| 2007年のNEWS |

| Dec | Nov | Oct | Sept | Aug | July | June | May | April | Mar. | Feb. | Jan.|

May 2008 NEWS TOPICS INFORMATION


中華人民共和国の四川省大地震に伴う非常災害通信が終了

 中華人民共和国の四川省大地震に伴う、災害復興通信手段確保のため、同国国内でアマチュア無線による災害非常通信が7MHz帯、14MHz帯でおこなわれていましたが、5月27日、CRSA(中国のアマチュア無線連盟)から、IARU第3地域非常通信委員会に対して、同周波数帯でおこなっていた非常災害通信が一応終了し、非常災害通信に障害を与えないよう、非常通信周波数の確保に協力をいただいた近隣諸国のアマチュア無線家に対して、感謝の念を伝える旨の連絡が入りましたのでお知らせします。

 CRSAからの連絡によりますと、
「当該周波数を使用した非常災害通信を終了しました。
 今回の非常災害通信に対して協力をいただいた近隣諸国の連盟およびアマチュア無線家の方々に深く感謝いたします。
 被災地では現在も強い余震が続いており予断を許す状況ではなく、今後も非常災害通信が必要になった場合は、各国のアマチュア無線家の皆様のご協力をお願いいたします」
 とのことです。

(5月28日)





ロシアで「スプートニク1号打ち上げ50周年を記念するアマチュア衛星」(RS30)の打ち上げに成功

  AMSAT(アマチュア衛星通信協会)は「ロシアの連邦宇宙局がアマチュア無線の送信機を搭載した人工衛星Yubileinyの打ち上げ成功を発表」と報じています。

 Yubileinyは45kgの小さい衛星で、世界初の人工衛星である、スプートニク1号の打ち上げ50周年を記念して、5月23日(日本時間では5月24日)に、3機の主衛星の相乗りペイロードとしてプレセツク宇宙基地から打ち上げられたもので衛星のコールサインはRS30(注:スプートニク1号は1957年10月4日に打ち上げられた)。

 435.315MHzで、CWテレメトリーや音声メッセージに加えて「当時スプートニク1号が送信した信号など」も送信してくるというものです。

 Yubileinyは、4分周期で次のようにコールサインを含むシグナルを送信します。

CWテレメトリー(10秒)→音声メッセージ(1分)→休止(50秒)→スプートニク1号が当時送った信号(10秒)→画像(1分)→休止(50秒)

 みなさんもチャンスがあれば受信に挑戦してみてください。

(写真:ロシア連邦宇宙局のサイトより)

(5月27日)






総務省が平成20年度電波利用保護旬間を実施
(電波利用環境相談巡回車による周知・啓発)

 総務省は、「電波のルール守りましょう」「不法電波は、許さん!」をキャッチフレーズに、平成20年6月1日(日)〜6月10日(火)までを「電波利用保護旬間」として、電波利用に関する周知・啓発活動を集中的・重点的におこないます。

 総務省の発表では「旬間を中心に、不法無線局の取締りを強化することにより、不法無線局による被害から正しく無線局を運用している電波利用者を保護し、良好な電波を効率よく利用できる電波利用環境の整備を推進する」としています。

 本年度の電波利用保護旬間では、各種報道による広報、ポスターやリーフレットの配布ほか、電波監視施設の一部公開のほか、電波利用環境相談巡回車を運用し、全国各地のイベント会場等での出張相談などもおこなわれます。

平成20年度電波利用保護旬間に使用されるポスター
電波のルールを守りましょう。
(女優、牧瀬里穂さんを採用したもの)

▲横デザイン

▲縦デザイン
不法電波は、許さん!
(野村克也監督を採用したもの)

▲横デザイン

▲縦デザイン

(5月20日)




日本のD-STARレピータ局とデイトン・ハムベンション会場レピータ局との接続を実施(多くのD-STARユーザーがハムベンション会場と交信!)

 5月16日から18日(現地時間=JST−13時間)までの間、アメリカのオハイオ州デイトンで開催のデイトン・ハムベンション会場に、臨時に開設されたD-STARレピータ局K5DIT Bと、日本に開設している次のD-STARレピータ局の接続がおこなわれ、デイトン・ハムベンション会場と日本のアマチュア局との交信がおこなわれました。

  • デイトン・ハムベンション会場:K5DIT B(アメリカ・オハイオ州デイトン)
  • 関東地方:JP1YIW(東京都西東京市)
  • 東海地方:JP2YGI(愛知県名古屋市)
  • 関西地方:JP3YHJ(大阪府東大阪市)

 日本時間では深夜から早朝の時間帯にも関わらず、多くのD-STARユーザーの方々がデイトン・ハムベンション会場とのQSOに挑戦しました。

●     ●

 「日本のD-STARレピータ3局とデイトン会場との接続」のアナウンスがなされた時、「アメリカのデイトン・ハムベンション会場と交信できると言っても、早口な英語のCQに答える勇気はないなぁ」というユーザーの方々も少なくなかったようです。

 しかし当日K5DIT Bを使用して、日本のD-STARユーザー各局と交信に挑戦してくださったのは、日本に留学経験のあるYLオペレーターのKD7QDZモーリーンさん。
 「モーリーンさんは少し日本語を話すことができる」という事前情報が流れたこともあって、多くの方々が定刻からモーリーンさんのCQを心待ちにして待機しました。

 関東・東海・関西の各エリアのD-STARユーザーがモーリーンさん(写真右)や、当日デイトン・ハムベンションに参加されたAD6GZ安田さん(7M3TJZ)ほか、デイトン・ハムベンション会場のD-STARユーザーとの交信をおこなうことができました。

 また会期中、日本の3局のD-STARレピータからは、現地アメリカのアマチュア無線家のネイティブイングリッシュでのJA向けCQや、CQに答える日本のD-STARユーザーの英語の交信も聞くことができました。

