| 2006年のNEWS |

| Dec | Nov | Oct | Sept | Aug | July | June | May | April | Mar. | Feb. | Jan.|

October 2007 NEWS TOPICS INFORMATION


欧州宇宙機関(ESA)のコロンバス・モジュールにアマチュア無線のアンテナを設置(ARISS-EUがLSバンドの広帯域中継器、デジタルATV運用を計画)

 ARISSヨーロッパ(ARISS-EU)は、2007年末〜2008年始めに打ち上げが予定 されている国際宇宙ステーションの「コロンバス・モジュール」(欧州宇宙機関(ESA)の国際宇宙ステーションの欧州実験棟、写真はARISS-EUのサイトより)に、ESAの協力を得てアマチュア無線用アンテナの設置を10月9〜10日にかけておこなったと報じています。
 コロンバス・モジュールへのアマチュア無線のアンテナ取り付けは、ARISSヨーロッパがプロジェクトの一つとして、ESAに対して2003年から働きかけていたものです。

 今回の取り付けをおこなった、アンテナはポーランドのブロツワフ工科大学で開発されたARISS-41型とARISS-43型で、Lバンド(1200MHz帯)とSバンド(2400MHz帯)のパネル形状のアンテナです。
 近いうちに、さらにもう一つARISS-42型と呼ばれるアンテナの設置が予定されている模様です。

▲ARISS-41型アンテナ(左)とARISS-43型アンテナ(右)(写真はARISS-EUのサイトより)

 ARISSヨーロッパでは、今回、コロンバス・モジュールに設置のアンテナを使用して、L/Sモード(1200MHz帯アップリンク、2400MHz帯ダウンリンク)の広帯域中継器の運用、ARISSスクールコンタクトの際、デジタルATVでの動画送信などを計画している模様です。
 運用システムの詳細等は、ARISSから発表になりしだいお知らせします。

 なおARISSヨーロッパでは、コロンバス・モジュールへのアンテナ取り付けには、莫大な費用を要することから、この取り付けに際して世界のアマチュア無線家に対して寄付を募っていました。

 また「コロンバスモジュール」は、何回かに分割して打ち上げが予定されている 宇宙航空研究開発機構 (JAXA)日本実験棟「きぼう」と同時期の、2007年末から2008年初めにかけて打ち上げられる予定とされており、NASAはSTS-120#06「ステータスレポート」(リンクJAXAの仮訳によるもの)から、両モジュールの設置完了後、「コロンバス・モジュール」と「きぼう」間の結合機能が提供されると発表しています。

(10月29日)




「地域ICT未来フェスタ in あおもり 2007」にアマチュア無線ブースを出展  多くの子供たちにアマチュア無線の面白さをPR

 地域ICT未来フェスタは、地域情報化の全国的な推進を図るため、毎年総務省と開催県等が連携して開催する全国規模のイベントです。
 今年は、「地域ICT未来フェスタ in あおもり 2007」の名称で、10月12〜14日の3日間、メイン会場の青森県青森市の「青い森アリーナ」、弘前市・八戸市にサテライト会場を設けて開催されました。

 JARLも情報通信関連の1団体として、青森県支部が中心となって会場にブースを出展。また、9月21日〜10月14日の間、同フェスタの開催を呼びかける記念局8N7ICTを開設しPR運用おこなってきたほか、会期当日は会場ブース内で8N7ICTの公開運用をおこないました。

 「地域ICT未来フェスタ in あおもり 2007」実行委員会の発表によれば、青い森アリーナのメイン会場のみで、40,000名以上の来場が達成できたということです。
 JE7JGG佐藤 眸青森県支部長によれば「JARLブースでも多数の来場者、とりわけ来場の多数の子供たちにアマチュア無線の入門パンフレットの配布や、アマチュア無線のPRをすることができ、たいへん有意義な成果を得ることができました」とのことです。

 なお当日のレポートは、こちらをご覧ください。

(TNX JA7NL、JE7JGG)

(10月24日)




石川県鳳珠郡穴水町の14名の児童・生徒が国際宇宙ステーションと交信に成功!!

