March 2015 NEWS TOPICS INFORMATION


情報通信研究機構(NICT)の法人名称の変更

 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)の発表によると、独立行政法人通則法などの改正に伴い、平成27年4月1日から「国立研究開発法人情報通信研究機構」に変わります。

(3月24日)


「詳細」



第14回西日本ハムフェア盛大に開催される

 平成27年3月8日、福岡県京都郡苅田町の日産自動車九州(株)体育館およびゲストホールに、昨年の約1,500名を大きく上回る約1,750名の来場者を集めて、第14回西日本ハムフェアが盛大に開催されました。西日本ハムフェアのこの会場での開催は今年が2回目となり、ピーカンの初春の青空の下での開催でした。

 近年の西日本ハムフェアには、九州地方はもちろん近隣エリア等のからの来場者や出展者も多数迎えています。遠いところでは、北海道からも来場者を迎えています。たとえば北海道から来場されたのは「北海道ハムフェア実行委員会」のメンバーの方々です。50ページの記事のとおり、北海道地方本部は9月に、約24年ぶりに「第4回北海道ハムフェア」を開催しますが、この企画・運営に関する視察のために、正村琢磨北海道地方本部長(JH8HLU)ほかのメンバーが来場されています。

 出展者についても、西日本ハムフェア事務局のJE6ONQ井上 滋さんによれば、今年は7・8・φエリアを除く、各エリアからの出展者を迎えていたそうです。

▲テープカット(左)とその直後の入場行列のようす

 さて、例年よりも早めた開会時刻である09:00前にはすでに、多数の来場者が会場前に集まり、09:00のテープカットを待ちました。テープカットの直後、例年のように、あっという間に会場内は人混みで埋まりました。1,000台以上収容可能な駐車場には、10:00の時点ですでに500台を超えると思われる台数の駐車が確認できました。


>▲会場後10:30ごろの会場のようす。この賑わいがお昼前まで続いた

>▲10:00ごろの駐車場。1列に50台近く並んだ車の列が10列近く見られた

 また、西日本ハムフェア事務局の発表によると、10:30の時点で約800部をゆうに超えるペースで、ガイドブックの配布が進んでいたそうです。

 そして時間を経るごとに、人混みは増え続け10:30過ぎごろにピークの時間帯に入ったようです。
 来場者の入れ替わりはありましたが、この時間帯からしばらくの間は常に会場内は超満員の状態となりました。このようすはお昼前まで続き、非常に身動きが取りにくいほどの盛況ぶりでした。


>▲青木小夜子さん(右)と渡部まいこさん(左)のミニコンサートのようす

>▲パネルディスカッション「理事と語ろう」をはじめとした、講演会もおこなわれた

 さて当日のイベントですが、メイン会場となる体育館(ムーン・ジム)にはアマチュア無線関連機器メーカーの展示ブースやハムショップによる販売ブース、クラブや個人によるブースが数多く出展され、たいへん来場者は熱心にブースを散策していました。
 メイン会場ではさらに、子供たち向けのラジオ製作教室、特別記念局8J6HAMの運用もおこなわれるほか、アマチュア無線家であり歌手の、青木小夜子さん(JJ3WWS)、渡部まいこさん(JJφSDQ)によるミニコンサートや茨城のコミュニティーFM放送局「FMぱるるん」の番組収録もおこなわれました。

 一方、会場の日産自動車九州で生産されている最新の乗用車が展示されたゲストホールでは、「理事と語ろう」と題するパネルディスカッション(JA7AIW・山之内俊彦会長、JG1KTC尾義則副会長、JA9BOH前川公男副会長、JA6BXA河喜多 勝九州地方本部長、JH8HLU正村琢磨北海道地方本部長が参加)や、「医療活動とアマチュア無線」(JA6EV香月 武氏)、「無線機の魅力」(アイコム(株))、「新世代のアマチュア無線の楽しみ方」(八重洲無線(株))と題する講演がおこなわれたほか、FCC試験も実施されました。