 なお、現地レポートによるとアメリカでのD-STARへの注目度はかなり高まっている模様で、デイトン・ハムベンション会場に臨時に開設されたレピータK5DIT Bは、現地来場者のアクセス頻度も極めて高かったようです。
 このため日本の局との交信中にもK5DIT Bには、現地来場者のアクセスが殺到し、しばしば交信しにくい状況になることもあったとのことです。

 ともあれ、デイトン会場からのCQが聞こえてきた日本の各D-STARレピータでは、HF帯のDX交信さながらのオペレートやパイルアップで大いに盛り上がり、ユーザーの方々は、これまでになかった、とてもユニークな経験を大いに楽しんでいたようです。

(TNX 7M3TJZ、写真:Ed Woodrick WA4YIH)

(5月20日)




AMSATがオランダのDelfi-C3にDO-64のオスカーナンバーを付与

 AMSAT(アマチュア衛星通信協会)は、4月28日に打ち上げに成功したオランダ・デルフト工科大学の「Delfi-C3」に「DO-64」のオスカーナンバーを付与したと発表しています。
 「DO」には、「Delfi-C3 OSCAR」「Dutch OSCAR(オランダのアマチュア衛星)」の意味が込められているようです。

 Delfi-C3はテレメトリー送信のみをおこなう、サイエンスモードとリニア中継器として機能する中継器モードが搭載されていて、現在はサイエンスモードでの運用をおこなっています。
 サイエンスモードのテレメトリーのデコードは、デルフト工科大学が公開している「RASCAL」というJAVAアプリでおこなうことが可能です。

 同大学ではサイエンスモードでのミッションの終了後、中継器モードへの切り替えをおこなう予定としています。

 なお、Delfi-C3にはバッテリーが搭載されていません。この事から、運用が可能なのは衛星に太陽光が当たってるパスのみとなります。

【管制管理/サイエンスモード】

  • テレメトリーダウンリンク: 145.870MHz 1200Baud BPSK AX.25 400mW
  • テレメトリーダウンリンク(バックアップ): 145.930MHz 1200Baud BPSK AX.25 400mW

【リニア中継器モード】

  • ダウンリンク: 145.880〜145.920MHz (逆ヘテロダイン) 400mW PEP
  • アップリンク: 435.570〜435.530MHz
  • 中継器モードCWビーコン: 145.870MHz CW (中継器より10dB低いPEP)

(5月19日)




JARL理事(現職)の川口敦巳氏(JA4CX)がサイレントキー

 JARL理事(現職)の川口敦巳氏(JA4CX)が5月12日早朝、逝去されました。享年73歳。

 川口理事は昭和51年から現在まで長年にわたりJARLの理事を勤められ、JARLの事業の運営に多大な貢献をされました。

 葬儀は次のとおりおこなわれます。

  • 日時  平成20年5月13日(火)18:00から(通夜)、5月14日(水)15:30から(本葬)
  • 場所  島根県松江市大庭町1214-1 平安祭典松江会館 電話0852-26-1000
  • 喪主  川口 充洋 氏(長男)

 謹んでご冥福をお祈りいたします。

(5月12日)




日本大学CubeSat SEEDSのデジトーカ運用を開始!

 日本大学中村・宮崎研究室の発表によると、先に誕生した同大学のCubeSat SEEDSのデジトーカの運用が開始された模様です。

 デジトーカを搭載したアマチュア衛星は、JARLのふじ3号(FO-29)以来ですが、デジトーカはFMモードが受信できる、ハンディートランシーバーやエレメント数の少ない八木アンテナなどの比較的簡単な受信設備の組み合わせで受信できる可能性があります。みなさんもぜひ受信に挑戦してみてください。

 SEEDSのデジトーカの運用周波数は、デジタルパケットと同様に437.485MHzのFMで送信出力は450mW。
 衛星本体にあらかじめ録音されたFM音声によるメッセージ送信で、送信メッセージのバリエーションの一つとして、SSTVの画像信号も録音されています。
 デジトーカの運用は日本大学の地上局からのコマンドにより、ビーコンやデジタルパケットとモードを切り替えての運用となります。

 デジトーカはFMモードが受信できる、ハンディートランシーバーやエレメント数の少ない八木アンテナなど、比較的簡単な受信設備の組み合わせで受信できる可能性があります。みなさんもぜひ受信に挑戦してみてください。

 デジトーカの受信に成功したら受信報告書を日本大学中村・宮崎研究室に提出(返信用封筒、切手を同封してください)すると記念のベリカードがもらえます。

【受信のアドバイス】

 日本大学のSEEDSは高度633kmの低高度の太陽同期軌道(円軌道)を周回する衛星です。高度が低いため周回速度が早く、日本上空のパスの時間は短く、受信周波数には比較的大きなドップラーシフトを生じます。
 したがってFM音声といえども、周波数の変化幅が大きいため周波数の調整が必須となります。
 また、最大仰角が高い軌道ほど、周波数調整やアンテナの向きの調整作業が忙しくなります。

 無線機のチューニングステップは、5KHzとして、衛星が見え始める時刻から437.495MHz付近で受信を開始し、受信状況に応じて周波数を下げていく方法で受信しましょう。

 ちなみにSEEDSの受信周波数は、最大仰角(衛星との距離がもっとも、自局に近づく)地点で437.485MHzとなります。

●CubeSat SEEDSの運用スケジュールは次のサイトで発表になります。
 http://sat.aero.cst.nihon-u.ac.jp/gs/japanese/schedule_j.html

(5月8日)



| Dec | Nov | Oct | Sept | Aug | July | June | May | April | Mar. | Feb. | Jan.|


| 2007年のNEWS |