 10月6日、石川県鳳珠郡穴水町の石川職業能力開発短大で、同町の児童・生徒14名が、ARISSスクールコンタクトで国際宇宙ステーションとの交信に成功しました。

 国内では27例目、北陸地方では2例目となる今回のスクールコンタクトは、同短大の松田多賀志先生(JA9BIP)をはじめ、同町の教育委員会や同町内の小・中学校校長ほかで構成した「穴水町ARISS実行委員会」によって準備が進められもので、自治体の教育委員会組織構成メンバーを実行委員会組織の一部に迎えて実施された初めてのケースです。

 今回のスクールコンタクトのために、臨時に開設した社団局は8J9ISS。
 当日はコントロールオペレーターを務めた、松田先生の呼びかけに、クレイトン・アンダーソン宇宙飛行士から応答が得られ、その後、14名の児童生徒が次々交信に成功しました。

 なお、穴水町のスクールコンタクトの詳細なレポートは、実行委員会から到着し次第あつまれヤングハムのページ等でご紹介します。

(10月24日)




ITU世界無線通信会議(WRC-07)の記念局4U1WRCをITU本部局で運用

 スイスのジュネーブで10月22日〜11月16日の間開催の「ITU世界無線通信会議」(WRC-07)に併せて、記念局4U1WRCが10月22日〜11月16日の間運用されます。

 この局は、スイス・ジュネーブのITU HQ局4U1ITU局の設備を使用して運用がおこなわれるもので、4U1WRCは10月27〜28日に開催される、CQ WW DXコンテスト(SSB)にも参加の予定です。

(10月23日)




アマチュア衛星AMSAT ECHO(AO-51)ソフトウエア障害で一時運用停止

 AMSAT(アマチュア衛星通信協会)は、「AMSATのアマチュア衛星AMSAT ECHO(AO-51)のソフトウエアに障害が発生し、10月11日より送信機が停止している。レピータとBBSの機能は数日間停止となり、現在ソフトウエアのリロードと再起動の作業を進めている」というAMSAT-NA副会長のKO4MA アンドリューLグラスブレナー氏のレポートを発表しています。

 AMSAT ECHOは28/144/430/1200/2400MHzのFM送受信機をソフトウェアで切り替えて使用できる構成となっています。Jモード(144MHz帯UP、430MHz帯DOWN)での運用が主体となっていましたが、最近はV/Sモード(144MHz帯UP、2400MHz帯DOWN)、L/Uモード(1200MHz帯UP、430MHz帯DOWN)への切り替えも定期的におこなわれています。
 最近では、世界初の人工衛星スプートニク生誕(1957年10月4日打ち上げ)50周年を記念し、AMSATがAMSAT ECHOを活用した記念運用も実施しました。

 同氏のレポートによれば、「10月20〜21日に管制局ソフトウエアのリロード作業を実施するので、近日中にサービス再開ができるであろう」としています。

(10月22日)




ITU世界無線通信会議(WRC-07)がスイスジュネーブで開催

  国際電気通信連合(ITU)は、平成19年10月22日(月)から世界無線通信会議 (WRC)をスイス(ジュネーブ)で開催します。

 WRCは 周波数分配を始めとする国際的な電波秩序を規律する無線通信規則 (RR:Radio Regulations)の改正をおこなうための会議で、通常3〜4年に1度、 開催されています。本年開催のWRC-07にも、日本から総務省、総務省、通信事業 者、メーカ、JARLをはじめ関係団体等から計76名が日本代表団員として参加する 予定です。

 なお今回のWRC-07における、アマチュア無線関連の議題は、「議題1.13 短波帯 の分配の見直し」、「議題1.15 135.7-137.8kHz帯のアマチュア業務のニ次分配」 などがあります。

(10月19日)




サイクル23の極小期、サイクル24の動向についてNICTが発表

 情報通信研究機構(NICT)は、SWC宇宙天気情報センターのサイトの 10月16日付の発表で、現在のサイクル23の極小期の太陽活動と、今後迎える サイクル24に関する次のような内容を発表しています。

 発表では「太陽活動は約11年の周期で極大と極小を繰り返しています。2007年 は太陽活動の極小期にあたり、太陽に黒点がない日が長く続いたりして います。次のサイクル24の極大がいつでどれくらいの大きさになるかの 予測についての国際会議が2007年4月に米国で開催されましたが、結論は 二つにわかれました。
 ひとつは次の極大は2011年ごろで極大のときの黒点数は140前後でけっ こう活発になるというもの、
 もうひとつは次の極大は2012年ごろで極大のときの黒点数は90前後とそ れほど活発にはならないというものです。
 どちらが正しいか4〜5年後の極大が楽しみです。
 また、現在のサイクル23の極小がいつになるかというのも興味深い問題です」 としています。

 このように現在太陽物理専門研究者の会合の、予測でも大きく意見 が二分しているサイクル24の動向には、アマチュア無線家としても、大 いに注目したいところです。

(10月17日)




