5月8日昭和基地発】 |