February 2010 NEWS TOPICS INFORMATION


NICTが宇宙天気情報「週刊宇宙天気ニュース」の配信を開始

 NICT(情報通信研究開発機構)は、SWC宇宙天気情報センターのWebサイトでインターネットを活用した一般向けの宇宙天気情報「週刊宇宙天気ニュース」の配信を2010年2月5日から開始したと発表しています。

 「週刊宇宙天気ニュース」は宇宙天気情報をFLV形式やWMV形式の動画で提供するもので、NICT宇宙天気予報のWebサイトの情報を補完するものとして、世界各地の観測データを基に、情報通信研究機構での観測等も 加味して、この1週間の太陽活動、地磁気活動、電離圏の情報と今後1週間の状況について、毎週金曜日の夕方に予報の最新版を報じる興味深い番組です。

 NICTでは「この週刊宇宙天気ニュースは宇宙天気情報をわかりやすく提供するための新たな形態として試験的に実施(20回実施の予定)するもので、ニュース内での説明や画像などに関して随時変更する場合がある」としています。

 興味のある方はぜひご覧になってみてください。

(2月22日)


「詳細」


「関西ハムシンポジウム2010 in 尼崎」今年も盛大に開催される

 JARL兵庫県支部・大阪府支部の合同開催「関西ハムシンポジウム2010 in 尼崎」が、さる1月31日(日)兵庫県尼崎市のリサーチインキュベーションセンター(ARIC)で今年も盛大に開催されました。このイベントは新春を祝うイベントとして今年で6年目です。今年はのべ500名(主催者発表)もの大勢の来場者で大いに賑わいました。

 当日はあいにくの雨という悪天候にも関わらず、早朝から多くの来場者が会場に詰めかけオープン直後の展示・ジャンク市会場にはお目当てのお宝品を探す人で身動きが取りにくいほどの混雑ぶりでした。
 また会場にはJARLコーナとしてQSLカード転送受付もおこなわれダンボール5箱分ほどの山ができていました。
 出展ブースは今年も関西だけでなく遠方から出展応募があり、普段なかなか現物を見ることができない移動用アンテナの展示販売やアマチュア無線関連のジャンク販売などさまざまなブースが出展されていました。
 新春のイベントと言うこともあり新年を祝う仲間との挨拶があちらこちらで見られました。

 「展示・ジャンク販売」のジャンク市会場だけでなくスクール形式でおこなわれる「各種講演・講座」も人気で、午前の部・午後の部とも熱心な参加者でいっぱいでした。
 特に午前中に開催された「お手軽RIGコントロール」の講座は、携帯電話用のUSB接続ケーブルを改造し無線機をパソコンでコントロールできる講座で、午後からの「HAMLOG実践講座」とあわせて立ち見ができるほどの人気の講座となりました。

 JARL補助局のJA3YRLの公開運用もおこなわれ(写真右)、屋外では移動用アンテナの実演や軽量インバータ発電機の各社の比較など今後移動運用の参考になるイベントとなりました。
 お昼には立食形式の「新春パーティーや」豪華ハンディー機が当たる恒例のお楽しみ抽選会がおこなわれるなど、終日賑わいをみせるイベントとなりました。

 なお「関西ハムシンポジウム」は恒例新春のイベントとして、来年以降も開催される予定です。

(レポート:JL3JRY屋田純喜さん)

(2月15日)




盛岡市子ども科学館に設置した8J7Aでのスクールコンタクト成功

 2010年1月28日15:50〜15:59(JST)において、岩手県盛岡市盛岡市子ども科学館で、野口聡一宇宙飛行士による2度目の、ARISSスクールコンタクトが成功しました。
 このスクールコンタクトは、東北地方では3例目(国内で40例目)となります。とりまとめをおこなったJE7RJZ 野田尚紀さんから、レポートをいただきましたのでご紹介しましょう。

☆     ☆

 アマチュア無線盛岡クラブでは、創立60周年の記念事業の一環として、次代を担う子供たちに科学技術への興味を持たせるきっかけを作ろうと、2008年10月に参加を申請しました。当初は日本人初のISS滞在となる若田光一宇宙飛行士との日本語による交信を希望しての申込みでしたが、私たちへ交信の順番が回る前に若田さんは帰還しました。

 野口宇宙飛行士との交信の承認をいただいたのは2009年12月29日でした。それまで準備していた機材もありましたが、ここからが怒涛の準備となりました。

 年明け早々に公文書を整え、東北総合通信局へ臨時局を申請したところ、実質1日というスピード発行で、ARISSの頭文字を付した8J7Aのコールが発給されました。総通のご理解と配慮に感激。1月7日のことです。

 野口宇宙飛行士との交信でマイクを握るのは、ボーイスカウト盛岡5団に所属する小・中・高校生11名です。この11名のうち、アマチュア無線の資格を持つ高校生ら5名のほかは従免を持たない6名です。ボーイスカウト盛岡5団では、日ごろの活動でもアマチュア無線を活用していますが、冬休み返上で交信の予行練習を重ねました。

