■ARISSスクールコンタクト、神戸市立平野小学校を会場に2度目の成功
2011年12月12日、兵庫県神戸市立平野小学校で、神戸市西区青少年育成協議会平野支部のARISSスクールコンタクトが実施され、同校を卒業した中学生と同校児童16人が、国際宇宙ステーションに長期滞在中のダニエル C. バーバンク宇宙飛行士(KC5ZSX)との交信に成功しました。
神戸市立平野小学校は、過去2003年2月18日にARISSスクールコンタクトを実施しています(国内3例目)。
ARISSスクールコンタクトでは「同一の実施団体等による複数回の申込」は原則としてできないルールがありますが、今回は実施主体となった団体が異なることから、ARISSの承認を受けてスケジュールが組まれたものです。
これまで同一の実施場所での、異なる実施団体のスクールコンタクトは、2001年11月23日に実施の「埼玉県入間市児童センター無線クラブ」(国内第1例目)と2008年11月15日実施の「ニューカマークラブ in 埼玉」(国内第29例目)のケースがあり、ともに「埼玉県入間市立児童センター」において実施されています。
今回のスクールコンタクトの実施について中心となって準備に当たったJG3QZN田中一吉さんに、準備から実施に至るまでの詳細なレポートをお送りいただきましたので、ご紹介いたします。
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今回のARISSスクールコンタクトは、神戸市西区青少年育成協議会平野支部でおこなわれ、交信としては国内では59例目、神戸では2003年2月神戸市立平野小学校、2009年3月同市立桂木小学校、そして2011年9月の神戸市立青少年科学館での実施についで4回目となりました。
神戸市青少年育成協議会(市青少協)は、市民と行政機関が協働して、次代を担う青少年が夢と希望を持って自立と自己実現を図るとともに社会への貢献を果たすよう、青少年の育成および青少年を取り巻く環境の整備を進めていくことを目的として活動をおこなっています。
私の所属する西区青少協平野支部では、ARISSスクールコンタクト実施に向けて、2年前にNASA(米国航空宇宙局)に申請し、やっと実現となりました。
申請当時小学校6年生だった子どもたちも、中学生となり、質問希望者15人のうち13名が手を挙げてくれました。質問は小6の時に考えた30問をそのまま宇宙飛行士に尋ねることになり、残りの質問は、現在の小学6年生3名が受け持つこととなりました。
2011年12月12日20:18JST、交信予定時間通りにアメリカ人宇宙飛行士のダニエルC.バーバンク氏がコールしてきました。雑音はあるものの、しっかりと彼の声は入感してきました。すぐさま応答したのですが、彼は何度もこちらのコールサイン呼び続けていました。
しばらくするとバックアップ周波数にQSYというメッセージ。あわててQSYし再度NA1SSをコールしました。しかしダニエルは、そちらは混信がひどいため、元の周波数に戻るよう求めてきました。今回の軌道は、東南アジア方面から朝鮮半島上空を通り北東に沈んでいくというもので、ある程度の混信が予想され、交信開始が遅れることは覚悟しておりましたが、結果的に2分ものロスがあるとは、想像もしていませんでした。
ようやく正常に交信できるようになり、子どもたちの質問が始まりました。「宇宙でヨーヨーは、できますか?」との問いかけに、「やったことはないですが、たぶんできると思います。いちど試してみます」と答えてくれました。
今回の軌道は38度と比較的低かったため、国際宇宙ステーションからの信号は、終始安定していて16人全員、合計20問の質問ができました。
交信前には緊張していた子どもたちも、交信終了後は笑顔に変わり、会場は和やかな雰囲気に包まれました。中には感動して涙を流していた子も。
宇宙から自分たちの名前を呼ばれた子どもたちはとても感動し、新聞記者のインタビューには「名前を呼ばれたことは、一生の宝物にしたい」と話していました。
今回のARISSスクールコンタクト成功に際し、総務省近畿総合通信局をはじめ関係各位、またJARL組織ではない全くの任意団体である関西ARISSプロジェクトチームのメンバーに、この場をお借りして心からお礼を申しあげます。
ありがとうございました。
(レポート:JG3QZN田中一吉さん)
(12月20日)
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