■横浜市立倉田小学校の児童が国際宇宙ステーションと交信に成功
2011年8月16日18:55、横浜市立倉田小学校の児童たちがARISSスクールコンタクトで、国際宇宙ステーションに長期滞在中の古川 聡宇宙飛行士との交信に成功しました。古川宇宙飛行士による3回目のスクールコンタクトは古川宇宙飛行士の出身地、横浜の小学校との交信となりました。
また神奈川県でのARISSスクールコンタクトの実施は2例目となります(1例目は2010年3月4日、野口聡一宇宙飛行士とその出身中学校の茅ヶ崎市立浜須賀中学校との交信)。
倉田小学校のスクールコンタクトは、同校児童の保護者の一人であり、熱心なアマチュア無線家の中田国芳さん(7L1FPU)が、2年ほど前に学校に提案したことを発端に、中田さんや地元のアマチュア無線家の方々、学校の全面的な協力を得て準備が進められたものです。
スクールコンタクトの準備が本格的に開始されたのは、古川宇宙飛行士との交信スケジュールの内定をARISS Japanから受けた本年4月ごろ。
古川宇宙飛行士と交信する児童は、1〜6年の各学年から代表質問者が2名ずつ選ばれ、児童たちは宇宙や国際宇宙ステーションに関する勉強会や、交信の練習会を重ねて来ました。
●コントロールオペレーターは小学生!
▲各学年から選ばれた代表質問者の子供たち
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▲交信開始の時を待つ中田さんファミリー |
今回の倉田小学校のスクールコンタクトのために、臨時に開設した社団局は8N1YK。
そして、今回の交信のマイクコントロールをする、コントロールオペレーターを努めたのは、ナント同校の5年生! 中田国芳さんの長男の中田吉紀(よしき)くん(JF1UCV)です。
ここまで国内で実施された54例のスクールコンタクトにおいて、小学生がコントロールオペレーターを努めた前例はありません。
吉紀くんは小学校3年生のときに、アメリカのエクストラ級ライセンス(KH0UA)を取得し、日ごろからアクティブに運用しているヤングハムなのです。
実は中田さんのご家族は、全員がアマチュア無線の免許を持つ熱心なハムファミリーなのです。吉紀くんと同様、双子の弟である、光軌(みつき)くんと、宙希(ひろき)くん(同校3年)も、ともに第3級アマチュア無線技士の資格を持っており、お父さんによれば今後、お兄さんと同様にアメリカのライセンス取得にも挑戦する予定とのことです。
●宇宙に届いた!倉田っこの夢
▲交信中の壇上のようす
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▲約500人の来場者が緊張の交信を見守った |
交信会場となった倉田小学校体育館では、同校児童や保護者の方々、地元の見学者の方々ほか約500名が、緊張の面持ちで交信を見守りました。
そして定刻の18:55、吉紀くんが堂々としたオペレートで、古川宇宙飛行士が待機している国際宇宙ステーションのアマチュア局NA1SSの呼出を開始し、数回のコールの後、古川宇宙飛行士から強力なシグナルの応答があり、吉紀くんのマイクコントロールで各学年を代表する12名の児童が順番に質問をおこない、たいへん興味深い回答をもらうことができました。
代表質問者の質問が終了後、続いて「交信の残り時間がある場合は質問に参加する」という前提で壇上に上っていた、吉紀くんの弟の光軌くんと、宙希くんも質問に成功。吉紀君がファイナルを送り無事すべての交信が終了しました。
交信終了後、場内は大きな拍手と歓声に包まれました。
▲緊張の交信のひとこま
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▲アンテナは校舎屋上にセッティングされた |
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なお、お父さんの中田国芳さんによれば、今回の倉田小学校のスクールコンタクトのために、臨時に開設した社団局8N1YKは、11月1日(倉田小学校の創立記念日)までの期限で免許を受けているそうで、倉田小学校の「中田さん3兄弟」を始めとした、アマチュア無線の有資格者が中心となってスクールコンタクトのPR運用をおこなう予定とのことです。
(8月18日)
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