>▲ラジオ製作教室のようす

>▲会場内で記念局8J6HAMの運用もおこなわれた

 なお、西日本ハムフェア事務局の井上さんは、「第14回西日本ハムフェアに、1,750名もの方々に、ご出展・ご来場・ご協力をいただき厚くお礼を申し上げます。準備は、昨年の第13回の時の教訓を踏まえて準備を進めました。昨年ご迷惑をおかけした、電源の供給不足は、発電機を8台準備して対応に当たりました。来場者に配布のガイドブックの数量不足も、昨年の教訓でしたが昨年より十分多めに準備していたガイドブックが、入場者数1,750名に達したこともあって、今年も不足してしまいました。今年も反省することが山のようにありますが、この反省を踏まえて来年の第15回を目指してスタートします。来年も西日本ハムフェアの会場でお会いしましょう」と語っています。




【西日本ハムフェア前夜祭】

 西日本ハムフェアの前日の3月7日(土)、福岡県行橋市の京都ホテルで、西日本ハムフェア前夜祭(懇親会)が開催されました。
 前夜祭には九州地方をはじめ、各地から参加申し込みがあり、当日は90名の方々が出席し、西日本ハムフェアの大成功を祈念しつつ歓談をおこないました。
 西日本ハムフェアに初参加の、歌手でアマチュア無線家の青木小夜子さん(JJ3WWS)と渡部まいこさん(JJ0SDQ)のミニステージもおこなわれました。

(3月10日)


「詳細」



第56回科学技術週間
(4月13日〜19日)

 4月18日は「発明の日」です。「発明の日」は専売特許条例(現在の特許法)が、明治18年4月18日に公布されたことを記念して制定されたもので「発明の日」を含む1週間が、昭和35年2月26日の閣議了解により「科学技術週間」と制定されてから、平成27年度開催で56回目を迎えます。

 科学技術週間には、文部科学省の呼びかけにより、全国各地の科学館、博物館、大学、試験研究所などで、講演会、展覧会、映画会、座談会、施設公開など科学技術に関する各種の催事の実施が予定されています。

 今年の科学技術週間(第56回)は4月13日〜19日に、「知りたいが ぼくを変える 世界を変える」を標語として実施され、各地の科学技術団体や研究施設などにより、さまざまな催事が実施される予定です。行事や催事等をチェックして、楽しそうな催事を見つけて出かけてみませんか。

▽科学技術週間のWebサイト
http://stw.mext.go.jp/

(3月10日)


「詳細」



静岡県西部ハムの祭典、2月15日、静岡県浜松市で開催される

 2015年2月15日(日)に平成26年度、静岡県西部ハムの祭典を開催しました。このイベントは毎年2月に静岡県西部、浜松市南区の卸商センター「アルラ」にて開催され、多くの方にご来場いただいています。
 今年は天候にも恵まれ、この時期らしい空のようすと、この地域らしい風(−遠州のからっ風−)が吹く中、開催されました。

 開会式典では、静岡県支部長の栗田様(JA2OBV、右の写真)、総務省東海総合通信局 無線通信部企画調整課課長の千田様、JARL理事の種村様(JG2GFX)、JARL東海地方本部長木村様(JA2HDE)にご挨拶をいただきました。

 会場内では、地元クラブ、無線機メーカ、販売店の出店のほか、総務省東海総合通信局のブースがあり、電波行政に関する広報活動をしていただきました (下の2枚の写真)。



 地元クラブの展示では、無線関連部品や古書販売などのほか、日々の活動実績の展示、CW体験コーナーなど、特徴ある展示をおこなっていました。
 また、防災に関する展示などもおこなわれ、東海地震に備えた活動も目を引きました(下の2枚の写真)。



 無線機メーカーの展示では、最新機器の展示がおこなわれ、来場者の質問などに 熱心に答えていました。アンテナメーカーにおいては、展示即売会をおこない 多くの方が、目的の商品を手にしていました。
 また、地元の販売店も新品無線機はもとより、厳選中古品も多数取りそろえ、 来場者の要求に応えた価格で提供していただきました。



 一般参加のフリーマーケットでは、お宝の逸品を手にすべく、開場から多くの方が集まりました(下の2枚の写真)。



 ハムの祭典をPRするため、JA2RLの公開運用もおこないました。このイベントでJA2RLを運用するのは今年で連続6回目です。
 毎年開催の2週間前から事前PR運用をおこない、当日は会場でも運用しました。今年は小学生ハムの運用もありたくさんQSOをしていました(下の3枚の写真)。