平成19年度東京都赤十字大会でJARLに感謝状

 平成19年10月16日、明治神宮会館において日本赤十字社東京都支部 創立120周年記念式典が開催されました。

 JARLは国際地球観測年観測計画(IGY)に協力するために過去JA1RL、JA1IGY を東京都港区の日本赤十字社に設置したほか、過去にお いても赤十字社との連携した活動の機会が多くあり、また、阪神・淡路大震災 における、災害復興への協力連携活動や、全国の地方本部・支部における「防災訓練 等の、同社と共同活動の実績」などの功績に対して、社長感謝状が授与されたものです。

(10月17日)




米田治雄OM(元J2NG、元JA1ANG)がサイレントキー

 かねてから病気療養中だった米田治雄OM(元J2NG、元JA1ANG)が、平成19(2007)年10月8日、肺炎のため逝去されました。享年88歳。

 米田OMは大正8(1919)年生まれ。J2NGのコールサインで戦前から活躍され、戦後のアマチュア無線の再開に参画され、戦後のJARL再結成、日本のアマチュア無線再開の当時は、JARLの常任理事として日本のアマチュア無線再開活動にご尽力をいただきました。

 また自らのアマチュア無線活動において、日本のアマチュア無線再開後の、SSBモード普及の先駆者として活躍する一方、昭和37(1962)年にスイス・ジュネーブのITU(国際電気通信連合)に開設された4U1ITUで、同年7月17日に日本人最初のオペレーターを務め、昭和49(1974)年にはAMSAT(アマチュア衛星通信協会)の日本支部(日本アマチュア衛星通信クラブ=現在のJAMSAT)を森本重武OM(故人、元JA1NET)と共に設立し、AMSATのアマチュア衛星搭載機器の研究や開発、製作への協力、アマチュア衛星通信普及の原動力として多大な尽力をされました。

 米田OMのご冥福を謹んでお祈りします。

 なお告別式の概要は次のとおりです。

●告別式の概要
【喪主】
米田ゆり(長女)
【日時】平成19年10月10日(水)14:00〜15:00
【場所】日本基督教団「世田谷平安教会」
〒154-0002 東京都世田谷区下馬2-41-5 電話03-3421-4993

(10月9日)




ニュージーランド初のアマチュア衛星KiwiSAT、2008年に打ち上げ予定

 AMSAT-ZL(ニュージーランドのアマチュア衛星通信協会)は、ニュージーランドとしては初のアマチュア衛星KiwiSATの打ち上げを目指して、開発を続けています。
 AMSAT-ZLでは、2008年中盤〜後半にコスモトラス社(ロシア)のドニエプルロケットで、打ち上げることを目指して、本年8月ごろから「KiwiSAT」の製作は最終段階に入っていると報じています。

 KiwiSatは、GPSレシーバー、姿勢センサー、太陽センサー、カメラ、マグネトロンセンサーを搭載し、CubeSat衛星と比べると大柄な立方体形状の衛星です。

 KiwiSATの最終的な通信システムは、現在宇宙を周回中のAMSAT Echo(AO-51)のデータの提供をAMSAT-NAから受けて、その技術を生かしたものとなる模様で、次のような通信システムが搭載される予定です。

  • モードV
    テレメトリービーコン:145.8500MHz CW
  • モードU/V(B):FM音声レピータ/データ中継
    アップリンク:145.8650MHz FM
    ダウンリンク:435.2450MHz FM
  • モードU/V(B):リニア中継器(逆ヘテロダイン型)
    アップリンク:435.2600〜435.2300MHz SSB/CW
    ダウンリンク:145.8500〜145.8800MHz SSB/CW
  • モードL/V:FM音声レピータ/データ中継
    アンプリンク:1268.8650MHz FM
    ダウンリンク:145.8650MHz FM
  • モードL/V:リニア中継器(逆ヘテロダイン型)
    アップリンク:1268.8800〜1268.8500MHz SSB/CW
    ダウンリンク:145.8500〜145.8800MHz SSB/CW

 このように現在、運用中のアマチュア衛星の中では数少ないリニア中継器を搭載したアマチュア衛星となる模様です。

 なおKiwiSATの詳細は今後状況が進展し次第、AMSAT-ZLのサイトや、KiwiSATのサイトに紹介されていくものと予想されます。

【AMSAT-ZLのKiwiSATのページ】
http://homepages.ihug.co.nz/~jpsl/KiwiSAT_index.htm
【KiwiSATのWebサイト】
http://www.kiwisat.org/index.html

(10月5日)



| Dec | Nov | Oct | Sept | Aug | July | June | May | April | Mar. | Feb. | Jan.|


| 2006年のNEWS |