■名古屋大学で第1回「おもしろ科学教室」
異なる分野の学会やJARL等の団体の連携協力による
体験型科学啓発イベント実施される
「髪の毛も逆立つバングラフジェネレータ」(プラズマ・核融合学会) |
「竜巻を作ろう」(NPO法人アスクネット) |
「超伝導磁気浮上列車」(プラズマ・核融合学会) |
成人の日の1月12日、国立大学法人名古屋大学東山キャンパス(名古屋市千種区不老町)の「IB電子情報館」で、第1回「おもしろ科学教室」が開催されました。
この「おもしろ科学教室」は、応用物理学会東海支部、
電気学会東海支部、
電子情報通信学会東海支部、
日本アマチュア無線連盟東海地方本部、
日本赤外線学会、
日本物理学会名古屋支部、
プラズマ・核融合学会、
日本弁理士会東海支部、
NPO法人アスクネット、
名古屋大学、
愛知県の主催、
JSTイノベーションプラザ東海の共催、
中日新聞社、
NHK名古屋放送局の後援で、
「日本の次世代科学技術を担う青少年の科学啓発のための学協会等連携による地域社会を対象とした科学技術理解増進を趣旨」として開催されました。
イベントは、「ノーベル賞の秘密 素粒子のなぞ」と題する、ノーベル物理学賞受賞記念講演を筆頭に、科学を体験できる興味深い各種展示、工作教室などがおこなわれました。
- 風船を使ってホバークラフトとロケットを作ろう!(募集60名、応用物理学会東海支部)
- 簡単モーターを使って回転だまし絵を作ろう!(募集60名、電子情報通信学会東海支部)
- 超簡単火災報知機を作ろう!(募集30名、日本赤外線学会)
- キツネを探せ!FOXハンティング(募集50名、日本アマチュア無線連盟東海地方本部)
参加する子供たちの募集は、地元有力紙の「中日新聞」の12月7日付け折り込みチラシで、愛知県ほか近隣県の一般家庭を対象に12月19日までの間実施されましたが、募集開始後すぐに定員に達してしまったそうです。
■JARL東海地方本部はFOXハンティングと無線交信体験を企画
大変有意義なこのイベントに参加協力をすることになったJARL東海地方本部は、今回取り組むイベントについて、参加学会が「工作教室」を主体として実施することから、ちょっと視点を変え「電波の面白さ」を子供たちに体験してもらうことを主眼としてゲーム型式で参加してもらえる「FMラジオを使ったFOXハンティング」と特定小電力無線機を使った「交信体験」をテーマとして選択しました。
なおFMラジオを使ったFOXハンティングは、愛知県支部が情報通信月間参加行事の一つとして、毎年実施しているイベントです。
また展示ブースについても「子供たちが参加体験できること」を重視して、通常の公開運用というスタイルは取らず、子供たちにモールス符号を体験してもらう「体験コーナー」として出展をおこないました。
■さまざまなイベントを楽しむ子供たち
▲風船ホバークラフト ・風船ロケット工作 |
▲簡単モーターを使って 回転だまし絵を見よう! |
▲超簡単 火災報知器を作ろう! |
当日の会場は元気な子供たちと、引率の保護者の方々であふれ、各学会や団体のさまざまな展示や工作教室等の催事を賑やかに楽しんでいたようです。
応用物理学会の「風船ホバークラフト・風船ロケット工作」、電子情報通信学会の「簡単モーターを使って回転だまし絵を見よう!」、日本赤外線学会の「超簡単 火災報知器を作ろう!」の3つの工作教室では、熱心に工作に取り組む子供たちの姿が印象的でした。
さて、東海地方本部の展示ブースですが、印字機を使ったモールス送信体験に、子供たちの行列ができました。
子供たちに、「名前をモールス符号に書き換えたメモを見ながら」モールス符号を打ってもらうという単純な体験ですが、参加した子供たちにとって「長短点の組み合わせで文字を表す」というモールス符号の概念は分かりやすく、新鮮な発見となったようで、多くの子供たちが熱心に参加し、印字したテープを嬉しそうに受け取っていました(写真右)。
また、FOXハンティングは応募があった56名の子供たちを、上級生と下級生の2組に分けて、FOXハンティングと交信体験を交代でおこないました。
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▲特定小電力トランシーバーを使った交信体験のようす |
当日の早朝は雪もちらついた冬の寒空の下でしたが、子供たちはFMラジオを片手に元気にキャンパスの広場を駆けめぐりFOXを探し求めていました。
なおFOXの受信用に「おもしろ科学教室」事務局が準備してくれたFMラジオは、手回し発電式のものですが、このラジオも子供たちの興味を大きく引きつけたようで、また使用したラジオは、事務局のご厚意で子供たちにプレゼントされることとなり、参加した子供たちは大喜びだったようです。
▲手回し発電のFMラジオに興味津々
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▲FOXハンティング会場に集団移動中!
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▲FOXの信号は聞こえてくるかな?
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▲FOX目指して走る!走る!ガンバレー
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▲やったー、みつけたよー
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「おもしろ科学教室」事務局として学会や団体等の取りまとめをされた、名古屋大学大学院工学研究科の高井吉明教授は、今回のイベントの大成功について、
「おもしろ科学教室も大変好評のうちに終了することができました。毎年こんなのをやって欲しいという子供たちや保護者の希望もいただきました。
今回のイベントは、異なった分野の団体が一致団結しておこなった科学啓発活動であり、恐らく自発的に連携をとって開催されたものとして、全国的にも例はないのではないかと思います。
これを機会にぜひ何らかの連携あるいは組織を構築する努力をいたしたいと存じます」
と語っています。
今後も各団体の連携・協力を深め「第2回」「第3回」とイベントの輪が広がっていくことが大いに期待できそうです。
また、各地においてもこのような「JARLが催事のお手伝いできる協力の場」が、ぜひ広がって欲しいものです。
▲FOXハンティングに参加した元気な子供たちと保護者のみなさん
(1月15日)
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