 午後はJARL静岡県支部主催「支部と語る」を実施しました。 JARLの活動内容の説明のほか、JARLへの要望、支部活動への質問、要望など、座談会形式でお話をいただきました。
 JARLからは種村理事、木村東海地方本部長、栗田支部長、鈴木JARL社員(JI2WKX)、古田JARL社員(JA2GZZ)に参加していただきました。

 イベントの最後は、皆さんお待ちかねの大抽選会になります。今年も豪華景品を用意しての開催となりました。
 毎年、出展のクラブ、販売店などからも景品の提供があり、非常に充実した内容となっています。
 ただ、参加者が非常に多いため、全員に行き渡らないのが残念です(下の3枚の写真)。




 毎年多くの方にご来場いただいておりますこのイベント、今年は過去最大の人出となり、650名を超える方にご来場いただきました。
 スタート直後の大混雑にはご迷惑をお掛けした部分も多々あったと思いますが、来場者の皆様のご協力も有って、無事開催する事が出来ました。
 また来年も同じ場所、同じ時期に開催を予定しています。来年も多くの方のご来場を心よりお待ちしております。

(3月4日)





NHK『マサカメTV』のスクールコンタクトの舞台裏

 NHK総合テレビが毎週土曜日の18:10〜18:42に放送している、『マサカメTV』は、さまざまなテーマに関する情報を単純に解説するだけでなく、ちょっと違った視点からとらえて注目してみようという、小・中学生やその親等をおもな視聴ターゲットとして放送されている情報バラエティー番組です。番組名の『マサカメ』は『まさか!の目のつけどころ』という意味合いです。

 アマチュア無線家の皆さんの中には、すでにご存じの方も多いと思いますが、この『マサカメTV』の平成27年2月28日のテーマは「宇宙」で、実質的なメインテーマの一つとなったのは1月24日に同番組の企画で実施された「ARISSスクールコンタクト」でした。

■「宇宙をもっと身近な視点で取り上げたい」
国際宇宙ステーションとのおしゃべり……という発想

 『マサカメTV』では「宇宙」という壮大なテーマを「もっと身近に感じられる視点で取り上げられないものか?」と考えたそうで、そのターゲットに上がったのが「国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士と、身近な方法でおしゃべりできないか」という企画です。

 これぞ『マサカメ流企画術』(!?)と言ったところですが、この発想はある意味「アマチュア無線を使った国際宇宙ステーションとの交信」にもなぞらえることができます。


▲地上23階建てNHK放送センター屋上から見た、新宿副都心の高層ビル街

▲各種のマイクロ中継回線アンテナをバックに今回設営されたクロス八木アンテナ

 平成26年12月の某日、JARL事務局に『マサカメTV』の企画スタッフが訪れ、国際宇宙ステーションとの交信に関する質問を多数受けました。
 番組スタッフによれば、JARL事務局に訪れる前に、NHK解説委員室解説主幹の柳澤秀夫さん(右の写真後左)に、今回の企画に関するアドバイスを受けて訪れたとのことでした。ちなみに、NHK総合テレビの朝の情報番組『あさイチ』のメインキャスターの一人として、お茶の間でも人気の柳澤さんは、実はJA7JJNのコールサインを持つたいへん熱心なアマチュア無線家としても有名です。

 さて、このときスタッフの方々に、具体的な内容をご説明させていただいたのがARISSスクールコンタクトでした。番組スタッフの方々は、このスクールコンタクトにたいへん大きな興味を抱かれて、JARL事務局を後にされたようです。

 『マサカメTV』のスタッフにはこのとき、この分野の第一人者であるARISS運用委員の安田 聖さん(7M3TJZ、右の写真手前左)をご紹介しました。スタッフはさっそく安田さんに、今回の番組企画に関する相談をされたといいます。
 そして、安田さんや柳澤さんのアドバイスを受けながら、スクールコンタクトそのものを重要な核とした情報バラエティー番組企画の準備は、「スクールコンタクトの番組内での実施」の方向でどんどん具体的に、とんとん拍子に進んでいったそうです。

 平成27年の年始早々にはNASAにより、具体的な実施日時は未確定ながら、『NHK “Masakame” event』のスケジュールが組まれ、その後、実施日が1月24日の深夜に確定しました。

