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山梨学院中学校科学部の生徒たちがARISSスクールコンタクトで大西宇宙飛行士と交信に成功
▲交信開始前の開会式の模様 |
▲交信が成立した場面、左側がコントロールオペレーターのJR1ETY竹田さん |
10月1日、山梨学院中学校(山梨県甲府市)科学部の生徒たちが、ARISSスクールコンタクトで、大西卓哉宇宙飛行士との交信に成功しました。山梨学院中学校科学部のスクールコンタクトは、国内89例目で、大西宇宙飛行士と日本の学校との2度目の交信にあたります。
山梨県内でのARISSスクールコンタクトの実施は今回が初めてとなり、同校の生徒たちが主体となりJARL山梨県支部メンバーの協力で実施に至ったものです。
また写真をご覧になってもおわかりかと思いますが、今回のスクールコンタクトの会場は屋外です。屋外を交信会場としたスクールコンタクトの実施ケースは比較的珍しく、
昭島市立つつじが丘南小学校(同校校庭)、
和歌山大学宇宙教育研究所(和歌山大学電波観測通信施設)、
NHK『マサカメTV』(NHK放送センター屋上)、
日本ボーイスカウトアマチュア無線クラブ(第23回世界スカウトジャンボリー会場)
の4例に続く5例目となります。
サポートに当たったスタッフのおひとりである、JARL山梨県支部運営委員のJR1ETY竹田 泉さんから、今回のスクールコンタクトに関する詳細なレポートをお送りいただきましたのでご紹介します。
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今回のスクールコンタクト実現の発端は、同校に在籍の中学1年生(当時)の生徒の一人から「アマチュア無線に関心を持って調べていたら、ARISSスクールコンタクトを知りぜひやってみたい」と考えたのがスタートです。昨年5月にその彼からJARL山梨県支部宛に「ARISSスクールコンタクトを実施したいので、立ち会う無線従事者の紹介をして欲しい」と協力を依頼する一通のメールが送られてきたのです。
この件は昨年6月の支部役員会議で藤森千冬支部長(JA1UXC)から紹介され、詳細ヒアリングのため同校を訪問しました。その結果、生徒さんの意欲も高く学校側の熱意もあり、山梨県支部として協力する方針とし、その後の支部ハムの集いで提案し、支部会員の皆さんからも賛同をいただき決定しました。
まずは申請書類を提出することがスタートとなりますが、英文の申請書類も作成もほとんどを生徒さんが主となり書き上げ、山梨県支部で記入した箇所は一部の技術的な項目のみでした。そして、昨年10月に書類を提出し審査結果を待つことになりました。
朗報がもたらされたのは今年の4月です。ARISSスクールコンタクトのスケジュールが、9月26日から10月2日の週で可能との連絡を受け、会場の選定、役割分担など具体的準備作業に着手しました。
9月に入り臨時に開設する社団局(8J1YGJH)の申請、事前リハーサルとして会場にアンテナを設置し低軌道衛星の受信をおこないその日に備えました。
9月20日にはスケジュールが10月1日実施と決定し、翌21日には無線局免許が交付され、本番を迎えることができました。
▲生徒さんが質問する場面、左側から藤森支部長(JA1UXC)、生徒さん、竹田さん(JR1ETY)
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▲交信終了後の校長先生のごあいさつ |
なお、このとき免許取得者は科学部員1名でしたが、今回のARISSスクールコンタクトを契機として、アマチュア無線の免許を取得したいという生徒さんがいるとのお話も聞きアマチュア無線や、それを通じて科学に触れることの楽しさを知ってもらえる機会となったと思います。
そして何よりも今回、生徒さんや学校関係者の皆様と一緒に達成感と感動を共有できたことがJARL山梨県支部にとっても大きな成果となりました。
文末となりますが、今回のARISSスクールコンタクトの実施に際し、ご支援をいただいた、総務省関東総合通信局、ARISS運用委員の安田 聖さん(7M3TJZ)、そしてJARL山梨県支部メンバーの皆さんに感謝とお礼を申し上げ今回の報告といたします。
レポート:JARL山梨県支部運営委員JR1ETY竹田 泉さん、写真提供:山梨学院中学校
(10月14日)
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