 1月16日朝、ARISS安田委員から交信日時が1月28日に決まったとの連絡が入り、その日の夜に開かれたクラブの新年会で具体的な計画がメンバーに公表されました。この時期の盛岡は厳寒期です。翌17日には、臨時局を置かせていただく盛岡市子ども科学館の屋上で、まず雪かきをおこない、仮設アンテナの工事を一気におこないました(写真右)。報道機関に対しては、18日にプレスリリースを流し、22日に記者会見を開いて、スクールコンタクト成功への理解と協力、そして取材報道をお願いしました。
 22日の夜には、野口宇宙飛行士にとって初めてのスクールコンタクトが八戸の湊中学校の生徒とおこなわれるということで、記者会見後その足で、八戸の交信会場へ見学にお邪魔しました。盛岡から八戸までは新幹線で30分ほどの距離です。会場では、鮮明な野口さんの声に感動してそのようすをビデオに収め盛岡に帰りました。

 翌23日、八戸で撮影したビデオを見ながら、ボーイスカウトの子供たちと最初で最後の交信練習会をおこない、私たちの成功を祈りました。

 そして迎えた28日。当初予定より5分ほど遅れて15:54に、野口宇宙飛行士から「盛岡の皆さん聞こえますか」との声が会場に響き渡りました。NA1SSと8J7Aとの交信成功の瞬間です。この後11人の子供たちの質問に対し、野口宇宙飛行士から10問の答えが返ってきました。なかには誕生日を迎えたばかりの子供に対して「お誕生日おめでとう!」と声を掛けられるというサプライズもあり、およそ100名の見学者が詰め掛けた会場は大いに沸きました。宇宙にいる野口さんとの交信の成功は、子供も大人も感動を共有することができ、生涯忘れられない1日となったことは言うまでもありません。

 これほど短期間で準備ができたのは、コーディネートに奔走いただいたARISS安田委員をはじめ、東北総合通信局など関係機関のご理解とご協力あってのことです。スクールコンタクトへの参加の機会を得させていただき、本当にありがとうございました。

(レポート:アマチュア無線盛岡クラブ会長 JE7RJZ 野田尚紀さん)

(2月2日)
(2月9日)写真掲載




アマチュア衛星「ふじ3号」、スペースデブリとの接触・衝突を無事回避

 2月2日19:01(UTC)ごろ、スペースデブリとの接触・衝突が懸念されていた「ふじ3号」ですが、接触・衝突を無事回避できたことが確認されました。

 JARL衛星管制局には、多くのアマチュア衛星通信愛好者の方々からレポートが寄せられており、またJA0CAW佐藤さんからは、ドイツのDK3WNマイク氏による、ニアミス時刻直後の次のような貴重なレポートもお送りいただきました。

Dear Tetsu san,

heard the beacon of FO-29 loud and clear at 19:03 UTC.
Everything seems fine …

(訳:19:03UTCに、強力かつ明瞭にふじ3号のビーコンが聞こえたよ。
よかったね)

HI HI 20 02 88 D5 00 84 00 00 09 60 01 01 01 82 87 87 92 7F 96 90 92 97 95

HI HI 20 02 88 D5 00 84 00 00 09 60 01 01 01 81 86 86 91 60 96 90 92 97 95

Dewa, Mike
DK3WN

 受信確認にご協力いただきました皆様に御礼いたします。

 なお、現在「ふじ3号」は日陰率の高い期間を脱し、電力収支の改善が見られたおかげか、アナログ中継器の連続運用の状態で動作しています。ご利用に当たっては、適正な電力でのアップリンクをお願いいたします。

【ふじ3号運用情報】
http://www.jarl.or.jp/Japanese/3_Fuji/new/information.htm

(2月2日)



アマチュア衛星「ふじ3号」、スペースデブリとのニアミスの恐れ

 JARL技術課あてに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)統合追跡ネットワーク技術部から、JARLのアマチュア衛星「ふじ3号」とスペースデブリとの接触・衝突の可能性に関する次のようなメールが届きました。

 「アメリカのJoint Space Operations Center(JSpOC)より、人工衛星ふじ3号に対して、デブリが接近しているとの連絡を受けましたので、ご連絡いたします。最接近日時は、2月1日 19:01(UTC)となっています。また、接近物体については明らかにされていません」とのことで、JSpOCから送られて来た連絡の内容は次の通りです。

●Current Results as of 29 Jan 2240Z

Primary
Object
Secondary
Object
TCA Predicted Distances Primary
Radial Error
(U)
Secondary
Radial Error
(U)
OverallRadial (dU)In-Track (dV)Cross-Track (dW)
24278 JAS 2 KNOWN OBJECT 032 (01 FEB) 19:01Z 733m 8m 570m -463m 5m 87m

 日本のアマチュア衛星のスペースデブリとのニアミスは、 つい先頃2010年1月7日08:02:30(UTC、日本時間では同日17:02:30)に、日本大学のSEEDSが経験したばかりです。

 今回の「ふじ3号」と未確認物体とのニアミスについても、接触・衝突の可能性は低いと予想されますが、JSpOCの計算による最接近場所は、北極圏で北欧やロシアが衛星可視範囲です。最接近時刻から2〜3分後にはヨーロッパのほぼ全土、英国が可視範囲になります。接近後の日本での可視時刻は、20:23(UTC)から20:38です(日本時間の2月2日5:23から5:38、オービット#66481)。

 このニアミスに際して、アマチュア衛星通信愛好者の皆様には「ふじ3号」の生存確認のため、このパスでの「ふじ3号」の受信にご協力をいただきますようお願いいたします。

(2月1日)


   
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