■【東海地方本部】名古屋大学の青少年向け科学啓発イベント
「おもしろ科学教室」に3年連続のイベント協力
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▲今回の東海地方本部のイベントも、FMラジオを使ったFOXハンティングと電波教室 |
国立大学法人名古屋大学東山キャンパス(名古屋市千種区不老町)内IB
電子情報館で、平成23年1月10日(月・祝)、第3回「おもしろ科学教室」
が開催されました。
このイベントは、青少年の科学への興味を引き出すことを目標とした各種
学会等(応用物理学会東海支部、電気学会東海支部、電子情報通信学会東海
支部、日本アマチュア無線連盟東海地方本部、日本赤外線学会、プラズマ・核融合学会、日本弁理士会東海支部、NPO法人
アスクネット、名古屋大学、愛知県の主催、JSTイノベーションプラザ東海
の共催、中日新聞社、NHK名古屋放送局の後援)との連携・合同活動として
おこなわれて今年で3回目です。
参加する子供たちの募集は、 地元有力紙の「中日新聞」の12月の折り
込みチラシで、愛知県ほか近隣県の一般家庭を 対象におこなわれました
(各団体のイベントの子供たちの募集定員は50名、小学生以下は原則保護
者同伴)。
東海地方本部は過去2回と同様、子供たちを対象にFMラジオを使ったFOX
ハンティング「電波でおにごっこ、キツネを探せ!」や、特定小電力トラン
シーバーを使った「無線交信」を実施するほか、展示コーナーでは「モール
ス符号で遊ぼう」と題した展示をおこないました。
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▲東海地方本部の展示コーナー。今年も「モールス体験コーナー」が子供たちの大人気! |
当日の東海地方本部の展示コーナーでは、例年と同様「モールスの体験
コーナー」に行列ができ、また事前に申し込みがあった49名の子供たちが
「見えない電波を見てみよう」の解説のあと、「FOXハンティング」「特定
小電力トランシーバーを使用した交信体験」を大いに楽しみました。
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▲厳しい寒さにもめげず、元気にFOXを探す子供たち |
■来年以降の実施内容に関する東海地方本部の検討課題■
「おもしろ科学教室」は参加学会等の展示と科学工作教室などの体験型参加イベントを主体に構成されています。科学工作のテーマは年々作品数が増えて来ています。
しかし東海地方本部のイベントは、他の参加学会等のイベントへの配慮から、第1回から「科学工作の要素」を持たないゲーム形式の「遊びの中で発見する科学」というイベントスタイルで実施してきました。
「科学工作の要素」を持たない、「イベントの内容が伝わりにくい」という半面性もあり、事前の参加者募集において、他学会等の「科学工作イベント」に比べると、事前の参加希望者がなかなか集まりにくい傾向が見られたことも事実であったと言えます。
JA2HDE木村時政東海地方本部長によれば、「おもしろ科学教室」の事務局からは、「来年以降はアマチュア無線のイベントの中にも「科学工作の要素」を取り込んでみたらどうだろうか」という意向の打診を受け、そのテーマについて、「2005年の愛・地球博アマチュア無線ブース」での工作教室や、平成21年度から科学技術振興機構(JST)の採択を受けて東海地方本部が実施している、「地域の科学舎推進事業の工作教室」の実施実績や実施ノウハウをふまえて、東海地方本部ではすでに来年のイベント協力に向けて検討を開始しているということです。
▲東海地方本部のイベントに参加した元気な子供たちと記念撮影!
おもしろ科学教室の事務局をつとめている高井吉明教授(応用物理学会東海支部評議員、名古屋大学)は、第3回目の成功に際して次のように語っています。
「おもしろ科学教室」は、各種団体の協力と科学技術振興機構や名古屋大学などの支援のもとで、第3回を迎えて開催しました。このおもしろ科学教室は、今の所、特に明確な組織によって定常的に運営されているものではなく、成人の日の開催に向けて科学啓発活動、科学技術理解増進という「志しを同じくする諸団体」がそれぞれ独自に企画を練って提案し、当日もそれらの団体が主となって各工作を担当します。この実施体制の特徴は単に学会だけではなく、いろいろな団体が、それぞれ得意な分野で能力を発揮しイベントを実施するという仕組みになっていて、「このおもしろ科学教室への参加は全く自由であること」、運営についても「資金援助、人的派遣など可能な団体が可能な範囲でおこなうこと」などです。
一方、「冬の時期に開催するこの種の工作教室が少ない事」「小学校1・2年生の低学年生徒も対象としている事」「分かりやすい講演、展示、工作という3部作をとっている事」「地下鉄駅が構内にあって交通利便性の良い名古屋大学で実施している事」などの理由により、今回も一般家庭の反響は大きく、募集開始から2日ほどで定員が一杯になるほどでした。
このように毎回、希望者が殺到しているため、今年は工作テーマを1つ増やして定員を50名追加しましたが、それでも270名の定員枠に500名を越える応募があるなど、今後も期待に添える努力が必要と痛感しました。
資源の乏しい日本においては人材が唯一の資産です。私達が安心して住める地球環境の維持には、科学技術の継承・発展が必要で、このためには人材の育成が不可欠です。ぜひ、今後も継続して行きたいと考えております』
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「青少年の科学への興味を引き出すことを目標とした各種学会」や「大学」「自治体」、そしてJARLほかの関連団体の連携・合同計画による「一般青少年に向けての体験型科学啓発イベント」は、大変貴重な実施の例の一つと位置づけられ、各地においてもこのような「JARLが催事のお手伝いができる協力の場」が、ぜひ大きく広がって欲しいものです。
【参考】
●第2回「おもしろ科学教室」(2010年1月11日)のレポート
●第1回「おもしろ科学教室」(2009年1月12日)のレポート
(1月18日掲載、1月21日更新)
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