 そして『マサカメTV』が選択した交信会場は、ナント!東京都渋谷区のNHK放送センター(地上23階)の屋上(地上高約100m)。交信用に設置したクロス八木アンテナの直近での屋外運用でした。
 これまで国内で実施のスクールコンタクトが、屋外で実施されたケースは少なく、49例目の昭島市立つつじが丘南小学校(2011年1月12日、同校校庭)65例目の和歌山大学宇宙教育研究所(2012年8月26日、同大学電波観測通信施設内)以来です。

 放送センター屋上で実施の発想の原点は「あわよくば当日コンタクトの実施中に、上空を周回する国際宇宙ステーションの光跡を撮影できるかもしれない!」というものだったそうです。

▲交信収録中のようす。ご覧のとおり、国際宇宙ステーションを追尾するクロス八木アンテナ直下での運用だった

 交信用クロス八木アンテナや設備の設営は交信当日の午後から、安田さんや柳澤さんほか、番組スタッフ等の手で開始されましたが、放送センターにそびえ立つ各種中継回線用アンテナをバックにクロス八木アンテナが設営されるようすは圧巻でした。

 1月24日の当日、交信をおこなう局は「JK1ZRW(狭山パケット通信クラブ)」で、安田さんが代表者となっている社団局です。交信をおこなうのはあらかじめ同クラブに構成員登録を済ませた「柳澤さん」と「アマチュア無線の資格を持った茗溪学園高等学校・中学校科学部無線工学班の中・高校生たち」です。茗溪学園の中・高校生たちは、深夜の実施にもかかわらず、顧問の中村泰輔先生(JI1RGZ)の引率で、今回の交信に参加してくれました。

 この日のビデオ収録は、この回のレポーターを務めるお笑いコンビ「なすなかにし」の那須晃行さん・中西茂樹さん(松竹芸能(株)所属)の2名を、柳澤さんが交信現場の屋上に引率し、国際宇宙ステーションに長期滞在中のサマンサ・クリストフォレッティ宇宙飛行士(ESA、イタリア人)との交信のようすを実演して、交信終了後に柳澤さんが種明かしとしてアマチュア無線の解説をするというスタイルでおこなわれました。

 スケジュールの定刻の23:17前から、柳澤さんが宇宙ステーションアマチュア局NA1SSのコールを開始しました(写真右)。呼出開始後の約3分間はNA1SSからのコールバックが得られず、一抹の不安がよぎりました。
 これは後日談ですが、安田さんによれば、最初の3分間交信が成立しなかったのは、国際宇宙ステーションが上がってくる方向にちょうど富士山が位置し、この富士山にブロックされた格好になっていたのだそうです。

 しかしその後、無事サマンサ宇宙飛行士との交信に成功。柳澤さんや中・高校生たちの質問に回答をもらうことができ、この交信のようすを番組の核の一つとして制作された、2月28日の『マサカメTV「宇宙」』が放送の運びとなったのです。

▲交信終了後、柳澤さんから今回の国際宇宙ステーションとの交信や、アマチュア無線の説明を受ける参加メンバー(写真左)。写真右は、柳澤さんの説明に大感動の番組レポーターの中西茂樹さんと那須晃行さん。

★         ★

 なおNHK『マサカメTV』のスクールコンタクトは、国内では79例目です。
 また結果として、2月28日の番組放送時にはすべての番組視聴者が観客になってはいるのですが、「交信当日には、交信を見守る一般観客が一人も現場にいなかった」という、非常に珍しい実施ケースとなりました。
 ちなみに、ちょっと状況は異なりますが、これまで「交信当日に関係者以外の一般観客がいなかったケース」は、東京電機大学中学校・高等学校無線部(JA1YQZ)が、無線部の日々の部活動の一つとして2009年9月12日に実施した、36例目のスクールコンタクトがあります。

 そして、「ARISSスクールコンタクトの実施がニュース放送されたケース」はこれまでも数多くありますが、「ARISSスクールコンタクトを核として、アマチュア無線の楽しさを紹介する番組が制作されて、全国放送となったケース」はこれまで一度もなく極めて珍しいケースで、私たちアマチュア無線家にとって、たいへん喜ばしい出来事と言えるでしょう。

(3月1日)




   
| 2014年のNEWS |